商標法を学ぶ上で絶対に外せないのが、商標法第1条の「商標法の目的」です。
基本中の基本だからこそしっかりと学びましょう。

チーたん
さっきインスタグラムを見ていたら、うちの会社の商標「あいぴーセラピー」という言葉を使っている人がいたよ。
あいぴー
あいぴーセラピーを使ってエエのはうちだけや。
「人の商標使うな!」って警告しとき
チーたん
え?そんなことしていいの?
あいぴー
商標法って言葉を守る法律やろ?
だから、同じ言葉を使う人がいたら、「止めろ」って言えるんやで
チーたん
そうなの??
ふっくん
まさか!商標法は「言葉を守る法律」ではありませんよ。
あいぴー
じゃあ、何なん?
ふっくん
商標法で保護するものは、確かに「商標」なのですが、商標法の目的は「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護すること」です。
チーたん
商標法は商標を直接守っているけど、間接的に「商標の使用をする者の業務上の信用」を守っている?
ふっくん
その通り!
ですから、形式的に登録商標・・・同じ言葉を無制限に保護してくれるわけではないのですよ。
あいぴー
じゃあ、「あいぴーセラピー」とつぶやいている人の行為を止めさせることはできへんの?
ふっくん
できませんよ。だって、指定商品に対して使われているわけじゃありませんよね?

商標は商標単独で存在するわけではありません。

「商標」+「指定商品(または指定役務)」で保護されるのです。

商標だけをいくら使っても何にも困りませんよ。

たとえば、指定商品「携帯電話」について「アップル」という商標を使ったら商標権の侵害ですが、好きなジュースの話をしているときに「アップル」と発言するのは当たり前じゃないですか。

チーたん
そういえばそうだね。
ふっくん
造語(作った言葉。もともとある言葉ではない)の場合は気になってしまうと思いますが、使用している相手が同じ指定商品や指定役務で使用していない限り、警告なんてすべきではありません。
チーたん
・・・そうだね。やりすぎだもんね。
あいぴー
うちの商標は造語やで!あいぴーセラピーなんて普通使わんやろ!
チーたん
・・・よく見たらあいぴーセラピーじゃなくて、「おいぴー。カキピー」だった!
ごめーん
あいぴー
どうやったら見間違えんねん!!