最近あまり見かけなくなってきましたが、CDには沢山の人達の著作権があります。

CDに録音されている曲を利用するときも、CD自体を販売するときもそれぞれ複数の権利者の別個の権利を侵害することになります。

 

所有権とは違って複雑ですので、ここでしっかりと勉強しておきましょう。

特に音楽業界に身を置く人には必須の知識です。

 

チーたん
あ、それKANA-BOONのアルバム?いいなー。貸してよ
あいぴー
そんなことしたら、著作権者の貸与権の侵害で捕まってしまうから嫌や
チーたん
えー?まさか!どうなの、ふっくん?
ふっくん
もちろん友達に貸した程度では著作権の侵害にはなりませんよ。
私的使用ですからね(著作権法30条)

ただ、CDを沢山コピーして友達複数人に配って回るようなことをしたら、私的使用とは認められません。

チーたん
会社の社長が従業員にCDを貸すのはいけない気もするけど、まあ、ぼくとあいぴーは家族のようなものだし、CDを一枚借りた程度ならうるさく言われないでしょ。

ところで、CDの曲を流したり、勝手に貸したり売ったりした場合には、誰のどんな権利を侵害するの?
歌手や演奏している人?CDの販売会社の権利?

ふっくん
良い質問ですね。
簡単そうでいて実は著作権的に複雑な部分です。

一枚のCDには、まず演奏したり歌っているアーティスト(著作権法では”実演家”といいます)の録音権(著作隣接権)があります。
それから、作詞家・作曲家の持っている楽曲の複製権もあります。

さらにレコード製作者の音源の複製権(著作隣接権)もあります。

これらの権利が同時に別個に存在しているのです。

勝手にそのCDをお店やサイト上などで流すと、三者から別個に訴えを起こされる可能性もあります。

チーたん
じゃあ、曲は流さないけどCDを販売したら?
ふっくん
もしこのCDがインターネットや路上で無許可で勝手に売られたら、レコード製作者の譲渡権を侵害することになります(著作権法97条の2第1項)。

また、アーティストの譲渡権も侵害します(著作権法95条の2第1項)。

作詞家・作曲家の譲渡権も侵害します(著作権法26条の2第1項)。

したがって、無断でCDを販売した場合も、上記と同じように三者の著作権又は著作隣接権を侵害することになります。

あいぴー
まだ販売はしていないけど、いずれ売るつもりで海賊版CDを持っていたらどうなん?
ふっくん
実際に売っていなくても、「販売目的で所持」しているだけでもアウトです。

間接侵害といい、実際に侵害していなくても侵害と「みなされて」しまうのです(著作権法113条1項)

チーたん
厳しいんじゃない?
ふっくん
それくらい厳しくしないと効果的に取り締まれないことからこのように間接侵害の規定が設けられているんです。

ちなみに中古CDの販売には何も言えません。権利が消尽してしまうからです。悔しいですが、流通の安全のためには仕方ありません。

条文に即して見ておきましょう。

レコード製作者は、そのレコードをその複製物の譲渡により公衆に提供する権利を専有します(著作権法97条の2第1項)この譲渡権は、「譲渡権を有する者またはその許諾を得た者により公衆に譲渡されたレコードの複製物」(著作権法97条の2第2項1号)の譲渡による場合には適用されないと規定されています。
つまり、最初の公衆への譲渡で権利が消尽します。

同じように、実演家の譲渡権も「実演家は、その実演をその録音物または録画物の譲渡により公衆に提供する権利を専有する」(著作権法95条の2第1項)と規定されていますが、
最初の公衆への譲渡で消尽します(著作権法95条の2第3項1号)

著作者の譲渡権も「著作者は、その著作物をその原作品又は複製物の譲渡により公衆に提供する権利を専有する」(著作権法26条の2第1項)と規定されていますが、この譲渡権も最初の公衆への譲渡で消尽します(著作権法26条の2第2項1号)。

チーたん
CD一枚だけでこんなに権利があるなんて・・・!!
ふっくん
歌手本人が作詞や作曲をしていない限りは、歌手に発生する権利は著作隣接権です。

歌詞や曲に発生する著作権はその歌詞や曲を創った人に発生するのです。

たとえば、ビートルズが演奏をするとメンバー全員に著作隣接権が発生します。

ポール・マッカートニーがソロで歌った場合には、そのソロの曲の著作隣接権はポール・マッカートニーだけに発生します。

別のバンドがビートルズのカバーをした場合には、著作隣接権はそのバンドに発生します。

歌詞と曲を創ったのがジョン・レノンとポール・マッカートニーだったら、この二者に著作権が発生します。
他のメンバーには歌詞と曲についての著作権は発生しません。

ビートルズの曲をカバーした人たちはこの著作物を利用するだけで、著作権は発生しません。

ただし、編曲などをした場合には著作権が発生しますが、ビートルズに改変の許諾を求めてOKを貰わないかぎり、ビートルズの持つ同一性保持権(著作権法20条)の侵害となります。

チーたん
あいぴーがKANA-BOONのCDをバックミュージックとしてダンスをした動画をぼくが撮って、その動画をYouTubeにアップした場合は、権利関係はどうなるの?
ふっくん
まず、原則としてKANA-BOONの許諾無しには勝手にバックミュージックとして使うことはできません。
しかし、例外的にYouTubeやニコニコ動画にアップする場合は許諾なく勝手にできます。

ただし、自分のブログやサイトに動画を埋め込むのはいけません。

次に、あいぴーがダンスをしているということですが、その振り付けを考えたのがあいぴーならあいぴーにそのダンスの振付の著作権が発生します。また、ダンスしているわけですから、実演家の権利も認められます(著作隣接権)。

チーたんは動画を撮っているだけですが、著作権が発生しています。

その動画を他人が勝手に利用すると、チーたんの著作権を侵害することになります。
もちろんあいぴーの著作隣接権(ダンスも創っているのなら著作権も)も侵害します。

チーたん
なるほどー。勉強になったよ!

もっともっと著作権を学ぶために、KANA-BOON以外のCDも聞いて勉強しなきゃ。
あいぴー、uverworldと福山雅治ときゃりーぱみゅぱみゅとキューソネコカミのCDも貸して!

ふっくん
それ、著作権の勉強になるんですか・・・(ーー;)