売れている製品はすぐに真似されて類似品が出回ります。
競争が起きると値段が下がることになるので消費者に取ってはありがたいことですが、人気商品を開発した企業にとっては好ましいことではありません。
合法的に市場を独占する方法はないのでしょうか。
こんなとき、技術を盗まれることを防ぐにはどうしたらよいでしょうか?
しかし、魔法を使えない人のために話を進めましょう。
市場を独占するためには、オンリーワンの製品を作ればいいのです。ところが、そういった製品は魅力的であるため、他社はすぐに真似をしようとしてきます。
真似をされるとせっかく多額の研究開発費をかけて創ったのに後発会社に市場を奪われてしまいます。後発会社は研究開発に資金を投入していない分、自社製品よりも低価格で販売することができます。すると価格面で負けていることから市場を奪われてしまいます。
ではどのようにして他社の模倣を防げばいいのでしょうか。
まず、特許権等の知的財産権を取得することが考えられます。
特許権や意匠権、商標権といった知的財産権を持っていれば、独占禁止法に引っかかることなく、自社だけが市場を独占できます。
特許権を取る場合は、変化球でかわされないように、コア技術だけでなく、周辺特許も必ず押さえるようにしてください。
しかし、知財の保有だけでは無視されることも多いのです。その傾向は中国で顕著です。相手が権利を持っていても気にせず勝に使います。
ではどうしたらよいのでしょうか。
模倣されたら差し止め請求訴訟や損害賠償請求訴訟を提起し、積極的に攻めていきます。すると、”この会社は模倣を許さない”というイメージが固まり、模倣の抑止力になります。
また、秘密管理を徹底することも大事です。
重要部品は日本国内でのみ製造し、特許で守られない設計・製造上のノウハウは、ブラックボックス化します。
本社で製造したものを中国現地工場に供給したり、取引先から技術が流出しないように、取引先に対する情報開示は必要最小限にとどめるようにしてください。
模倣品が特定しやすい構造にするために、ギア等の構成部品には金型製作時に社名を入れたり、模倣することが困難な仕様を考えて、基幹部品に特注の素材を採用するのもいいでしょう。
さらに、模倣品が出にくいビジネスモデルを採用することも重要です。
知的財産権以外の参入障壁を築くのです。
たとえば、競合他社が買わないような高価な機械を買って圧倒的な機械設備を揃えたり、競合他社が資金のめどがついて機械を導入できたとしても、ソフトをどのように作ればいいかわからなくします。そのソフトがないと同じ機械があっても動かせなくします。
時間をかけてコツコツと築き上げたものには資金力のある会社でも太刀打ちできませんから。
ですから、強い知的財産権を複数持てば持つほど事業が有利になります。
小さい会社なのに大企業と対等に渡り合っているどころか収益率においては大企業を凌駕している会社も結構あるんですよ。
しかし、知的財産権だけは独占禁止法の例外とされているのです。
うまく使いこなして自社の独壇場を創りあげてください。