お客様である大企業の言いなりになって下請け製品を作っている中小企業。

継続して発注を受けていられるうちは楽ですが、発注が途絶えてしまうと、途端に経営が苦しくなってしまいます。

そんなお客様に依存した経営を抜け出すためにも、知的財産を活用しましょう。

チーたん
今日はショッキングなことがあってあいぴーが落ち込んでいるんだ。

うちの会社では、ある部品を大企業のために作っていたんだけど、突然契約を打ち切られてしまったんだ。

海外の人件費の安い工場に同じものを作らせるみたい

ふっくん
下請けに甘んじている中小企業ではそういうこともあると思います。

 特許を取得したり営業をする必要がないので、下請けでいるのは楽といえば楽ですが、安定した注文が約束されているわけではありませんからね。

 逆に、ブランドという知財を持っている会社は利益率の高い事業が行えます。

ふっくん
 化粧品のブランドで有名なファンケルという大きな会社がありますが、ファンケルは自社ブランドで売っている商品は他社に製造委託(OEM)しています。

それだけでなく、原材料まで自社で買い、OEM先を競わせているのです。

価格コントロール権をファンケルが握っているわけですね。

ですから、下請けは価格競争に巻き込まれ、必死で値段を下げなければいけません。

チーたん
ただでさえ利益が少ないのに、そんなことされたらますます苦しくなっちゃうよ
ふっくん
この機会に、下請けから脱出することを検討してみてはいかがでしょうか。

”自分の会社でしか作れない製品”の受注生産に注力してみるのです。

チーたんの会社でしか作れない製品なのだから、発注側との力関係も対等ですし、他者との値引き合戦に巻き込まれることもありません。

チーたん
どうやって作ればいいの?
ふっくん
”自分の会社でしか作れない”オンリーワン製品は、特許権を取得することにより作ることもできますし、独自の高い技術やノウハウを駆使して作る方法もあります。

知的財産権で守り固めた製品があれば、チーたんの会社以外には発注できなくなりますよ。

さらには、知的財産権を活用すれば、チーたんの会社ではものを作る必要すらなくなります。特許権等をライセンスして他社に特許製品を作らせればいいんですからね。

 このように知的財産権を活用すれば、より有利にビジネスを展開することができます

チーたん
そっかー。誰でも作れる製品なら、人件費の安い国に発注しようとするもんね。発注側に甘えて技術開発の努力を怠っていてはいけないね。

でも、オンリーワン製品なんて簡単にできるのかな?

ふっくん
今まで顧客から”こんなものを作って欲しい”という御願いを聞いてきましたよね?顧客のニーズに応えているうちに、どんなものが求められているのかわかってきたはずです。

そのようなニーズのなかに発明の種は眠っています。ぜひ、求められている分野で研究開発をしてください。

チーたん
いろいろカスタム品を作ってきたけど、その知識が役に立ちそう!
ふっくん
知財を生み出すのは人間です。チーたんの頑張り次第で会社は変わりますよ。
チーたん
価格競争に巻き込まれたくないもん。頑張るよ

ふっくん
マイケル・ポーター教授は、競争社会のなかで会社が利益をあげるには、低コスト化・差別化・集中の3つしか方法はないといっています。

このうち差別化については知的財産権で狙えますよね。

集中も地域や人などターゲットを絞ればできます。大企業が参入してこない分野を選べばブルーオーシャンが待っていますよ。

低コスト化は中小企業にとっては困難ですが、オンリーワン製品を作ることができれば、たくさん注文がきて、結果としてコストを低くすることができます。

 ですから、中小企業にとって、特許権や商標権といった知的財産権を所有することは競争戦略上、非常に有効なのです。


ふっくん
 人件費の安い海外の工場のことを考えると、これからの中小の製造企業は、知的財産を駆使しなければ生き残ることすら難しいでしょう。

 しかし、逆に考えると、知的財産権を武器にすれば、大企業とも対等に渡り合える存在になれるのです。

チーたん
やる気が出てきたよ。がんばる!
ふっくん
知的財産にはいろいろな種類があります。
特許権だけでなく、発明は意匠権をも駆使してしっかり守り、商標権も取得してブランド化を図ってください。
AIPブレンドですよ。
ふっくん
大手メーカーから開発の依頼を受けた場合でも、けして共同開発して共同出願をしないようにしてくださいね。

研究開発費用は自己負担し、特許も単独出願するようにしてください。

大手メーカーに美味しいところを全て持って行かれてしまいますよ。

製品を量産するときに、こちらは少ししか作れないのに相手は莫大な数量を売れますからね。

チーたん
わかったよ。

それにしても、小さな会社が大企業と対等に渡り合えるなんて、知的財産権って本当にすごいね!