新しいビジネスをゼロから生み出そうとしても、そう簡単には斬新なアイデアは湧いてきません。
ならば、ゼロではなく、一歩進んだところから考え始めればいいのです。

これは、発明の発想法と同じです。しかし、技術を知らない人も利用してビジネスを生み出すことができます。
この「進歩的コピービジネス」を生み出して事業を優位に導きましょう。

あいぴー
ふっくんのおかげでうちの会社も知財を活用できるようになってきたで。

でも、競合がたくさんいるから、常に他社より先へ行ける方法を考えているねん。

ふっくん

新しい技術を生むのと同じように、新しいビジネスを生むことも考えてみてはいかがでしょうか?

新しいビジネスを生み出すときにも発明をするときの発想法が役立ちますよ。

技術の発明に比べ、”新しいビジネス”の垣根は低いので、簡単にアイデアが湧いてきますよ。

あいぴー
どうすればエエの?教えてーな!
ふっくん
他の分野でよく知られた手法を別の分野に応用するんです。
ふっくん
特許法29条2項で”進歩性”の要件が課せられています。

これは、その分野の発明者たちが、既に知られた技術に基づいて簡単に発明できてしまうものには特許を付与しないと定めた規定なのですが、他分野ではよく知られた手法でも、自社が実施している分野に持ってきたら珍しいので進歩性があると認定されることがあります。

この”進歩性”を考慮して、他分野のビジネスを自社の分野に応用してみましょう。

ふっくん
名づけて、「進歩的コピー」ビジネスといいます。

例えば、カミソリの本体を安く売って、カミソリの刃を高く売るジレットのビジネスをコーヒーの分野に持ってきましょう。

すると、エスプレッソマシーンを安く売って、コーヒーカプセルで儲けるネスプレッソのビジネスになります。
プリンタの分野に持ってきたら、プリンタ本体を安く売って替えのインクで儲けるインクジェットプリンタのビジネスモデルになります。

ふっくん
他にも、例えば、金融の世界では当たり前のように行われている裁定取引を知財の世界に持ってきたとしましょう。

すると、NPC(パテントトロール)がやっているような仕事が生まれます。

お金がお金を生む金融取引が嫌いな私は、この知財の活用の仕方はお勧めしませんが。

あいぴー
なるほど!本体を安く売って普及させて消耗品で儲けるパターンは適用しやすいな
ふっくん
でも、すぐに他社が安い代替消耗品をリリースしてくるので、価格競争に巻き込まれますよ。

特許で独占を図ることも考えられますが、独占禁止法に引っかかる可能性もあります

あいぴー
ダメやないの!
ふっくん
だから、一度ビジネスを生み出しても、それに固執しないでどんどん時代や外部環境に合わせて変えて行く必要があります。
競争社会なんですから、未来永劫ずっと安定的に稼げるビジネスなんてありませんよ。
あいぴー
でも、稼げなくなったらまた別の分野のビジネスを真似するだけでエエんやから楽やな
ふっくん
そうです!
いくらでもアイデアは湧いてきますよ。
ふっくん
たとえば、youtubeの「自社はプラットフォームを提供しているだけで、コンテンツは会員に作らせる」というシステムを真似て、自社が別分野でプラットフォームを提供してもいいですね。

iPhoneとアプリ開発者の関係も似ています。

あいぴー
会社のホームページに誰でも書き込み出来る掲示板を設置してみよかな?
ふっくん
そうそう。そうやって応用していくんです。簡単でしょう?

この「進歩的コピービジネス」は知的財産権の侵害になることはまずないので、積極的に使ってくださいね。