他社や他の大学等と共同で出願をする機会もあると思います。
そんなとき、利害関係が絡んでくるので、人間関係がぎくしゃくすることがあります。
せっかく仲の良くなった相手とお金が原因で仲違いしないように、予め充分に話し合って契約書を交わしておきましょう。
チーたん
提携先T社の研究員と共同で発明しているんだ。特許出願するとき、どんなことに注意したらいいかな?
ふっくん
共同で出願するときは、まず、出願人全員が”特許を受ける権利”を持っていることが必要です。発明は、会社や学校がするものではなく、”人間”がするものなので、通常は研究員たちが発明をした瞬間に”特許を受ける権利”を持ちます。
しかし、研究員たちは会社の従業員ですので、業務に関係する発明は、”職務発明”になります。
従って、”職務発明”について”予約承継”がされている場合、”特許を受ける権利”は、会社のものとなります。
ふっくん
ここで注意したいのが、たとえばチーたんの会社では予約承継されて会社が”特許を受ける権利”を有しているのに、提携先の会社にそのような規定がない場合、チーたんの会社とT社が共同で出願しても、”共有者の同意なしに他の出願人が単独で出願した出願”とされ、特許が設定登録されないか、登録されても無効とされてしまいます
チーたん
なんだか複雑だねぇ。まぁ、要は抜けがけしなければいいってことだね。あと、抜けがけされてもどうにかなる!
ふっくん
そうですね(笑)。
出願後に手続補正書の提出等の手続についてはそれぞれの出願人が全員を代表するものとされるので、単独で行うことができます。
しかし、代表者を決めて特許庁に届け出たときは、決められた人(会社)が代表者とされます。
本人の意思を確認すべきとされる法律上の手続については全員でしなければいけません。
チーたん
ううっ。なんか難しいな。まぁ、これも相手の気持ちを考えれば、法律を知らなくても変なことはしないかな。勝手なことをされたら困るっていう普通の感情を理解していればいいだけだもんね
ふっくん
利害が絡むと人間は人の気持ちを考えられなくなってしまうんですよ。ですから、共同で研究や出願をするときは、なるべく契約を交わすようにしてください
チーたん
そうだね。無用の争いを避けるために事前に出来ることはしておけってふっくんはいつも言ってるもんね
ふっくん
そうです。訴訟になると数百万から数千万もの費用と数年に渡る時間を費やさなくてはいけません。そんなことにお金や時間をかけるよりは、もっと生産的なことをしたほうがいいですよね。
チーたん
知的財産自体、リスクを予め防止するという意味合いが強いもんね。
病気になって大手術をするよりは、病気にならないように日頃から気をつけているほうが結局は失うものは少ないしね
ふっくん
病気になってからお医者さんにみてもらっても手遅れかもしれませんが、病気になる前からお医者さんに見てもらっていれば、悪くなる前に治りますからね。