営業秘密は財産的価値のある立派な知的財産です。
財産的価値があるからこそ、外部の人間が社員に近寄り報酬をちらつかせながら秘密を盗み取ろうとします。
また、社長自らが知財の意識を持たずに人に話してしまったためにアイデアを盗まれてしまうということもあります。
情報漏洩を防ぐために手段を講じましょう。
そのような知財をどのように情報漏えいの被害から守っていけばよいかについてご説明いたしましょう。
まず、発明の守り方についてですが、あなたが個人発明家だろうが、会社の社長だろうが、特許出願しないで秘密にしようと決めた発明は、他人には絶対に見せないでください。
アイデアを盗まれて勝手に出願されてしまうかもしれませんからね。
設計データが入ったCADシステムは外部と遮断し、社員のアクセスも制限してください。
具体的にはインターネットに未接続の端末でのみ運用しパスワードをかけてください。
顧客情報や見積書なども立派な知的財産ですので、外部の人間が自由に見られる状態にしておくことは危険です。
金型や図面は自社で管理する(発注元に管理を任せない)のは当然のこと、製品は発注元以外には絶対に見せないでください。
また、海外の工場で大量生産されてはこまるので、国内工場で完全生産するように心がけましょう。
外部から視察依頼が来ることも多いと思いますが、なるべく工場に関係者以外はいれないでください。
社員に対しても秘密保持を徹底し、就業規則に秘密保持の事項を記載してください。社外へのパソコンの持ち出しは禁止したほうがいいでしょう。家族も使うパソコンで業務をさせないのも大切です。
①秘密として管理されていること(秘密管理性)
②生産方法、販売方法、その他の事業活動に有用な技術上または営業上の情報であること(有用性)
③公然と知られていないものであること(非公知性)
この3点を満たしていれば、誰かに営業秘密を盗まれたとしても、損害賠償請求などをすることができます。
ただし、それで得られる金銭など微々たるものですので、盗まれないように管理する方が重要です。
それから、一番恐ろしいのが、人為的なミスで情報を漏えいしてしまうことです。ですから、普段から知財の大切さを社員を始め社長も意識するようにしてください。
スタバでノートPCを広げていたら覗き込まれているかもしれませんよ。