発明を完成させたら、早速人に話したくなります。

しかし、その発明の特許を取るつもりなら、それは少しの間我慢して、先に特許出願をした方が良さそうです。
発明のアイデア

チーたん
三人よれば文殊の知恵っていうけど、アイデアって複数の人が関わったほうが良くなるよね。

だから、ぼくは研究中の発明についてよく人に話をしてしまうんだ。

これってよくないんでしょ?

ふっくん
そうですね。本当はそうしてアイデアをブラッシュアップさせたほうがいいのでしょうが、アイデアを盗まれて他人に特許を取られてしまうと、自分も使えなくなってしまいます。

もちろんそういった場合に真の発明者が保護される手段はありますが、面倒なので、出来るだけ出願前には発明を人に見せない方がいいでしょう。

チーたん
ぼくは性善説主義なので・・・
ふっくん
人を信頼するのはいいことですが、無駄な争いは避けられるものなら避けたいですよね。特許をとっておけば盗みたくても盗めません。特許という公的な権利を取っておけば信頼感も得られます
チーたん
出願しようかどうか迷っていてとりあえず相談したい場合もあるよ
ふっくん
そんな場合はなるべく避けるようにしてほしいのですが、どうしてもという場合には、秘密保持の契約書を持参すべきです。内容については弁理士や弁護士と話し合って決めてください。

改良発明を特許出願されてしまう可能性もありますし、契約書は後のトラブルを防ぐためにも用意しておいたほうがいいですよ

ふっくん
どんな状態でも、他人にアイデアを開示する前には契約書を交わす癖をつけてください。

情報を盗みたくて近づいてくる人もいるでしょうし。知財スパイだっているんですよ。
取引先に新発明を自慢していたらいつのまにか勝手に出願されていたというケースもありますし。

チーたん
発明自慢は営業にもなると思うんだけどな
ふっくん
そうですね。そこらへんはバランスをとってください。

知的財産とは、発明やアイデアだけに限らず、社員の持っているノウハウや得意先情報も含まれますから、下手に流出させないように気をつけてくださいね

チーたん
人間関係を気まずくしてまで取った特許が役に立たなかったら嫌だな~
ふっくん
そうならないように私が協力しますよ。
チーたん
特許を取るのは大変だし、発明したらすぐに世界中の人に見て欲しいのが発明者の本音だよ
ふっくん
まあ、必ずしも特許で直接的に収益をあげられなくてもいいかもしれません。

特許制度の本質は、”新しい発明をみんなが使えるようにして産業の活性化をはかる”ことですから、社会全体が活性化するために発明を公開してもいいかもしれませんね。

ただ、あまりにも人がよすぎると本当に全く収益があがらないのでほどほどに。

チーたん
特許をとればうちの会社の技術力のアピールになるし、大発明ならノーベル賞をとれるかもしれない。

発明者としては、名誉も欲しいからあまりお金のことばかり考えないようにするよ

ふっくん
優れた知財で収益をあげてほしいのですが、それもいいのかもしれませんね。

いずれにせよ、他社と提携を組むときやベンチャーキャピタルに出資を募るためにプレゼンを行う場合、大企業に新製品を売り込みに行く場合、等には先に特許出願を済ませておいてくださいね

チーたん
はーい
ふっくん
なお、仮に特許出願前に人にアイデアを話してしまったとしても、新規性喪失の例外と呼ばれる一定の救済措置(特許法30条)がありますよ