現在の仕事について悩みがあると漠然と「転職」の二文字が頭に浮かぶようになります。

 

悩みには様々なものがあると思いますが、主に以下の4つが原因となることが多いでしょう。

 

1.年収
2.人間関係
3.職場環境
4.仕事内容が合わない

 

以下、順番に考えていきたいと思います。

1.年収

 

まずは1の年収についてですが、やはり、同年代で同じ立場にある人の年収が気になることと思います。隣の芝生は青く見えたりしますしね。

 

しかし、あなたのスキルや年齢にもよりますが、今の仕事を辞めて転職後に年収アップができるとは限りません。
また、年収アップだけを目的で転職してしまうと後で後悔してしまうこともあるでしょう。

 

たとえば、年収だけを見ると企業知財部で働くよりも特許事務所で働く方が年収が良いといえます。

 

しかし、特許事務所では福利厚生が充実していないのが通常です。

すると、表面的には年収がアップしたように見えても、実質的には年収が下がっていたということも起こります。

また、基本的に特許事務所での仕事はかなり忙しいといえます。残業代込での年収である場合、毎日帰宅が深夜になってしまい、残業が少なく、土日が休みだった企業での仕事が懐かしく思えるくらい・・・。

 

ですから、表面的な年収にこだわらずに一流になるまで必死で自分のスキルを高めることに邁進すべきでしょう。

 

先程言ったことと矛盾するようですが、企業知財部に転職してきた人よりは特許事務所でずっと明細書作成スキルを一途に磨き続けてきた人のほうが年収は圧倒的に高いといえます。福利厚生を差し引いても、です。

 

知財部員は会社員に過ぎないのでお給料は会社員としての給料です。
それに比べ、実力のある弁理士の年収は知財部員の2倍から3倍またはそれ以上ということもあります。実力が伴わなければ駄目ですが自分に自信があるならぜひスペシャリストになってほしいところです。

 

もちろんブラックな特許事務所にいたままでは搾取され続けるだけですので、自分の貢献のわりには年俸が少ないと感じたら、所長に値上げ交渉をしてみましょう。

 

それに応じてもらえなかったら転職も視野にいれましょう。

 

2.人間関係

次に、人間関係です。

 

人間関係のストレスについては慢性的に苦しみを感じることからできるだけ早く転職したいと思うようになります。

 

特許事務所の場合は、数人から多くても数100人ほどの狭い世界で働かなくてはいけません。すると、特許技術者や弁理士の場合、上司や所長からパワハラを受けたり、同僚から嫌がらせにあっている場合、簡単には逃げ道が見つかりません。
特許事務員も嫌がらせをするベテラン事務員やお局様がいるかもしれません。
影で噂を流されるような陰湿なイジメをされるかもしれません。

いずれにしても一日のうちの多くの時間を過ごす特許事務所で精神的に辛い思いをすることになります。

このような場合は、人間関係が悪くて転職したいときに考えてほしい4つのことを見てなるべく人間関係の改善を図ってください。

4つ全て試せば少しは良くなるはずです。

 

しかし、これらの対策をとったとしても人間関係が改善しない場合、または性格的に対策をとりたくても取れない場合もあるかもしれません。

 

このような場合は、仕方ありません。鬱になる前に転職を考えるべきでしょう。

 

見方によっては一種の「逃げ」と見られるでしょうが、鬱になるよりはマシです。
鬱になってしまうと治療まで長期間かかり、家族にも多大な迷惑をかけることになってしまいます。

 

私が弁理士試験の勉強を教えている生徒さんのご家族に鬱の方がいらっしゃいました。そのため、生徒さんが勉強をしようとしても、「一緒にいてほしい」と言われるらしく、勉強をする時間がとれません。
私はあの手この手で発破をかけるのですが遅々として勉強が進みません。

転職回数は少ないほうがいいとは言いますが、病気になってしまっては元も子もありません。病気になる前に転職が基本です!

 

3.職場環境

さて、職場環境についてですが、残業が多すぎる(月に80時間を超える)場合やサービス残業が多い場合にはパフォーマンスも下がりますし、やりがいも感じにくくなりますね。

特に、周りの人も当たり前のように残業をしていたら先に帰るのが申し訳なく感じて帰りたくても帰れなくなってしまうでしょう。

 

世間を見渡せば定時(+1時間程度)で退社・退所できる会社や特許事務所も存在します。

年俸との折り合いもつけば、そちらにうつってしまうのもありでしょう。

 

「周りに遠慮して帰れない」という状況は変えたくても変えられませんから。

 

4.仕事内容が合わない

さて、最後は仕事内容が合わないについてですが、たとえば技術分野が固定されていて試したい技術についての仕事をやらせてもらえなかったり外国出願のスキルを磨きたいのにまだ任せてもらえないということがあげられると思います。

これについては上司や所長に自分の希望を話してみるのが良いと思います。
すると自分のスキルさえアップすればその仕事をやらせてもらえるというようにあなたが仕事を任せてもらえない理由がわかるでしょう。

 

でも、そのような明確な理由がなく、「うちは昔からこの技術しかやらない」というように扱える技術分野を限定している場合もあります。

その場合は、自分の可能性を広げるためにも転職を考えても良いのかもしれません。

 

 

以上、なぜ転職したいのか理由を深掘りしてきました。

 

できるだけ転職しないほうがいいとはいえ、あまりにもブラックな企業・特許事務所で働いていたり鬱になりかけているなら即刻転職すべきです。

ただし、精神的に辛いときほど転職エージェントは不要です。
望まぬ特許事務所へ転職させられてしまう恐れが高く、また転職成功確率が下がるからです。

必要な場合には我々が情報をお渡しいたしますのでお問い合わせください。