取引先に商標権侵害をしているという噂をバラ撒かれた！どうすればいい？

取引先３件からから取引を中止したいって言われてもーた！

何もしとらんわ！ただ、取引先が言うには、内容証明郵便が来て、そこにうちの会社は商標権侵害をしています。って書いてあったらしいんや。そんな会社とは怖いから付きあえんって・・・

それ、この前の商標ブローカーかもしれませんね。

他人がまだ商標登録出願していない商標を先取り的に出願して、真の権利者が商標の使用を希望したときに、高額で買い取らせる悪人ですよ。

ちょっと前に、うちのところに商標登録を受ける権利を１０００万円で買い取りませんかって連絡がきたんや。でも、ふっくんに相談したら、うちの会社ではその商標の出願前からずっとその商標を使っていて有名やから、「先使用権」が認められるって言われたから放置しといたんや。
後で無効審判（商標法４６条）や取消審判（商標法５０条）でも請求すればエエしな。

相手はまだ商標権を取得していないじゃないですか。商標権が発生しないのに権利行使なんて許されませんよ。

あいぴーの会社の有名商標の存在を理由としてその商標登録出願は拒絶されることになります（商標法４条１項１０号、商標法１５条）。情報提供をすることにより商標権の成立を阻止することができます。

おっしゃ、情報提供や！

確かに表面的にはその人は商標権者ですが、使用の意思（商標法３条１項柱書）を有していませんし、あいぴーの会社の有名商標を勝手に出願したものですから（商標法４条１項１０号）相手の権利には瑕疵（傷）があるのでその商標権は無効にされるべき権利です。

無効審判（商標法４６条）を請求すれば商標権を消滅させることができますよ。
商標登録を無効にすべき審決が確定すると、商標権は初めから存在しなかったものとみなされます（商標法４６条の２）。
商標登録の無効審決が確定すれば、あいぴーは安心してその商標を使い続けることが出来ます。

また、相手が商標登録を受けて３年以上経っていた場合、不使用取消審判を請求できる可能性もあります（商標法５０条）。

さらに、その商標があいぴーの会社の名称である場合は、商標権者は権利行使が制限されます（商標法２６条１項１号）。

そのような行為は営業妨害になりますから、商標権ではなく、別の法律で裁かれます。

弁護士に相談した方が良さそうやな

そうですね。ただ、一度失った信用を取り戻すのは至難の業です。

知的財産権は「予防（リスク回避）」が最も大事なので、「重要な商標は必ず商標登録出願をする」と心がけてください。そうすれば、商標ブローカーなんかに目を付けられませんよ。

うちは知財の知識なんて何もなかったから、めっちゃ危険なことしとったわ・・・

個人商店なんかでも商標ブローカーに狙われる可能性はありますから十分に注意することが大事です。

商標ブローカーだけでなく、特許管理士などが経営コンサルタントと称して法律アドバイスをしてくることもありますが、それらも違法行為ですので、商標権に関しては弁理士や弁護士などの専門家に相談してください。
そういった自称コンサルタントや法律アドバイザーはコンサルタント料を支払わないと逆上してブローカーと手を組んで個人事業主を貶めるような行為をする可能性もあるので、気をつけてくださいね。

ホームページからだけでは人間性を判断することは出来ませんよね。実際にメールや電話をしてみて誠実な対応をしてくれた人に任せればいいのではないでしょうか。

受付だけが話していて弁護士・弁理士がちょっとしか話をしてくれないようなところはやめておきましょう。

出来たらイケメンで・・・