日本の特許庁で商標登録を受けるためには、要件を満たした適切な出願をしなければいけません。
専門家に任せてしまえばまず間違いはありませんが、企業の知財部や知財担当者が出願する場合には、基本が抜け落ちて拒絶査定確実の出願をしてしまうこともあります。
会社に無駄な出願費用というダメージを与える前に、商標登録の基本について学んでおきましょう。
出願された商標はその全てが登録されるわけではなく、方式的要件と実体的要件を満たした出願のみ登録されます。
これに対し、適切に補正をしたり意見を述べたりすることで登録されることもあります。
満たさなければいけない要件は以下の五つです。
①適切な商標登録出願であること。
これは、標準文字を使っていなかったり、立体商標なのに平面図を提出している場合です。
②識別性を有すること(商標法3条各号)
例えば、指定商品「ボールペン」に「ボールペン」、指定役務「洗濯サービス」に「ドライクリーニング」、損害保険に「損保、清酒に「正宗」などは単なる普通名称や慣用商標なので識別性を有しません。
しかし、ボールペンに「チョコレート」ならば”普通名称”ではないので登録されます。
指定商品「パソコン」に「アップル」もOKです。
他にも、指定商品「りんごパイに「りんご」というように商品の品質や原材料を表しただけの商標や、「湿布」に「よく効く」のように効能や用途を表しただけの商標、商品の産地と勘違いされそうな地名、「祇園」のように著名な観光地の名称を示すものは登録されません
新潟県の燕市を想起してしまいますから。
ただし、金属洋食器ではなく石鹸について「燕」なら地名を思い起こさないので登録されます。
③不登録事由(4条各号)に該当しないこと
公共団体を示す著名な標章や公序良俗を害する商標等は当然登録されません。
他にも、他人が先に出願した同一又は類似の商標や、品質の誤認を生ずるおそれのある商標、商品等の形状確保のために不可欠な立体的形状の商標、他人の登録はしていなくても有名な商標と同一又は類似の商標、他人の氏名と同じ商標などが登録されません。
でも、お金がかかるので、節約をしたい人や知財担当者は、は特許庁の商標審査基準をご覧下さい。
さて、続きの要件をあげていきましょう。
④使用意思を有する商品又は役務であること
使うつもりもないのに出願しても登録を受けることはできません。
⑤一つの商標ごとに一以上の区分を指定して出願すること
政令で定める区分に従って出願しなければいけません。これも、自分でする場合には特許庁のホームページをよく読んでする必要があります。
ちょっと休憩してくるわ