発明というと真っ先に名前があがるのがエジソンです。

ちびまる子ちゃんの歌でも「エジソンはエラい人。そんなの常識」と歌われていますが、エジソンの本当の凄さを知っていますか?

発明をした以上にもっと「偉い」ことをしたのです。

 

 

ふっくん
発明家というと誰が一番最初に思い浮かびますか?
チーたん
やっぱり、エジソンでしょ

ふっくん
そうですね。

でも、エジソンの優れていたところは、たくさんの発明をしたことだけでなく、その知財をきちんと収益化出来ていたことです


ふっくん
例えば、電球の発明があります。

エジソンはこの発明をしたときに、ただ特許をとったわけではなく、その発明が市場に出回った後のことも考えました。

一般家庭でも電気が使われるようになると、電気を配給してくれる会社が必要になります。
ですから、電球の発明の特許をとって終わりにするのではなく、電気の会社を作ってしまおうと考えたのです。
そして作られたのがゼネラルエレクトリック(GE)です。エジソンの計画通り、電球と電気会社は莫大な利益をもたらしてくれました。


ふっくん
エジソンの事業を助けたのがグロスベナー・ローリーという弁理士です。彼は弁理士としても優秀でしたが、知財コンサルタントとしても優秀でした。

チーたん
そんなに昔から知財コンサルっていたんだ

ふっくん
知的財産権法に熟知しているだけでなく、事業経営についても詳しい弁理士は当時も数が少なく貴重でした。さすがに発明者一人では出来ることに限りがありますからね。うまく外部の人間の協力を仰いで事業を大成功させたエジソンは事業化としても非常に優秀でした。

チーたん
交流電流を電力事業に取り入れることを提案したテスラを全力で潰しにかかったんじゃなかったっけ?

ふっくん
そうです。エジソンの暗黒面ですね。やりすぎですよね・・・(^^;)

まあ、あくどいこともしましたが、知財を見事に活用した発明家兼経営者として見習うことが多いのではないでしょうか。


エジソンと知財戦略

チーたん
テスラとの件がなければ手放しで褒め称えるんだけどな~。それでも、素晴らしい発明をして世界に価値を与えたことには変わりないか。

 

ふっくん
昔の発明家やアーティストは金銭的に報われない人が多かったですからね。
価値あるものを生み出し、その対価として金銭を受け取るのは良いことだと思いますよ。
対価を受け取らずに極貧生活をして死後功績を称えられるのは感動的ですが、できれば生きているうちに金銭的に楽になって欲しかったと思います。

チーたん
ぼく、子供の頃、偉人の伝記読むの好きだったよ。大人になってからもなんだかんだいって、有名人の本読んでいるなあ。

あいぴー
うちも読んでるで!
島田紳助の本とか。橋本環奈写真集とか。

チーたん
はいはい(笑)

ふっくん
憧れって大事ですよね。
さて、エジソンの話をしたので関連する問題を出題しましょう。
新興国の市場は無限の可能性を秘めているので、先進国の企業が狙っています。

中国の携帯電話市場を勝ち抜いたのはどこの会社だったでしょうか。


チーたん
突然中国の話?ん~、日本じゃないよね

ふっくん
欧州企業の連合軍が勝ちました。

日本は携帯電話自体の国際標準をとっていたにもかかわらず負けてしまったのです。

理由は、欧州企業が中継局や基地局の特許を抑えていたからです。
中国では格安の携帯電話が作られたので一気に携帯が普及しました。


ふっくん
すると、携帯電話を使うにはなくてはならない中継局は多くの収益をあげることができます。
携帯電話機本体で稼ぐ必要はないのです。

携帯を使うときに避けられない中継局を抑えてそこで稼げばいいのです。


チーたん
エジソンの時代にはライバルが少なかったから電球でも電力事業でも儲けられたけど、今は競合がひしめいているから、ヨーロッパの会社は電球自体の儲けは捨てて、電力事業で稼ぐ方に注力したんだね。

ふっくん
飲み込みが早いですね!
日本はモノづくりが得意なので高性能の携帯電話を作りましたが、新興国ではむしろ性能を限定した安価な物の方が望まれているので、”電球”を売ることもできませんでした。

チーたん
日本は高度な技術を持っているけれど貧しい武士職人って感じだね。それに対してヨーロッパ勢はお金稼ぎが上手なビジネスマンって感じ。
職人を手助けする人がいなくちゃ、職人だけではビジネスマンに勝てないね

ふっくん
これからは、中国で流行った技術を単純化した安価な家電を日本に輸入する「リバースエクスポート」も増えるでしょうね。

チーたん
日本人の中にも機能を抑えた安価な家電をほしがる人いるもんね。

ふっくん
中国から学べることもたくさんありますよ。

今はまだまだ不安定な国ですが、希望に満ちています。たくさんの天才たちが出てくるでしょうし、これから楽しみな国ですね。個人レベルで日本人と中国人が仲良くなれば双方の国にメリットがあります。


チーたん
日本は中国に追いつかれるどころか、追い抜かされちゃうかも

ふっくん
それでいいんですよ。自然な競争原理です。

ふっくん
負けたらまた知恵を振り絞って勝てばいいんです。
世界的に競争が激化してくるからこそ、これからの経営者は知財を生み出すだけでなく、それを事業に組み込むことを考えないといけません。
価値のあるものを生み出せても、収益をあげることができないのでは、結局知財を生み出すこともできなくなってしまいますから。
そのためにも、私は縁の下の力持ちとして経営者を支えていきたいと思います。
知財を生み、それを事業に役立て収益を上げ、さらに研究開発に投資する・・・というサイクルを生み出せるようにしましょう

もちろんそれだけでなく、知財をライセンスしたり他社の攻撃を防いだり知財を最大限に活用できるように尽力しますよ


チーたん
ありがとう!

日本は中国での携帯電話市場では負けたけど、他で挽回すればいいよね。たとえば電気自動車とか!


ふっくん
先進諸国は水面下で着々と準備を進めていますよ。

日本ではトヨタが特許を開放してオープンイノベーションを進めています。
アメリカではテスラモーターズが同じくオープンイノベーションを進めています。
数年後どうなっているか・・・。楽しみですね!


チーたん
日本中、アップルのiCarが走っていたりして・・・(^^;)

ふっくん
日本が勝つか、外国が勝つか。見逃せませんね