法律と条約、どちらが強いか知っていますか?
政令と省令ではどうでしょう?
知っているようで意外としらない形式的効力の強さについて学習しましょう。

チーたん
特許権の存続期間って出願日から20年でしょ(特許法67条第1項)
ふっくん
そうですよ。
チーたん
でもね、多くの特許権は出願日から10年経つ前に放棄されたりして無くなってしまっているみたいなんだ。だからね、特許法を改正して特許権の存続期間を出願日から10年にしちゃえばいいのにって思ったんだけど・・・
ふっくん
それもいいかもしれませんが、たとえ特許法を改正しても、条約上許されないんですよ
チーたん
どういうこと?
ふっくん
つまりですね。特許権の保護期間は、出願日から計算して20年の期間が経過する前に終了してはならない
とTRIPS協定31条に定められているのですが、国内法はこの条約を順守しなくてはならないのです。
チーたん
なんで?
ふっくん
法律より条約のほうが上だからですよ
チーたん
そうなの?
ふっくん
そうなんです。
他にも政令や省令などもありますが、これには効力に強弱があります。

最も強いのは憲法。その次が条約。その下が法律。政令は法律より弱く、省令はさらに弱い。
これらの間に矛盾がある場合は形式的効力が強いほうが優先されます。

チーたん
知らなかった!・・・もしかして常識なのかな(^^;
ふっくん
特許法26条には、わざわざ「特許に関し条約に別段の定があるときは、その規定による。」と規定されています。

しかし、このような規定がなくても特許法よりも条約のほうが上なのです。

チーたん
なるほど。一つ賢くなったよ。

ふっくん
ついでにパリ条約TRIPS協定についても学習しましょうか

チーたん
う、それはまた今度(^^;