ライバルが特許出願をした、と聞くと内心穏やかではないでしょう。自社の事業の実施が制限されてしまうかもしれないからです。
しかし、ライバルが特許を取ったとしても、自社の事業活動の全てが制限されるわけではありません。
どのような場合に特許発明の実施になるのか、何をしても大丈夫なのか、しっかりと見極め、特許権の侵害を避けつつ自社の事業の発展に力を注ぎましょう。
その場合お金を払ったりしないといけないのかな?
今実施しているものを中止しなきゃ!ああ、心配だよ。
どうしたらいいか教えて、ふっくん!
出願公開
第64条 特許庁長官は、特許出願の日から1年6月を経過したときは、特許掲載公報の発行をしたものを除き、その特許出願について出願公開をしなければならない。次条第1項に規定する出願公開の請求があつたときも、同様とする。
2 出願公開は、次に掲げる事項を特許公報に掲載することにより行う。ただし、第4号から第6号までに掲げる事項については、当該事項を特許公報に掲載することが公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあると特許庁長官が認めるときは、この限りでない。
一 特許出願人の氏名又は名称及び住所又は居所
二 特許出願の番号及び年月日
三 発明者の氏名及び住所又は居所
四 願書に添付した明細書及び特許請求の範囲に記載した事項並びに図面の内容
五 願書に添付した要約書に記載した事項
六 外国語書面出願にあつては、外国語書面及び外国語要約書面に記載した事項
七 出願公開の番号及び年月日
八 前各号に掲げるもののほか、必要な事項3 特許庁長官は、願書に添付した要約書の記載が第36条第7項の規定に適合しないときその他必要があると認めるときは、前項第5号の要約書に記載した事項に代えて、自ら作成した事項を特許公報に掲載することができる。
特許権の効力
第68条 特許権者は、業として特許発明の実施をする権利を専有する。ただし、その特許権について専用実施権を設定したときは、専用実施権者がその特許発明の実施をする権利を専有する範囲については、この限りでない。
特許発明の技術的範囲
第70条 特許発明の技術的範囲は、願書に添付した特許請求の範囲の記載に基づいて定めなければならない。
2 前項の場合においては、願書に添付した明細書の記載及び図面を考慮して、特許請求の範囲に記載された用語の意義を解釈するものとする。
3 前2項の場合においては、願書に添付した要約書の記載を考慮してはならない。
通常、特許出願は出願から一年六ヶ月が経過してから公開されます。出願人が早く公開するように請求(特許法64条の2)しない限り、その期間は特許発明の内容を知ることはできないのです。
出願公開の請求
第64条の2 特許出願人は、次に掲げる場合を除き、特許庁長官に、その特許出願について出願公開の請求をすることができる。
一 その特許出願が出願公開されている場合
二 その特許出願が第43条第1項、第43条の2第1項(第43条の3第3項において準用する場合を含む。)又は第43条の3第1項若しくは第2項の規定による優先権の主張を伴う特許出願であつて、第43条第2項(第43条の2第2項(第43条の3第3項において準用する場合を含む。)及び第43条の3第3項において準用する場合を含む。)に規定する書類及び第43条第5項(第43条の2第2項(第43条の3第3項において準用する場合を含む。)及び第43条の3第3項において準用する場合を含む。)に規定する書面が特許庁長官に提出されていないものである場合
三 その特許出願が外国語書面出願であつて第36条の2第2項に規定する外国語書面の翻訳文が特許庁長官に提出されていないものである場合2 出願公開の請求は、取り下げることができない。
具体的には、特許請求の範囲に記載された発明と自社の実施技術が同じかどうか調べます。
・・・といってもこれは非常に専門的なことですので、弁理士に相談したほうがいいでしょう。
自社が、この日よりも前から同じ発明を実施している場合は、継続して実施することができます。
チーたんの会社が実施を公然と行っていた場合には、競合の特許出願は新規性が認められないので登録されません。この場合には、特許庁に情報提供を行い、特許の成立を阻止しましょう。
競合の出願が誤って登録されてしまったとしても、チーたんの会社には先使用権(特許法79条)が認められるので大丈夫ですよ。
具体的にどうするべきかは、弁理士に特許請求の範囲について調査を依頼したときにアドバイスをもらってください。
ところで、さっきふっくんは”通常特許出願は出願から一年六ヶ月後に公開される” といったけど、例外もあるってことだよね?早く公開されたらイヤだからギリギリまで隠しておいた方がいいんじゃないの?