政府は医療費を抑制するためにジェネリック医薬品の普及を進めています。
「厚生労働省の承認を得ているので安全性は同じ」「研究開発費がかからないので効果は同じで安い」ので魅力的ですが、先発医薬品(新薬)と比べ問題はないのでしょうか。
また、他のジェネリック、たとえばジェネリック家具やジェネリック家電についてはどうでしょうか。
なぜなら、先発医薬品の「物の特許」の特許権の存続期間は満了していたとしても、まだ「製法特許」が残っている場合があるからです。
たとえば、Aという薬を作る方法Bについて特許が取得されておりまだ存続期間が満了していない場合、後発医薬品自体を作ることは出来るのですが、製法Bを使って造ることはできません。
ということは、添加物を添加する順番などが変わることにより、最終製品である「物=薬」が変わってきてしまう可能性があります。
つまり、新薬Aと後発医薬品とでは全く同じ効果を有する薬ではない可能性があります。
そのため物としては同じように見えても、有効成分が早く吸収されてしまったり逆にいつまでも吸収されなかったりということがおきます。
それによって薬が効き過ぎたりほとんど効果がなくなったりします。
特許権を取得していないだけで有効な技術というものもありますし。
全ての技術を特許化するとは限らないでしょう?
安いということは大きな魅力だからです。
これから超高齢化社会に突入し、医療費の負担は増すばかりです。そんなときにジェネリック医薬品は危険だからという理由で皆が拒否していたら、どうなるでしょう?
だいたい、日本は全ての国民に何らかの保険への加入義務があります。そのため、大した病気や怪我でなくてもとりあえず行こうというような人が増えてしまいます。
子供が病気になると忙しい親が仕事を休んででも病院に連れていくでしょうが、いつまでたっても順番が回って来ず、一日を無駄にし、仕事に支障が出るということも起こりうるでしょう。これは少子化を加速させます。
意匠権があれば、たとえば、ブランドバッグの斬新なデザインを真似しないようにできます。
コピー品はデザインを真似ただけで造りの甘い物も多いですが、正規品とほとんど見分けがつかないくらい精巧な物もありますよね。
そのような製品なら薬と違って人体に影響があるわけではなく、単純に意匠権を持っている会社の金銭的利益を侵害するだけですので薬ほど問題はありません。
もちろん、意匠権の侵害は犯罪ですから絶対にやるべきではありませんよ。
ジェネリック家具というのは、この意匠権が切れた有名な家具のデザインを真似たものです。
ですから、知的財産権の侵害にはなりません。
細かな造りは本家の方が丁寧だとか質感が全然違うとかいった違いはあるでしょうが需要者がブランドの違いを知って買うのなら問題はありません。
それから、医薬品メーカーは、特許権が切れると収益が激減することになりますが、ジェネリック医薬品の問題点を正当に主張し、ブランディングに取り入れていけば、特許権が切れた後も減益を抑えることが出来るでしょう
商標でいうと、普通名称ということになりますね。
巨峰やうどんすきなどはかつては商標権が存在しましたが、普通名称化してしまいました。
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