特許が登録されるまでには長い時間がかかります。平均して2,3年といったところでしょうか。

これでは、発明を実際に実施している場合に、特許権の恩恵を受けることができません。
審査が早ければ、特許の出願公開(特許法64条)前に拒絶理由通知がくるので、全世界へ向けて出願の明細書が公開されてしまう前に、権利化できないような特許出願は取り下げてしまうという戦略も取れます。したがって、自社の技術を守るためにも、特許係争に巻き込まれないためにも、早期に特許出願を審査してもらうことは非常に重要です。

どうにか早く審査をしてもらえないのでしょうか。

チーたん
特許出願って、審査請求(特許法48条の3)をしなくちゃ審査されないんだよね。

たとえ、審査請求しても、審査には時間かかるから特許が登録されるのって何年もかかるんだよね?

それじゃ困るんだけど・・・。

実際に事業で使っている発明については早期に特許登録してほしいな。

ふっくん
それでは、特許出願の早期審査制度を利用しましょう。

一定の要件がありますが、特許出願を他の特許出願に先行して審査してもらうことができます。


チーたん
早期審査の要件って何?

ふっくん
たとえば、先ほどチーたんが言ったように、実際に発明を実施している場合には要件を満たしています。

他にも、外国へ出願している場合や、中小企業や個人、大学、公的研究機関の出願、環境に優しい「グリーン技術」に関する発明、東日本大震災で被災した企業等の知的財産権(特許・実用新案・意匠・商標)の出願なども要件を満たします。

チーたん
どんな手続きをすればいいの?

ふっくん
審査請求後(特許法48条の3)、または審査請求と同時に早期審査の事情説明書を提出します。

資本金や従業員数が一定の条件を満たす中小企業やベンチャー企業であれば、無条件で請求できます。

たとえば、製造業、建設業、運輸業だったら従業員数 300人以下、

小売業だったら 50人以下

卸売業又はサービス業(ソフトウェア業、情報処理サービス業及び旅館業を除きます。)だったら100人以下

旅館業だったら 200人以下

ゴム製品製造業なら900人以下

で要件を満たせます。


チーたん
うちの会社は超小さいから余裕で満たせるよ!

ふっくん
ちなみに資本金については、
製造業、建設業、運輸業なら3億円以下

小売業又はサービス業なら5千万円以下

卸売業なら 1億円以下

であることが必要です。

詳しくは特許庁ホームページ早期審査についてご覧ください。

チーたん
さっそく早期審査の事情説明書を提出するよ!
ふっくん
オンラインでできますからね(^^)