特許は全世界に向けて全公開されてしまうので、出願するなら、早い段階から海外への出願も念頭に置いておく必要があります。

しかし、悩ましいことなのですが、知的財産制度は人間が取り決めた法律なので、各国ごとにルールは異なります。

条約で最低限の決まりはあるのですが、それでも国によって制度が違い、複雑になっています。

 

チーたん
英語圏ならともかく、イタリアとかロシアに出願する場合にはどうすればいいの?

ふっくん
各国ごとに出願することもできますが、PCT出願というものを利用すれば、日本への出願を基に一度で出願できますよ。ヨーロッパに出願する場合はEPC出願も利用できます。

最終的に各国ごとに翻訳文を提出しなくてはいけないのに変わりはありませんが、翻訳の猶予期間もありますし、外国出願の数が多いようならぜひPCT出願を利用してください。

チーたん
製品を販売する国で取ろうかな。あと、中国による模倣品被害が酷いから中国でも取らなきゃ。
それにしても、中国の海賊品には手を焼くよ

ふっくん
発展途上だった時代の日本も同じでしたよ。

発展途上の国はどうしても知財の保護については消極的になりがちです。先進国が訴えてもまともに取り合ってもらえないこともよくあります


チーたん
中国で権利化するだけ無駄かな

ふっくん
最近は中国も知財保護に力を入れてきたので、出来るなら取った方がいいでしょう。大きい市場ですからね。

ふっくん
いずれにせよ商標は早い時期にとっておいたほうがいいでしょう。

新興国に工場を移転する場合や研究開発の拠点とする場合にも注意が必要です。

たとえば、技術や秘密をしっかり管理しておかないと、工場の作業員から情報が流出するなんて日常茶飯事ですし、あらかじめ契約しておかないと転職時に貴重な情報を持って行かれたりします。

チーたん
なんだか小説や映画の世界みたい
ふっくん
知財スパイは普通にいますよ。
新興国に研究開発拠点を置く場合は、職務発明制度や現地の大学との連携を行った場合の契約などもしっかり取り決めてください。

それから模倣品対策も入念に行ってください

チーたん
日本がアメリカに追いついたように中国も日本に追いついちゃうんだろうな。

ふっくん
良いことですよ。中国は一部地域を除いては、まだまだ人件費が安く、工場作業員は過酷な労働条件下で働いています。

もっと中国全体が潤って、人間らしい生活が出来るようになるといいですね


チーたん
そうしたら中国発の知財もたくさん生まれるんだろうな。

日本が中国から技術を輸入する時代も近いのかもしれない。

日本はこれからどうやって稼げばいいのかな。


チーたん
ものづくりに力を入れるのか、それともアメリカみたいに訴訟大国になって、中国企業を訴えて儲けるのかな。

アメリカで特許を侵害すると、とんでもない額の損害賠償請求をされるよね


ふっくん
そうですね。アメリカの法律では、故意侵害の場合は三倍賠償することになっています。

さらにディスカバリー制度など日本にはない制度があるので、米国にビジネス展開する場合はそのような制度について理解しておかないと、とんでもないことが起こりえます。

チーたん
海外展開は怖いなあ
ふっくん
でも、狭い日本の中だけにいるより稼げますよ。

むしろ日本にとどまることの方が収益をあげる機会を損失してしまうのでリスキーかもしれませんよ。

特に新興国はマーケットとしても無限の可能性を秘めています。怖がらずに飛び込んで見てください。ブルーオーシャンが広がっているかもしれませんよ。
もちろん現地で育った人間にコンタクトを取って意見を聞いたほうがいいでしょう。日本の常識は世界の非常識かもしれませんからね

チーたん
サムスンだってむかしは小さな会社だったのに知財を戦略的に活用してアップルと互角に戦えるまでに成長したもんね。ぼくも挑戦してみるよ

ふっくん
怖いといえば、人質殺害などで日本人はイスラム国を恐れていますが、イスラム国も大きな市場ですよ。シリコンバレーに勝るとも劣らない優秀な人材が集まっている特許大国でもあります。

偏見を持たずにイスラム国へも進出したいですね


ふっくん
制度が複雑なので、外国へ出願する場合は専門家の助言を仰ぐと良いと思われます。
無料で専門家をご紹介いたしますのでお気軽にお問い合わせください。