デザインは意匠権を、名前は商標権を取得することで守られます。

これは、漫画やアニメのキャラクターについても言えます。

したがって、キャラクターについて保護を得たかったら意匠権や商標権を取ればいいといえます。

しかし、キャラクターについて無数に存在する指定商品毎に商標権を取っていては管理も大変ですし費用もかかります。

したがって、意匠権や商標権以外でも保護されたいものですが・・・。

あいぴー
いつものスーパーで、また人気アニメの便乗商品見つけたで~

チーたん
twitterでつぶやいといてよ(笑)

ふっくん
漫画やアニメのキャラクターを勝手に商品に付されると権利者はなぜ困るのでしょう?

チーたん
え?突然言われても・・・

ふっくん
例えば、エヴァンゲリオンの綾波レイのイラストを付した靴下を販売した場合、どんな権利が害されるのでしょうか。

意匠権や商標権が権利者により取得されていないことを前提に考えてください。

チーたん
綾波レイが臭い足の臭いに耐えなくてはいけないかと思うとファンとしては許せないからファン心理が害される!
あいぴー
あほかいな。顧客吸引力やろ。
ふっくん
まあ、チーたんの言うことにも一理あります。

キャラクターにだって人格がある、と考えれば著作権が適用されるでしょうし、そのキャラクターが人を惹きつける力が害されると考えれば不正競争防止法が適用されるでしょうね。

すなわち、表現物としてキャラクターを捉えれば著作権法で保護され、識別力に注目すれば不正競争防止法で保護されます。

ここで重要なのは識別力です。

ありふれた登場人物は保護されません。どこにでもいますからね。

でも、瞳の色が赤い、髪の色が白い、ショートカット、寡黙、etc…といった特徴を備えると唯一無二、オンリーワンの綾波レイになります。

際立っていますよね。彼女の持つ顧客吸引力は法律で保護されるべきものです。

チーたん
私の代わりはいっぱいいるけど
ふっくん
さて、人格権の話に戻りますが、そもそもキャラクターに人格権を認めるべきなのでしょうか
あいぴー
架空の人物だから無理やろ
ふっくん
そうですね。今のところ判例では認められていません。

ただし、パブリシティ権は認められていますよ。

勝手に綾波レイを製品に付したらそれだけでファンは買ってしまいますからね。
先ほどあいぴーが言ってくれた「顧客吸引力」です。

チーたん
エヴァンゲリオンの世界観自体を真似たらどうなるの?
あいぴー
そや。アスカとレイとカヲル君っぽいキャラクターだけ出てきて、エヴァっぽいロボットに乗って戦っていても著作権法違反にはならへんのやろ?

シンジ君もゲンドウも出てきーへんかんな。主人公のシンジ君がおらんとエヴァやない

ふっくん
その場合は民法の不法行為になるので大丈夫ですよ。キャラクターや作品が有名であればあるほど立証しやすいですね。

あ、ただし、不法行為で認められるのは損害賠償請求だけで、差し止め請求までは認められていません。

あいぴー
それぐらい認めてくれればエエのに・・・
ふっくん
問題ない(□-□*)
あいぴー
・・・ごめんなさい。こんなときどういう顔をすればいいかわからないの
チーたん
笑えばいいと思うよ(笑)