研究者チーたんがスランプに陥っているようです。
仕事として発明を続けていると、成果が求められるのになかなか発明ができなくて、ストレスもたまります。

また、会社としても新しい発明が欲しいところです。

こんなときは、発明をするのではなく、発見をしてみるのもいいかもしれません。

 

 

チーたん
毎日研究開発を頑張っているんだけど、なかなか画期的な発明は生まれないよ
ふっくん
大きな発明をしようとせず、小さな発明を積み重ねてはいかがですか?

製品の別の用途を見つけたら、それも特許を取れますよ。用途発明と言います。

 

ふっくん
用途発明で大成功した例として、デュポン社の話をいたしましょう。

もともと爆薬の会社だったデュポン社は、軍隊用に用いられていたテフロンを第二次世界大戦後に民間転用して市場化しました。

また、テフロンの新用途を発見した研究者たちに賞を与え、積極的に新用途を探しました。

デュポン社は、用途発明と共にブランド戦略にも力を入れ、特許の権利が切れた後も科学分野のコモデティ品においては世界中に名を知られるようになりました。

チーたん
そっか。特許権が期間満了で他社が同じテフロン製品を出してきても、永遠に続くブランドがあるから、消費者は高くてもデュポンの製品を買うんだね

ふっくん
チーたんの会社では、チーたんが新素材チーたんXを開発しましたよね。これを事業のコアに置いてブランディングを進めましょう。

ふっくん
具体的には、チーたんXの特許出願後、一年以内に国内優先権(特許法41条)を利用して、用途発明を出願していきます。

場合によってはメーカーであるお客様と共同出願してもいいですね。

 

自社だけで取った用途発明についてはオープンにして誰でも使えるようにしてしまっても構いません。

こうして、市場を活性化させます。

 

チーたん
これって、特許の勉強を始めた頃、ふっくんから教わったことだね!

ふっくん
よく復習していますね。

 

ふっくん
用途発明だけでなく、特許を取れないような小さな改善でもイノベーションにつながります。

 

例えば、単純な例でいうと、誰も消しゴムを消しゴムとしてしか使用していないときに(今では当たり前のことなので、全くイノベーションにはなりません。念のため・・・)、消しゴムを彫刻の素材として使うことが挙げられます。

消しゴムとは、「鉛筆で描いた絵や文字を消すためのもの」という当たり前の視点を捨てて、その商品に新しい命を吹き込むのです。

 

名前も代えてしまってもいいかもしれませんね。「消す」ためのゴムではなく、「彫る」ためのゴムなのですから「彫りゴム」にしてもいいですね。

食品を販売している会社なら、自社製品の新しい食べ方を考案するのもいいですね。

 

これに関しては一般の人の力を借りるのがいいでしょう。

クックパッドでレシピを公開しているような人なら、きっと素晴らしいレシピを考案してくれます。

 

SNSで募集をかけてもいいですし、食べ物のような生活に密着したものは、クラウドの力を最大限に利用しましょう。

企業はポテトチップはそのまま食べるものと認識しているかもしれませんが、働くお母さんは、それを水に浸して醤油をかければ、お弁当のおかずのひとつとして認識しているかもしれないのです。

 

あいぴー
食べ方といえば、うちは「飲むヨーグルト」は飲まないで。凍らせて食べるねん

 

ふっくん
あいぴーはいっつも凍ったヨーグルトを食べていますよね(笑)。

 

ふっくん
企業にとってはありえない食べ方(「飲む」ヨーグルトをわざわざ凍らせて「飲めないヨーグルト」にしてしまう)でも、お客様にとっては美味しい食べ方かもしれません。

事実、このサイトの運営者は、毎日ヨーグルトを凍らせて食べています(笑)

 

チーたん
ひとりの人の当たり前は大勢の人に受け入れられる商品になる可能性を秘めているんだね。

ふっくん
そうです。
そして、こんなアイデアの創出は、普通の発明をするよりもずっと簡単で楽しいでしょう?

あいぴー
そうやな。発明をするのはうちには絶対に無理やし、進歩的コピー発明を創るのもまだ敷居が高いけど、こんな「ちょっとしたアイデア」なら毎日でも思いつくわ。

 

ふっくん
簡単に思いつくのに爆発的に売れたりしますからね。

ぜひ会社でも小さな発見をしてビジネスに役立ててください。