発明が完成したら早速特許出願!・・・と言いたいところですが、特許出願をする前にやることがあります。
特許出願について基礎から学びましょう。

チーたん
長い間研究していた発明が完成したよ!特許を取りたいから特許出願手続きについて教えて!
ふっくん
発明の完成、おめでとうございます。
特許出願する前に、まずは先行技術調査をしましょうか
チーたん
先行技術調査?何それ?
ふっくん
自分の発明と同じ発明が既に特許登録や出願されていないかを調べることです。
特許制度は先願主義を採用しているため、先に出願した人に特許が付与されます。
ですから、いくらチーたんの発明が優れていても同じ発明が既に登録や出願されている場合は、費用をかけて頑張って特許出願してもその特許出願は拒絶されてしまうことになります(特許法49条各号、特許法39条、特許法29条、特許法29条の2)
チーたん
あ、だからお金と時間をかけて特許出願手続きをする前に先行する出願や特許登録について調べる必要があるのか
ふっくん
そのとおりです。
チーたん
先行技術はどうやって調査すればいいの?
ふっくん
いくつか方法が考えられます。
まず、最も簡単でお金のかからない方法としては、J-Platpatで調べるという方法があります。
出願番号や公開番号がわかっていれば他者の特許を簡単に閲覧することができます。

でも、関連技術について漏れなく調べるためにはキーワードで検索すべきです。

そして、慣れないうちは適切なキーワードを入力できず、漏れが出てくるので注意が必要です。

次に考えられる方法は、各地にある知的所有権センターや発明協会を利用する方法です。
公的機関ですので無料で協力してもらえますよ。
もちろん特許出願には別に料金がかかるので注意してください。

チーたん
発明学会は民間でしょ?
ふっくん
名称は酷似していますが、発明協会と発明学会は全く別の機関ですよ。気をつけてください・・・

さて、公的機関ではなく、民間の調査機関や特許事務所に依頼して先行技術調査をしてもらうという方法もあります。
料金は安くても数万円から、詳しく調べると数十万円かかる場合もありますが、専門のベテランが調べてくれるので、無料の調査に比べて段違いに良いですよ

チーたん
うちの会社にはそんな余裕ないよ・・・
ふっくん
では、知財担当者であるチーたんが優秀な調査員になってください。
チーたん
^^;
ふっくん
さて、先行技術調査により先行する特許などの不存在が確認できたら早速特許出願です。
特許出願に必要な書類は、「願書」「特許請求の範囲」「明細書」「必要な図面」「要約書」です。

この書類を特許庁へ提出すると、まずは方式審査が行われます。

方式に違反していた場合は特許庁長官から補正命令が来ます(特許法17条3項)。
指定期間内に補正をしなかった場合は手続きが却下されます(特許法18条)。

方式要件を具備していたら出願審査請求(特許法48条の3)を契機として実態調査に移ります。
出願審査請求は高額ですのでよく考えて行ってください。
なお、早く審査をしてほしい時には早期審査制度も利用できます

チーたん
なんだかややこしいね
ふっくん
特許出願自体は方式に則って行えば難しいものではないのですが、特許というものの概要を知らないと取り返しのつかない間違いを犯してしまう可能性があります。
この点、特許出願のプロである弁理士がいる特許事務所に依頼すれば費用はかかりますが自分で出願するよりも強い権利が取れます。もちろん弁理士の能力や特許事務所の方針にもよりますので必ず強くなるとは限りませんが。
チーたん
ふっくんも弁理士だよね?ぼくの代わりに特許出願してよ
ふっくん
う、私は知財の知識はありますが、人間ではなくフクロウなので特許出願の代理は許されないんです・・・(T_T)
チーたん
そんなぁ(笑)
ふっくん
ちなみに、弁理士資格を持たない者による出願代理は非弁行為と呼ばれています。
非弁理士にひっかからないように注意してくださいね
チーたん
じゃあ、知財担当者として自分で特許出願できるように勉強するよ!
ふっくん
特許出願はかなり複雑ですので独学ですときついかもしれません。まずは弁理士の協力を仰ぎながら少しずつレベルアップしていくのが良いでしょう。
出願の仕方やテクニックなら私が無料で教えてあげますよ
チーたん
ふっくんの持っている知識を全部吸収して優秀な知財部員になるよ!
あいぴー
頼りにしとるで、チーたん!
ふっくん
あいぴーも他人任せにしていないで少しは知財の勉強をしてくださいね。
特許出願自体はチーたん任せにしてもかまいませんが、知財戦略を練るのは経営者であるあいぴーの仕事ですからね
あいぴー
チーたんの激励に来たのにふっくんのお説教を食らってもうたわ・・・(-_-;)