弁理士の名刺を見ると、「付記弁理士」という肩書が書かれている場合があります。さて、この付記弁理士とは一体何なのでしょうか。
チーたん
今日特許事務所の人に会ってきたのだけど、名刺を見たら「付記弁理士」って書いてあるんだ。この付記弁理士って何?
あいぴー
その特許事務所のおまけ的存在って意味やないの?
チーたん
まさか!
あいぴー
じゃあ、他に何か仕事を持っていて弁理士の仕事は付随してやっているだけとか・・・
ふっくん
付記弁理士というのは、特許権や商標権、意匠権等の知的財産権の侵害時において、特定侵害訴訟の代理業務ができる弁理士のことですよ。
全弁理士の約3割が付記弁理士となっています。
全弁理士の約3割が付記弁理士となっています。
チーたん
あいぴーの想像と全然違うねw
ふっくん
裁判で訴訟の「代理人」となることができるのは「弁護士」ですよね。
特許や商標などの知的財産権関係の侵害訴訟でも弁護士が訴訟の代理人となります。
ただ、知的財産権関係の法律というのは専門性が高いのでちょっと困りますよね。
特許や商標などの知的財産権関係の侵害訴訟でも弁護士が訴訟の代理人となります。
ただ、知的財産権関係の法律というのは専門性が高いのでちょっと困りますよね。
チーたん
特許の場合は技術も知らないといけないもんね。
ふっくん
ですから、特許権や商標権などの侵害訴訟においては知的財産権の専門家である弁理士が「補佐人」という立場で弁護士を補佐することがあります。
ここで、「付記弁理士」は、「特定侵害訴訟」と呼ばれる訴訟において、所定の条件下で訴訟の「代理人」となることが認められています。
この「特定侵害訴訟」というのは、特許、実用新案、意匠、商標、回路配置に関する権利の侵害についての訴訟や、所定の「不正競争による営業上の利益の侵害」についての訴訟のことです(弁理士法2条6項)。
ここで、「付記弁理士」は、「特定侵害訴訟」と呼ばれる訴訟において、所定の条件下で訴訟の「代理人」となることが認められています。
この「特定侵害訴訟」というのは、特許、実用新案、意匠、商標、回路配置に関する権利の侵害についての訴訟や、所定の「不正競争による営業上の利益の侵害」についての訴訟のことです(弁理士法2条6項)。
弁理士法2条
6 この法律で「特定侵害訴訟」とは、特許、実用新案、意匠、商標若しくは回路配置に関する権利の侵害又は特定不正競争による営業上の利益の侵害に係る訴訟をいう。
チーたん
著作権法は無理なの?
ふっくん
残念ながら無理ですね。
チーたん
まあ、特許や商標の侵害訴訟の代理が出来るならいいか
ふっくん
弁理士だけで訴訟の代理をすることはできませんよ。
弁護士と共同で代理する場合に限って訴訟代理人となることができます(弁理士法6条の2第2項)。
例外的に、裁判所が認めた場合は、単独で出頭できます(弁理士法6条の2第3項)。
弁護士と共同で代理する場合に限って訴訟代理人となることができます(弁理士法6条の2第2項)。
例外的に、裁判所が認めた場合は、単独で出頭できます(弁理士法6条の2第3項)。
弁理士法
第六条の二 弁理士は、第十五条の二第一項に規定する特定侵害訴訟代理業務試験に合格し、かつ、第二十七条の三第一項の規定によりその旨の付記を受けたときは、特定侵害訴訟に関して、弁護士が同一の依頼者から受任している事件に限り、その訴訟代理人となることができる。
2 前項の規定により訴訟代理人となった弁理士が期日に出頭するときは、弁護士とともに出頭しなければならない。
3 前項の規定にかかわらず、弁理士は、裁判所が相当と認めるときは、単独で出頭することができる。
チーたん
弁護士と一緒じゃないといけないなんて・・・。それじゃあんまり意味ないんじゃないの・・・
あいぴー
やっぱりおまけやん!弁護士のおまけ!
チーたん
付記弁理士になるのは簡単?
ふっくん
特定侵害訴訟代理業務試験を受けて合格すればいいのです。
ただし、日本弁理士会が行う「特定侵害訴訟に関する訴訟代理人となるのに必要な学識及び実務能力に関する研修」を修了しなければいけません。
研修は40時間以上ありますし、原則欠席が認められません。また、毎回の講義で課題が出されます。
費用は、研修費用、登録費用などを含めて、20万円(プラス付記弁理士としての登録料)がかかります。
ただし、日本弁理士会が行う「特定侵害訴訟に関する訴訟代理人となるのに必要な学識及び実務能力に関する研修」を修了しなければいけません。
研修は40時間以上ありますし、原則欠席が認められません。また、毎回の講義で課題が出されます。
費用は、研修費用、登録費用などを含めて、20万円(プラス付記弁理士としての登録料)がかかります。
チーたん
に、20万円・・・。
ふっくん
現在日本で一年間のうちに起きる知的財産権の侵害訴訟の数の実に5倍近くもの数の付記弁理士がいます
あいぴー
メッチャ供給過剰やん!
ふっくん
そうなんです・・・。付記弁理士の試験に受かっても裁判の実務経験が無い、又は少ないという人は多いんですよ。
ですから、平成15年から始まった付記弁理士試験の受験者数は、平成16年をピークに年々下がり続け、平成28年度の受験者数は過去最低の209人でした。
ですから、平成15年から始まった付記弁理士試験の受験者数は、平成16年をピークに年々下がり続け、平成28年度の受験者数は過去最低の209人でした。
チーたん
来年は上がるかな?
ふっくん
弁理士法が改正されて付記弁理士の魅力が上がらなければわざわざ自分でお金と時間をかけて受けようと思う人は少ないでしょうね。
それだけの時間があればもっと別のことをしたいと考える人がいてもおかしくありません。
それだけの時間があればもっと別のことをしたいと考える人がいてもおかしくありません。
チーたん
特許事務所勤務の弁理士だったら事務所にお金を出して貰えるんじゃない?
ふっくん
そうですね。そんな人がスキルアップに受けると良いでしょうね
あいぴー
研修は休日やって。これなら勤務時間外やからどんどん勉強してほしーわ
ふっくん
弁理士には勉強熱心な人が多いので、弁理士資格をとって終わりではなく、まだ何か勉強したい!と考える人が多いのです。そこで、付記弁理士を目指したり、知的財産管理技能検定1級合格を目指す人が多いのではないのかなと思います。
チーたん
ぼくだったらスキルアップのために英語の勉強するけどな
あいぴー
英語ならうちが教えたる!
チーたん
ちゃんとした教材使いたいよ(笑)