転職に失敗する人には共通した特徴があります。
まずは、その中から8つの転職に失敗する特徴を説明してみたいと思います。


1.企業研究をしない

就活をしたときには当たり前のように企業研究をしたはずです。

しかし、転職をするときには転職エージェント任せにして企業研究をしっかり行わない人がいます。

「この業界や会社のことは知っている」と思っていても、それは他者から口伝えで聞いただけの知識や自分が漠然と抱いているイメージだけかもしれません。

 

具体的に会社の事業規模や戦略というものを調べてみると、より、この会社で働きたい!という気持ちが湧いてくるはずです。

 

また、企業や特許事務所のHPに書いて有ることは良いことばかりで悪いことは隠していますから、マイナス面についても知ることは重要です。

企業研究の効果的なやり方

 

2.希望年収が高すぎる

雇う側には、この業界でこれだけの人材にはこれくらい、という給与の目安があります。

しかし、転職者は、自分の過去の給与を基準にして転職先での年収を期待します。

すると、提示年収と希望年収にギャップが生じてしまいます。

 

たとえば、特許事務所で弁理士としてだけ経験を積んできた人が、企業知財部に転職する際に、自分の今の給与は1000万円だから、知財部では1000万円を最低限のラインにしたい、と考えたとします。

すると、高い確率で転職に失敗します。

 

企業知財部で年収1000万円を超えるには役職についている必要があるからです。少なくとも主任以上でなければ年収1千万円を超えることはなかなかありません。
 

また、この人が年俸1200万円を提示する他の特許事務所に移ったとします。

表面的には年収が200万円アップしたので転職に成功したように見えますが、実際は激務で毎晩残業は11時まで。土日は家で仕事。残業代も全て込で1200万円だった・・・という可能性もあります。

 

この場合は、年収アップを狙ったのに実質的には時間給が下がったので転職に成功したとはいえないでしょう。

(なお、年俸制でも法律で残業代は支払わなくてはいけないことになっています。詳しくは年俸制だと残業代は支払われないの!?を御覧ください)

 

3.希望条件が多すぎる

年収はいくらで、勤務地はどこで、未経験OKで・・・と希望条件を盛り込めば盛り込むほど求人案件は減っていきます。
あれもこれもと条件をつけてばかりでは、採用者に与えるイメージも良くないでしょう。

あなたが最も重視することはなんですか?
それをまず明確化してください。
そして、妥協しても良いことについてはこだわらないことです。

人によっては親の介護があるので住んでいる地を離れられないでしょう。その場合は年収の低さなどには妥協しなければいけません。また、未経験の人は年収が低いと贅沢を言ってはいられません。

 

4.自分に嘘をついている

志望動機や面接のときには多少の嘘や綺麗事も良いでしょう。

しかし、自分の気持ちには素直でいましょう。

「スキルアップのために転職したい」というのは真面目な弁理士や弁理士志願者に多いのですが、「スキルアップ」に秘められた自分の本当の気持ちに気付いてあげましょう。

 

「スキルアップして尊敬されたい」「スキルアップして年収を増やしたい」「スキルアップしてモテたい」「スキルアップして更に次の転職につなげたい」という風に、人によってスキルアップをする目的が異なります。

 

普通に考えると、スキルアップは今働いている場所で実現できます。職場を変えてまでスキルアップしたいということは、スキルアップにプラスアルファして何か別の目的があるからです。

 

たとえば、知財部から特許事務所へ転職して明細書作成スキルを高めたいとか、零細特許事務所から女性のたくさんいる大企業知財部へ行って、リア充生活を自慢したいとか・・・。

 

転職する前にきちんと自分の本音に向き合ってあげましょう。

 

5.憧れや漠然としたイメージだけで転職しようとする

その業界や仕事についてよくわかっていないのに、「最近流行りだから」とか「ドラマで有名俳優が演じていてかっこよかった」という理由で転職先候補として考える人がいます。

しかし、ドラマなどで現れるのはその職業のごく一部です。華やかに見える業界も泥臭い仕事ばかりなのが実態です。

特に弁理士の仕事などは、流行りの知財業界で法律で技術を扱うスペシャリスト!という受験予備校が生み出したかっこいいキャッチフレーズのイメージを鵜呑みにすると現実とのギャップに苦しむことになります。

 

6.自分のやりたいことがわかっていない

自分が得意で好きなことを仕事にできたら幸せです。でも、逆に苦手で好きでもないことをやっていると苦痛で仕方がないでしょう。

そして、表面的には「やりたいこと」の見分け方は意外と難しいため、苦痛な仕事を続けている人もいます。

 

たとえば、「英語に関わる仕事をしたい」と漠然と思っても、実に様々な仕事が英語に関わってきます。英語を話す能力を発揮したいのか、読み書きする力だけを発揮できれば良いのか、読むとしたらどのような文章なのか等等掘り下げて考えないと「思っていたのと違う・・・」という結果になってしまいます。
同時通訳者になりたくてスキルを磨いてきたのに、在宅で出来て儲かるらしいということで特許翻訳になろうと思っても今まで磨いてきたスキルはあまり役に立ちませんし、仕事のつまらなさにショックを受けるかもしれません。

 

このように、表面的には「英語力を活かせる仕事」として同じであっても、仕事内容によっては、全く異なり、好きで得意な英語を活かせない仕事を選んでしまう羽目になってしまうのです。

自分の本当にやりたいことを生かせる仕事は何かということをしっかりと考えましょう。

 

7.いつまでに転職するか期限を決めない

とりあえず転職先が見つかるまでは仕事をするからいいやと思っていると良い案件がくるまでずるずると転職を先延ばしにしてしまいます。
すると、良い案件などめったにないことから無駄に時間だけが過ぎていってしまいます。

半年以内に転職をすると決めたら、自分から積極的に行動を起こしましょう。

雇う側としても、すぐに仕事をして貰える人を雇いたいので、「一年後に退職してからこちらで働きます」というような人より、来月からお世話になります」という人の方を優先したいのが当然です。

また、若いほうが有利なことから、ずるずると先延ばしにしていると年齢的にも不利になっていきます。

 

8.現実逃避の転職をする

今現在苦しい人は、「とりあえずここを逃げ出せれば」」と思い、あまりよく考えずに転職先を決めてしまいます。

しかし、余程運が良くない限り、転職先が今よりも良い職場であることはないでしょう。

完璧な職場などないのですから、とりあえず人間関係の問題は解決できたとしても新たな問題が待ち受けている可能性が大です。

苦しくても慌てて逃げるのではなく、転職先を吟味してから行動に移すようにしてください。

 

なお、転職をする前には必ず人に相談するようにしましょう。自分だけで転職活動をすると時間的にも労力的にも大変ですからね。

さて、上記したように転職に失敗する人には共通する特徴がありますが、ということはこれを逆にすれば転職に成功するということです。

 

しっかりと事前に企業研究をし、希望条件を絞り、自分の夢と希望を正直に見つめ、同時に現実を直視し、期限を決めて転職をすれば転職に成功しやすくなります。

がんばってください!

なお、私は知財業界限定ですが、情報はたくさん持っていますので、知財業界での転職を考えている方はお問い合わせください。