特許や発明の話をしていると頻繁に出て来る「クレーム」という文言。これは一体何を意味するのでしょうか。
当たり前過ぎて今更聞けない用語「クレーム」について学びましょう!

あいぴー
なぁなぁ、弁理士って大変な仕事みたいやな

チーたん
突然どうしたの?

あいぴー
いっつもクレーム、クレームって連発しとるやん。顧客はクレーマーだらけなんやろな

チーたん
え・・・

あいぴー
ん?どうしたん?

チーたん
あいぴーは特許に関しては知財部員のぼくに丸投げしているから何も知らないんだろうけど、クレームって、特許用語だよ。

あいぴー
は?そうだったん?!

ふっくん
クレーム(claim)は、英語で「契約や法上の権利請求」を指します。日本語の「クレーム」はあいぴーが言ったように、顧客からの苦情という意味で使われていますよね。
しかし、本来のクレームには「正当な権利主張や請求」という意味合いが強く、「顧客からの苦情」はcomplaintの語の方が相応しいでしょうね。

あいぴー
そうやな。英語だと「クレームを言う」というときには、make a complaintって言うわ。日本人が通常使う「クレームを言う」って、和製英語なんやで

チーたん
あいぴーは英語には詳しいけど知的財産権については全然知らないよね

あいぴー
そこがうちの良いところや

チーたん
褒めてないから

ふっくん
特許法で使っている「クレーム」という言葉は、英語の本来の意味と同じです。つまり、「特許法上の権利を請求する」ということです。
明細書には特許請求の範囲というものがあるのですが、そこには複数の請求項を記載することが出来ます。
この請求項をクレームと英語そのままで呼んでいます。

チーたん
「保護を受けたい発明を記載した項=請求項」なんだよ

ふっくん
ちなみに、物の発明を特定する事項を記載した請求項を物クレーム(product claim)、方法の発明を特定する事項を記載した請求項を方法クレーム(process claim)と言います。 物クレームであるのか方法クレームであるのか明確でない請求項は、明確性要件に違反するとして特許を受けることができません。

チーたん
プロダクトバイプロセスクレームについては最高裁で判例が出ていたなぁ

ふっくん
余談ですが、弁理士論文式試験では「クレーム」という言葉を使うべきではありません。
採点官に与える心象が悪いですからね。

あいぴー
うちは弁理士試験なんか受けへんから関係ないわ。
それよりもクレームがたっぷり入ったコーヒーでも飲も

チーたん
それを言うならクリームね(-_-)