著作権は、特許権や商標権などと並ぶ知的財産権の一つです。
著作権法は膨大で複雑ですが、日常生活に密着している法律ですので、具体例を読めば容易に理解することが出来ます。
このページを読んだ後に、このサイトの著作権カテゴリーの他のページをいろいろと読んでみてからもう一度復習としてここに戻ってきてください。
具体例を頭に入れてから読み返すと、すっと頭に入ってくると思います。
こんな著作権侵害のニュースをよく見かけるけど、具体的にどの行為が著作権侵害でどの行為がセーフなのかようわからんわ。
そもそも著作権って何なん?見えへんやん。
誰の物やの?
著作権は著作者が創作をしたときに発生します。
著作者とは、著作物を創作する者(著作権法2条1項2号)のことを言います。
今のところ人間にしか認められていません。
将来的には動物にも認められるかもしれませんが・・・。
ただし、どんな事件が起きたというような事実の報道やデータなどは著作物として保護されません。
まず、著作権は著作財産権と著作者人格権に分かれます。
著作財産権は、移転可能な財産権で、その権利を持っている人が、その著作物が生み出した収益を得られる権利です。
一方、著作者人格権は、お金から離れて、文字通り著作者の人格権を保護するための権利です。
基本的人権と同じように、たとえ著作財産権を他者に売り渡してしまったとしても、著作者に残る権利です。
公表権・氏名表示権・同一性保持権の3つがあり、このうち同一性保持権(著作権法20条)が著作権侵害の際に最も問題になってくる権利です。
替え歌をYouTubeにアップしたり、小説や漫画の二次創作をするときに話題に上るのでおなじみですね。
著作権は他の知的財産権と異なり、何の手続きもすることなく発生します(無方式主義)。著作権の登録制度も存在しますが、権利を発生させるための制度ではありません。
原則として、創作した人が亡くなっても死後50年もの間保護されます(映画の著作物だけは、公表後70年間)。
保護期間の終了した著作物(パブリック・ドメイン)は、誰でも自由に利用出来ます。
たとえば、2015年でヒトラーの「わが闘争」の著作権が切れるので、2016年からは誰でも自由に「わが闘争」を出版出来ます。
禁書扱いすべきだとか思想的に問題があるということは、また別の話です。
それから、ここが難しいところなのですが、ダンスをしている人には著作隣接権が発生します。
著作権法では歌手やダンスをする人のことを「実演家」と呼び、その人たちの実演を「著作隣接権」で保護しているのです。
登録を経なくても権利が発生するため、偶然似てしまう創作が創られることがあります。その場合でも両者は併存します(他の知的財産権は、先に出願し登録された方だけが生き残ります)。
著作権侵害の責を負わせられるのは侵害者が当該著作物に「依拠して」、つまり真似して著作物を創作したときだけです。
そうではなく、偶然にてしまっただけなら何も主張することは出来ません。
「私的使用」に著作権は及びませんから。
ただし、インターネットで他者の文章や画像を公開するような行為は、たとえそのブログが遠方に住む家族からしかアクセスがないブログでも、私的使用とは認められません。
ちなみに、学校など教育機関でなら「必要な範囲内に限れば」使用することができます。
市販のドリルをクラスの人数分コピーするという行為は認められません。
また、「教育機関」に塾などは該当しません。
所定の手続きをとらなければいけません。
好意的な記事を書くなら曲をもらえるだろうけど、批判記事を書くときにOKをもらえるとは思えないけど、記事を書きたいときもあるよね。
公共の利益と著作権者の利益のバランスを保っているわけです。
著作権の法目的は著作権法第1条に現れている通り「著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与すること」です。
著作権者が創作の正当な対価を得て、かつ文化が発展していく助けとなるべき法律なのです。
しかし、少なくともこれ以上著作権の保護期間が長くなったりしないようにバランスを取りたいですね。