一発屋と言われるような芸人が一つのネタだけでテレビに引っ張りだこの状態がよく起こります。
このような人気ネタは、他の芸人が真似をすることもよくあります。
このような場合に、ネタ自体やネタを真似した別の芸人の芸は著作権でどのように保護されるのでしょうか。
また、芸人の気もちといった人格的な権利も保護されるのでしょうか。
チーたん
・・・探さない。待つの♡ あはははは〜
あいぴー
チーたん、またブルゾンちえみのネタ見とるん?お笑いすきやな~
チーたん
あいぴーほどじゃないけどね!
女優さんとか他の芸人も同じネタを披露しているよね。面白いな~
あいぴー
こういう芸人のネタって著作権で保護されるん?関西住人としては気になるわぁ
チーたん
関西人じゃあないんだね(笑)
あいぴー
うちは関西ネイティブじゃないねん(T_T)・・・ってそんなことはどうでもええ。
ふっくん
その芸人さん、ここではブルゾンちえみが自分でネタを披露しているときには著作権で保護されますよ。
ふっくん
でも、違う芸人がブルゾンちえみのネタを演じた場合には、その芸人や女優の演技は著作権ではなく、著作隣接権で保護されることになります。
あいぴー
難しい用語やな~。意味わからへん
チーたん
ネタを作ったのはブルゾンちえみで、芸人や女優は演技をしているだけだからでしょ
あいぴー
チーたん冴えとるな
チーたん
知財担当者だからね。
あいぴー
頼もしいわ。これからもがんばってな。
チーたん
はーい。ところで、もし芸人さんがブルゾンちえみのネタをつまらないからといって一部変えて演技したらどうなるの?
ふっくん
その場合は、芸人がブルゾンちえみの著作者人格権を侵害することになります。
ふっくん
この著作者人格権というのは他人に譲り渡せないもので、たとえブルゾンちえみが自分の著作権を全てワタナベエンターテイメントに譲り渡すという契約をしていたとしても、ブルゾンちえみには自分のネタを勝手に変えるなと言える権利を持ちます
あいぴー
お金の問題やなくて、気持ちの問題やな。いくら先輩芸人だからといって、自分のネタまで馬鹿にされとうないもんな。
ふっくん
そういうわけです。
あいぴー
もし、ブルゾンちえみの新ネタを盗んで、他人が先に披露したらどうなるん?
ふっくん
この場合も著作者人格権の侵害になります。
詳しくは公表権(著作権法18条)の侵害となります。
ふっくん
著作者人格権についてまとめると、著作者は、自分の作品を勝手に公表されない、自分の作品を勝手に改変されない、自分の作品を発表するときは自分の名前(ペンネームでもOK)を表示するかしないかを決める、という権利を生きている間は持ち続けます。
チーたん
じゃあ、著作者が死んじゃったらネタを変更したりやり放題なの?
ふっくん
たとえ著作者が亡くなっても、著作者が生存していたならば著作者人格権の侵害となるような行為をしてはいけません。
たとえば、有名作家が死んでから100年経っている場合は著作権的には問題ありませんが、その作者の名前を表示しないで作品を出版したり、題名を変えて出版した場合には著作者人格権の侵害となります
あいぴー
なんか難しくて疲れたわ~。
チーたん
著作権法って条文が多すぎて覚えるの大変だよね。具体的にはどれくらい条文数あるの?
あいぴー
35億♡