自社の特許権が侵害されたら、ついカッとなってしまいます。
しかし、そんなときこそ冷静になって適切な対応をしたいものです。
訴える側が常に正しいとは限らないからです。
間違って、特許権を侵害していない人を訴えたりしないように万全の注意を払ってください。
一時の感情に基づいて行動をするのではなく、冷静に対処していきましょう。
年金不納のため特許権が消滅している可能性もありますからね。
自社の特許権が無効理由を持っている場合、無効審判により無効にされてしまう恐れがあるので、相手の出方によっては無効審判に対する準備をしましょう。
特許権が成立してからまだ30日以内でしたら、分割出願ができるので、無効理由のありそうな請求項と大丈夫な請求項とを分けることもできます。
先行技術調査を含めた特許の有効性に対する再度の専門家による確認が必要です。
特に海外の会社が侵害している場合はこの鑑定は必須です。なぜなら、アメリカでは専門家の意見を聴かずに裁判を起こして負けた場合には三倍賠償の対象になってしまうからです。
実は自社がライセンスしていたかもしれませんし、相手は先使用権等正当な権利を持っている可能性もあります。
自社の顧客だったり、製造の委託先かもしれません。そのような場合に相手を攻撃してしまっては、良好な関係を壊すことになってしまいます。
軽はずみなことをしないように気をつけましょう。
警告状は通常は弁護士や弁理士等の代理人名で相手方企業の社長宛に送ります。
こちらの会社の社長や社員ではなく、専門家の名前で警告してきていることから、警告を受けた相手はそれだけで、自社が本気で警告しているということを理解できます。
さて、回答を受けたら、回答の中身を確認しましょう。専門家とともに内容を吟味し、相手の回答が不適切、例えば相手が正当権原を持っていないということがわかったら再度の警告状を出すか、訴訟の準備をしましょう。
他方、相手がライセンスを受けたいといってきたら、代理人を通じてライセンス交渉に入りましょう。
他の知的財産権侵害に関しては別ですが、特許は高度に専門的ですので、仮処分の申請にも時間がかかりますし、もし自身の特許権が無効にされてしまったら、仮処分によって差し止めた分、相手方に損害賠償をしなくてはいけなくなります。ですから、よっぽど特許の有効性に自信がない限り、仮処分の申請はやめておいたほうがいいでしょう。
相手が製品を収めている百貨店に警告したろうかな?
ただ、やりすぎには注意してくださいね。
侵害者を見つけた場合、つい感情的になって相手の悪口を広めてしまいたくなりますが、大人の対処をしましょう。
相手の仕事を邪魔しているわけですからね。
ですから、どんなに怒っていても、せめて「当社の判断では○○という製品は当社の特許権を侵害している恐れがあるので東京地裁に訴訟を起こしましたというような表示をする程度に留めておくべきでしょう。