ユーザーが投稿することによりコンテンツが増えていくタイプのサイトが存在します。
たとえば、動画投稿サイトであるユーチューブや、レシピ投稿サイトである食べログ。他にも写真や詩など実に様々な創作を投稿できるサイトが無数に存在します。
サイト運営サイドとしては、自らが創作を生み出さなくても他力によってコンテンツが増えていくので楽ちんです。ユーザーとしては自分の作品がたくさんの人に見てもらえるので嬉しくなります。

これだけならウィンウィンの関係に見えますが、著作権が絡むと厄介なことになってきます。

あいぴー
うちが描いたイラストや小説をあるサイトに投稿しているんやけど、サイトの利用規約を読んでみたら、「投稿作品は当社が自由に利用・改変できるものとします」って書いてあんねん。
ということは、絵を描いたのも小説を書いたのもうちなのに、サイト運営会社によって勝手にそれが書籍化されたり、別サイトに転載されたりしてしまうん?

ふっくん
う~ん、その可能性は否定できませんねぇ・・・

あいぴー
めっちゃズルいやん!他人の著作物で稼ぐなんて泥棒や!

ふっくん
ただ、このサイトの場合は投稿するときに利用規約の確認を求めていませんし、利用規約も目立たないところに書いてありますから、サイトとユーザー間の有効な著作権譲渡契約とは認められない可能性があります。
もしも先ほどあいぴーが言ったようなことをされてしまったら止めるように言うことが出来るでしょう。

チーたん
よく、○○賞というような小説の公募の利用規約には「当選作品の一切の著作権は当社に帰属することとします」って書いてあるけど、これはある程度は理解できるよね。
受賞者には賞金などが払われるから。

でも、単なる投稿サイトに投稿しただけで著作権がサイト運営会社に移転してしまうのはひど過ぎるよ。


ふっくん
ええ。こんなことは許されませんね。
でも、もしかしたらサイト運営会社には他人の著作物で稼ごうなんて意図はなく、単に法的知識が無く、他のサイトの利用規約を真似して利用規約を載せているだけなのかもしれません。

だとしたら、ユーザーから不信感を買ってしまうこのような利用規約を放置しておくことはこのましくありません。ですから、あいぴーが利用している投稿サイトは早急に利用規約を改定すべきでしょう。

たとえば、このような条項を入れておくと良いでしょう。
「投稿作品の著作権は投稿者に帰属します。
ただし、ユーザーにより投稿された作品は、ウェブサイト運営上必要な範囲内でのみ当社が無償で複製することができることとします。
ユーザーは、この利用に関して著作者人格権を行使しないものとします」

チーたん
「ウェブサイト運営上必要な範囲内」って・・・具体的にはどういうこと?
ふっくん
たとえば、ユーザーが退会してしまったあとでも、投稿した作品についてはウェブ上に残し続けることができます。
あいぴー
うちは自分の作品についてはいずれ電子書籍として出版しようと思っとるし、勝手にどこか別の場所で使われたり改変なんてされたくないわ。
ふっくん
そういう人は運営者に削除依頼をすると良いでしょうし、運営側も手間がかかるとはいえ、削除要求に応じるべきです。

運営会社はその旨の条項も利用規約に載せておくべきでしょうね

チーたん
すごく絵の上手い人の書いたイラストを勝手に自社の宣伝のために使われたりゲームのキャラクターに採用されたりといったことは許せないよね。
そして、そんなことを許してしまうと、ユーザーの不満が募って、結局はサイト運営が継続できなくなってしまうと思うよ
ふっくん
そうなるでしょうね。
それにしてもチーたんはバランス感覚に優れていますね。
日ごろから、一方的でなく他方の立場からの利害関係についても考慮しています。
法律家に必要な素養ですよ
チーたん
法律家になるつもりはないけど嬉しいな(*^^*)
あいぴー
うちは?うちは?
ふっくん
変わり者ですから、わが道を突き進めば優れた作品を生み出せるかもしれません。
残念ながら、法律家や経営者には向いていませんね。

あいぴー
美少女経営者に向かって生意気な・・・ヽ(`Д´)ノ

チーたん

まあまあ、あいぴーなら変わり者だからイノベーションを起こせるかもしれないよ!