特許法を全く勉強したことがない方は、まずは特許法で非常に重要な概念である発明について学びましょう。
ん〜と・・・「発明」とは、発明家が頭のなかで考え出すもの・・・かな?
特許法には、発明とは何かについてきちんと定義がされていますよ。
特許法2条1項を見てみましょう。
第二条 この法律で「発明」とは、自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のものをいう。
これについては用語の説明をするよりは、具体例を挙げたほうがわかりやすいでしょうね。
以下のようなものは発明に該当しません。
・自然法則自体(万有引力の法則など)
・単なる発見であって創作でないもの(天然物や自然現象、X線の発見、ベンゼン環の構造の解明など)
・自然法則に反するもの(永久機関など)
・自然法則を利用していないもの(遊戯方法のような人為的な取り決め、数学上の公式、コンピュータプログラム言語など)
・技術的思想でないもの(スポーツの技能や情報の単なる提示、データベースなど)
・単なる美的創造物(絵画、彫刻など)
野球を見るのが専門の人にフォークボールの投げ方を教えたって出来ませんよ。
絵や音楽は発明じゃないの?
なお、「高度なもの」とは、実用新案法の保護対象である「考案」とは違うことを意味します。
考案は生活用品の考案のように簡単なもので取ることが多いですよね。
それに対し、特許法が保護する発明は「自然法則を利用した技術的思想の創作のうち高度のもの」ですから、単なる「自然法則を利用した技術的思想の創作」だけでは駄目なのです。
厳密な線引きはされていないのですけどね。
特許法2条2項 この法律で「特許発明」とは、特許を受けている発明をいう。
基本的なことですが、当たり前のことだからこそしっかりと抑えておかなければいけませんよ。
特許法2条3項
この法律で発明について「実施」とは、次に掲げる行為をいう。
一 物(プログラム等を含む。以下同じ。)の発明にあつては、その物の生産、使用、譲渡等(譲渡及び貸渡しをいい、その物がプログラム等である場合には、電気通信回線を通じた提供を含む。以下同じ。)、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出(譲渡等のための展示を含む。以下同じ。)をする行為
二 方法の発明にあつては、その方法の使用をする行為
三 物を生産する方法の発明にあつては、前号に掲げるもののほか、その方法により生産した物の使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為