知的財産権の取得は困難なので、取っただけで一種の達成感があります。

しかし、知的財産権は取っただけでは意味がありません。
また、一つだけ取ったのでは足りません。

たくさんの知的財産権を組み合わせて活用する必要があります。

チーたん
問題です。1+1=?
あいぴー
問題にするくらいやから、2 やないやろ。
田んぼの田!
チーたん
ぶっブー!答えは、1 です!
一つのコップに入った水ともうひとつのコップに入った水を合わせると一つになるでしょ?
あいぴー
あー、じゃあうちもずるい問題出したる!
ふっくん
おや、面白そうな話をしていますね。
チーたん
ふっくんも問題出して!
ふっくん
いいですよ。

1億の価値のある特許権と、1億の価値のある商標権と、1億の価値のある意匠権を全部合わせると価値はいくらになるでしょう?

あいぴー
1億!
チーたん
減ってるっ(笑)
あいぴー
うちの手にかかればこうなるねん!
チーたん
自慢になってないから(笑)
ふっくん
答えは、111億円です!
チーたん
幼稚園生じゃないんだから!(笑)
ふっくん
いえ、私なら111億にしてみせますよ。
3億で終わらせません。
あいぴー
ホンマに!?
ふっくん
知的財産権を効果的に取って全て活用すれば夢物語で終わりませんよ。

私はこれをAIPブレンド(Animate IP and Blend、アイピーブレンド)と読んでいます。
IP(Intellectual Property)に命を吹き込み(animate)、混ぜて使う(Blend)ということです。

ふっくん
特許一つで莫大に稼げるなんて、医薬品業界以外では皆無です。

通常は一つだけでなく複数の特権許を取得し、ブランド(商標権)、デザイン(意匠権)といった他の知的財産権も活用し、事業を有利に導くように戦略を練ります。

特許で守れないもの、もっと守りを強固にしたいものはデザインで守り、簡単には崩せない鉄壁の防御網を張り巡らします

ふっくん
画期的な発明とその周辺特許によって事業の中核を守り売上を上げると共に、活躍出来ていなかった休眠特許もクロスライセンスの材料にしたりパテントプールに使ったりして活用します。

そして時間をかけてブランドを大切に育てることにより、技術力の高い会社、デザインの格好良い会社というブランドを築きます。

技術力、デザイン力が向上するとブランド力が上がり、ブランド力が上がると魅力的な人材が集まり、更に高い技術・デザインが生み出されるようになるというサイクルが回ります。

さらに、商品の形状を守る場合は、意匠権でデザインを保護するだけでなく、実用新案登録出願や特許出願をしたり、立体商標出願をすることが考えられます。

また、技術的思想(特許法2条2項、実用新案法2条2項)としては保護される可能性がなさそうな出願でも物品の外観として保護するため、特許出願や実用新案登録出願から意匠登録出願へ出願変更することも戦略として考えられます(意匠法13条1項、2項)。もちろんその逆もできます(特許法46条、実用新案法10条)。

チーたん
知財ってそんなふうに活用できるんだ。ワクワクしてきたよ!

でも知財は取得にも維持にもコストがかかるからうちみたいな小さな会社には負担が大きいな・・・

ふっくん
知財取得にかかるお金は、経費というよりも投資と考えるべきでしょう。

それは、知財は不確定要素が大きく、これをしたから確実に稼げるとはいえないからです。

しかし、だからといって確実に稼げることをしよう、と人海戦術に頼っていては、人件費の安い新興国にあっという間に負けてしまいます。

ふっくん
先進国日本の企業がやるべきことは、将来を見据え、知財に投資していくことなのです。

これからの経営者には知財を利用して未来を見る力が必要であり、その手腕が問われます。

あいぴー
せっかく築いたブランドも食品偽装問題で一気に崩れ落ちるし、何が起こるかわからんな。だからといって、ブランドを無視した経営なんてありえへんな。

ふっくん
知財を重視していない大企業なんてないでしょう?
何よりも力を入れるべきことなんですよ。

ふっくん
経営者に知財の知識がないなら他の人間に頼ればいいのです。知財に詳しい人材を雇い入れてもいいですし、私のような外部の知的財産コンサルタントに頼ってもいいでしょう。

いずれにせよ、事業で成功しようと思ったら必ず知財を活用してください。

チーたん
みんなで力を合わせて頑張ろうよ!
僕は発明を頑張るからあいぴーはブランディングを頑張ってね!
あいぴー
うちはブランディングに自信ないからふっくんに任せるわ・・・。
胡麻豆腐あげるからふっくん頼むわ
チーたん
経営者が何情けないこと言ってんの!
ブランドは我が子みたいなものじゃないか。がんばろうよ!
ふっくん
そう、生まれたてのブランドは何もできない赤ちゃんです。
でも、いずれ大きく成長して特許や意匠と手を組んで、会社を支えてくれますよ。
あいぴー
せやな。うちが頑張らんとあかんな。
頑張るわ。
ふっくんも手伝ってな。胡麻豆腐あげるから・・・
ふっくん
胡麻豆腐さえ用意してくだされば私も手伝いますよ!(`・ω・´)