拒絶査定をされるとショックですよね。でも、拒絶査定を受けたからといって即諦める必要はありません。拒絶査定不服審判を請求すれば、特許査定に持ち込めるかもしれません!
特許登録されたかったのに・・・
拒絶査定不服審判の請求をしましょう。
文字通り拒絶査定に対して不服を言う審判なのかな?
拒絶査定の謄本の送達を受けた日から3か月以内に審判を請求することができます(特許法121条1項)。
拒絶査定不服審判
第百二十一条 拒絶をすべき旨の査定を受けた者は、その査定に不服があるときは、その査定の謄本の送達があつた日から三月以内に拒絶査定不服審判を請求することができる。
なお、拒絶査定には、特許権の存続期間の延長登録出願に対する拒絶査定(特許法67条の3第1項)も含まれます。
どうすればいいの?
原則として書面審理で行われますが、審判長は申し立てにより又は職権で口頭審理を行うことができます(特許法145条2項)。
特許出願人は、審判請求と同時に明細書、特許請求の範囲または図面について補正をすることが出来ます(17条の2第1項4号)。
特許出願人が審判請求時の補正を行うと、特許庁長官は審判に先立ち、審査官に審判請求の当否について再度審査を行わせなければならず、手続きは再度審査段階に付されます(特許法162条)。
これを「審査前置制度」と呼びます。
明細書等の補正がされた場合には、拒絶査定が取り消される可能性が高まっていることから、補正後の出願についてもう一度審査官に審査させることにより、審判に付される事件数を減らし、審判の促進を図ろうとしたものです。
審判請求時の補正があれば、この補正により拒絶査定の理由が解消している可能性があるので、審判官がゼロから検討するよりも、元の審査をした審査官が担当する方が無駄がありません。
ただ、その審査官が転任や退職等により再審査を担当することができないときは別の審査官が担当します。
審査官は審判請求時の補正が適法である場合には補正後の出願について審査します。
そして、補正後の出願について拒絶査定の理由が解消され、かつ、ほかの拒絶理由がないと判断したときには拒絶査定を取り消して特許査定を行い(特許法164条1項)、審判は終了します。
拒絶査定不服審判の審理の目的は、拒絶査定の理由の当否を判断することではなく、当該出願に拒絶理由があるか否かを判断することにあります。
したがって、審判官は拒絶査定の理由が成り立たないと判断した場合でも、直ちに拒絶査定を取り消さず、それ以外の拒絶理由の有無についても審理するのです。
一方、拒絶理由があると判断した場合には補正却下決定を行わずに(特許法164条2項)、その審理の結果を特許庁長官に報告し(特許法163条3項)、当該事件は審判により審査されることになります(特許法137条1項)。
この審査の結果により、上記のような特許査定または特許庁長官への前置報告がされます。