2014年当たりから一気に広まった3Dプリンタ。
ものづくりの好きな個人に大人気です。
また、ビジネスにもお役立ちです。

こんなに素晴らしい3Dプリンタの技術、実は日本で生まれたものだったのです。

 

 

チーたん
ふんふんふ~ん。 試作品完成!

チーたん
3Dプリンタって便利だな。

開発の初期に外部に漏らさずに試作品を作ることができるし、外注なしで何度も試行錯誤できる。

少数多品種の製品を扱う、うちみたいな会社には必須だよ。


あいぴー
昔に比べて値段も安くなったし性能も良くなってきているな。やっぱり最新の技術は違うわ~

チーたん
3Dプリントの技術自体は昔からあったんだよ。

アメリカの3Dシステムズ社が基本特許を持っているのだけど、最初の出願から20年経って特許権が切れたから一気に普及したみ たい。


あいぴー
チーたん、用語の使い方が知財担当者みたいやな!

チーたん
知財担当者だよ!(笑)

チーたん
ここで問題。3Dプリンタを最初に発明したのはだれでしょう?

あいぴー
え?3Dプリンタってアメリカの会社しか知らんけど・・・やっぱりアメリカやないの?

チーたん
ブッブー。発明者は日本人です。小玉さんという人が最初の積層造形として光造形の技術を開発しました

あいぴー
問題にするくらいだから、そうやろうな(笑)

あいぴー
でも、なんで日本に3Dプリンタの大きな会社がないん?アメリカの2社独占状態やん

チーたん
そういえばなんでだろ?

ふっくん
お呼びですか?

チーたん
わっ!呼んでないしっ

ふっくん
まあまあ。知財の匂いがするとつい飛んできてしまうんですよ。

ふっくん
3Dプリンタの会社が日本に少ないのは、発明者である小玉秀男さんが特許取得に失敗したからです。
小玉秀男さんは技術者時代に3Dプリンタを発明したのですが、日本だけで出願したあと放置していました。その後3Dプリンタが 普及しないので諦めてしまいました。

そのため、外国、特にアメリカで権利が取っていなかったので小玉さんの発明を真似てアメリカで3Dプリンタの技術が広まりました。

また、日本では審査請求(出願をした発明は審査請求をしないかぎり審査がされない。出願から一定期間経過後は取り下げたものとみなされる)をしなかったので、出願したものの取り下げ扱いにされてしまいました。


あいぴー
ということは、小玉さんは何も権利を持っていないん?

 

ふっくん
基本特許については何も持っていませんね

チーたん
勿体無い!!!持っていれば億万長者になれたのに

 

ふっくん
小玉さん自身もおっしゃっていますが、出願をするときは弁理士さんに頼んだほうがいいですよ。そうすれば、こんな致命的なミスは防げましたから。

チーたん
日本の産業界が、小玉さんの発明に注目し、先見の明をもって研究開発に取り組んでいれば、3Dプリンタのシェアは米国の2社の 寡占状態とは異なったものになっていただろうね。

ふっくん
まあ、過ぎたことを言っても仕方ありません。
小玉秀男さん自身は特許は取れませんでしたが、名誉ある賞を受けましたし、結果オーライというわけでいいんじゃないですか。

あいぴー
小玉さんが特許を取っていてくれれば日本に入ってくるお金もすごかったやろうな

チーたん
まだ言ってる(笑)

ふっくん
ちなみに、小玉秀男さんは今は弁理士さんなんですよ。

チーたん
そうなんだ!ぼくが3Dプリンタ関連の発明をしたら小玉秀男さんに出願代理してほしいなあ~

あいぴー
チーたんは早く出願業務を覚えて自分で出願できるようになってな!発明者が出願出来るのが一番なんやから

チーたん
研究開発も出願も知財業務も全部ぼくの仕事。多すぎるよ~(ToT)

ふっくん
小さな会社では経営者も知財を学んでくださいね。チーたんのように知財を生み出してくれる人をこき使わないでください

あいぴー
はい・・・(u_u;)」