コミケで売られているのは同人誌だけではありません。
人によっては同人グッズを集めるのが好きな人もいます。

しかし、実は同人誌以上に問題になりやすいのが同人グッズです。

あいぴー
チーたん、これ見てや~♪

チーたん
あ、プリキュアのスマホケースだね。可愛いな。どこで買ったの?

あいぴー
ちゃうねん。これ、うちが自分で作ったんや

チーたん
ええ!?本物に見えるよ!あいぴーってそんなに絵うまかったっけ?

あいぴー
ネットの画像を拾ってきてちょっといじくっておしまいや
ロゴも入っているから本物そっくりやろ♪
コミケでうちの小説売るときに一緒に販売してもええな

チーたん
なんか法律的にいけない気がするのだけど・・・
ふっくん
グッズを作って個人で楽しむ分には構いませんが、販売してはいけませんよ。

あいぴー
こんなにそっくりなら公式みたいだからエエやん

ふっくん
だ・か・ら、ダメなんですよ!
そっくり・・・あいぴーの場合はコピーしているから当然ですが、の場合は一般の消費者が公式と間違って買ってしまうでしょう?
そうしたらきちんと著作権者に著作権使用料を支払ってグッズを販売している人が怒るに決まっているじゃないですか。

あいぴー
じゃあ、ロゴだけ使わせてもらうわ

ふっくん
それもダメです。商標権の侵害になりますから。

あいぴー
じゃあ、うちが自分で描いた絵ならいいやろ?

ふっくん
その場合でも、意匠権を侵害しないように気を付けてください

あいぴー
あーっ、もう!そんなにいろんな法律言われてもわけわからんわ!

チーたん
ぼくとしては逆に何でわからないのか不思議だけど(笑)
これだけ毎日ふっくんに知的財産権法を習っているのにさ

あいぴー
うちはふっくんの話なんか聞いとらんもーん

ふっくん
では今日からでも遅くはないので聞いてください。
たとえ個人サークルでも、知的財産権を侵害したら場合によっては刑事罰もありますから

チーたん
そういえば、ポケモンの同人誌を販売していた個人が任天堂から告訴された事件があったね

ふっくん
あの事件では、未成年者がポケモンのエロ同人誌を買ってしまってそれを見た親が任天堂に抗議の電話をしたためにあそこまで問題が発展してしまったのですが、それ以前にも既にポケモン等の性的な同人誌は問題視されていましたからね。見せしめに罰せられたようなものです。

チーたん
任天堂製品の不買運動も起きたよね

ふっくん
でも、結果として良かったと思いますよ。
無法地帯だった同人界で著作権等知的財産権について人々が真剣に考えるようになりましたから

チーたん
未だにポケモンのエロ同人誌は売っているよね(笑)
ロリ・エロ・ショタで犯罪の匂いがプンプンするのに(^^;

ふっくん
事件を気にしてポケモンとディズニーの同人誌は絶対に印刷しないという印刷所も多いですけどね。
またいつ訴えられてもおかしくありませんから。

あいぴー
作家さんによっては「同人ウエルカム♡」なひとも結構いるで

ふっくん
原作の売り上げが落ちないのだったら同人誌や同人グッズを出してもらえるのは逆にありがたいことですからね

あいぴー
うち、小説は書けるけど絵は描けへんから、公式のイラストをプリントアウトして販売したいんやけど・・・ 作家さんがOK出しとるならエエやろ?

ふっくん
作家さんはOKを出していても著作権者がNOと言っている場合は無理です。
権利が錯綜している場合は本当に面倒ですよ。
どうしても販売したいなら、ワンダーフェスティバルで当日版権を買って、グッズ販売してください

あいぴー
ワンフェスはコミケより目茶苦茶高いやん!しかも規模はコミケよりずっとちっちゃいし嫌や!

ふっくん
だったら、危険を冒してまで同人グッズ販売はしない方がいいですよ
特に、権利者ではない赤の他人がいやがらせ目的で通報したりすることもありますから・・・

あいぴー
そ、それは嫌や・・・

ふっくん
他にもやっている人がいるから大丈夫なんて思っていたら危険ですよ。

あいぴー
赤信号、みんなで渡ってみんなお陀仏・・・

ふっくん
まとめると、同人グッズを販売する際には・・・

①公式グッズとは被らないようにネットや店頭、パンフ等をよく調べてから作る(最近は公式のグッズも多様化していて、同人グッズと見分けがつかないこともあります。
たとえば、公式が別作品とコラボしていてアキバのアニメグッズのお店で売られていたら公式のグッズなのか同人グッズの委託販売なのかわからない)。

②グッズの販売にかかわる法律は著作権法だけではない。他の知的財産権法の存在にも気を配る。(特にロゴは絶対に使わない)

③自分で描いた絵を使う。商用可能なフリー素材を除き、トレースはダメ。模写していなくてもそっくりな絵は危険。

④自分のサイトやSNSでグッズを紹介するときには公衆送信権(著作権法23条)に気を付ける。

⑤権利者から警告が来たら、グッズ販売を即、中止する(警告後の販売は「故意」と認定されてしまう)

といったことに注意する必要があります。
あいぴーがやろうとしていることは一番危険なことですよ。同人グッズ販売なんて儲からないのに訴えられる危険性が高すぎます


チーたん
自分の画力に自信があったら、下手に似せようとするよりも自分らしい絵柄でそのキャラクターを描いてそのイラストを付したグッズを売れば安全だね

ふっくん
そうです。
同人誌のときもそうですよ。
確かに公式の絵がいいから人気が出たとも言えますが、無理に公式に似せるよりも自分らしい絵で勝負すればよいのではないでしょうか。

それにより同人作家としての人気が高まれば、スカウトされて商業誌デビュー!なんてこともあるでしょう


あいぴー
それエエな♡

チーたん
あいぴーの画力じゃ無理だけど、確かに原作を凌ぐほどに魅力的なイラストを描いていて、商業誌デビューした同人作家さんもたくさんいるよね

あいぴー
がんばるわ♪

ふっくん
夢を見ることはわるいことではありませんが、あいぴーは本業も頑張ってくださいね