インクジェットプリンタとインク、ジレットのカミソリの刃と本体のように、本体を安く売って消耗品で稼ぐビジネスモデルがあります。

このビジネスモデルのメリットとデメリットを見ていきましょう。

チーたん
このコーヒー美味しいなあ
あいぴー
うちはコーヒー飲まんからコーヒーの違いはわからんわ。

チーたんのために、ネスプレッソ買っているんやで

チーたん
ありがと。感謝してるよ。コーヒーカプセル結構高いのに
ふっくん
ドケチなあいぴーにしては珍しいですよね
あいぴー
いらんこと言うなや!
ふっくん
特許のところで話しましたが、こういうコーヒーカプセルやインクジェットプリンタ、それからカミソリの刃は、本体を安くして、消耗品で儲けています。ですから、消耗品は高めの値段に設定してあるんですよ
あいぴー
原価は安いよな。自分で詰め替えて売ってやろかな
チーたん
知的財産権的にマズイ気がするなあ。どうなの、ふっくん?
ふっくん
使い終わったカプセルを洗って、コーヒーを詰め替えて売るのは特許権の侵害になります。

商品の”再生産”に当たるからというのが理由です。

平成19年11月8日にインクカートリッジの詰め替えについて判決が出ていますよ。

あいぴー
なんやつまらん。安いカプセルを売ったら消費者のためになるからエエと思うけどな
ふっくん
安いカプセルを売ることはできますよ
あいぴー
どうせ、ライセンスの許諾を得てくださいとか言うんやろ?
ふっくん
いえ、普通にカプセルを作って売って大丈夫ですよ。

一度販売されたコーヒーカプセルに詰め替えるのがいけないのであって、互換性のある消耗品を売ること自体は問題ありません

あいぴー
じゃあやったろ
ふっくん
もともとコーヒーの工場設備があるのなら構いませんが、ゼロから投資したくはないでしょう?

本業で儲けてくださいよ。

知財を活用すればそんな他分野の製品の安売りで勝負する必要などないのですから

チーたん
特許権者側の気持ちになってみると、互換性のある商品を売られるのは痛いね。
ふっくん
そうなんです。

せっかく本体を安くして消耗品で儲けるというビジネスモデルを考えだしたのに、消耗品の販売を独占できなくなると、ビジネスモデルを作り直さなくてはいけなくなります。

チーたん

他社製品をセットすると本体が壊れるように設計する!それから壊れた本体の修理でも儲ける!
ふっくん
いい線行っていますね。

修理といえば、実は修理ビジネスって儲かるんですよ。

特許製品である機械を売るよりもそのメンテナンスを継続して受注した方がトータルで稼げます。

他者の機械のメンテナンスをすることだけに特化した会社もありますよ。非常に利益率が高いです。

チーたん
それは”再生産”にならないの?
ふっくん
なりません。合法的に行えますよ。
ふっくん
でも、先ほども言ったように、メンテナンスは儲かるんです。だから、他人に仕事を奪われたくない。

これを防止するには、維持管理等についての特許も取っておくことが大事です。

交換や修理が必要となる部品や洗浄時に使う薬剤等についても特許をとってください。

あいぴー
そんなの作る工場なんてないで
ふっくん

製造は自社で行う必要はありません。他社に任せて自社は特許を押さえておくだけでいいんです。
チーたん
うちの会社は製造業からサービス業に転換するのかな
ふっくん
そうです。製造販売だけしているよりずっといいですよ
チーたん
よしっ。戦略的に特許出願していくよ!
ふっくん
協力しますよ。頑張ってください
あいぴー
うちも応援するで
チーたん
応援するだけじゃなくて、あいぴーが率先してやってよ。経営者なんだからっ