憧れている作品があると、意識するにせよ無意識にせよ、その作品からインスピレーションを受けて真似をしてしまうことがあります。

憧れの作品へのオマージュと考えれば、そのような行為は問題ないのですが、模倣の程度によっては著作権の侵害となります。

あいぴー
一つのアニメがヒットすると、似たようなアニメがたくさん作られるから、どれがどれだけ見分けがつかんわ
チーたん
だね。
こっちのアニメの主人公は、見た目が他の人気アニメの女性キャラにそっくりだし、あっちのアニメは主人公の性格や話し方が別のアニメの人気キャラと同じだよ。

真似する方はいいけど、真似される方としては嫌だよね。

知的財産権に基づいて何か言えないのかな?キャラクターだって著作物で保護してほしいよ

ふっくん
判例、学説等でキャラクターの保護はある程度までは可能とされています。

たとえば、キャラクターの名前や姿などをそのままコピーした場合は著作権の侵害になるでしょう。

しかし、そのキャラが持つ特徴を真似た場合は無理です。

たとえば、漫画ではなくてアニメで追加された「はなかっぱ」のキャラクターのガリゾーとアゲルちゃんは何かに似ていると思いませんか?

チーたん
あんぱんマン!
あいぴー
ガリゾーがバイキンマンに、アゲルちゃんがドキンちゃんに似とるな
ふっくん
役柄が同じですよね。では、ドラえもんと妖怪ウオッチはどうですか?
チーたん
じばニャンがドラえもんの立ち位置に似てるし、三人の少年たちと一人の可愛い女の子も同じだね
ふっくん
似ていますよね。

でも、この程度の類似では侵害行為は成立しません。

こんなことまで侵害にしていたら新しい作品は生まれてこなくなってしまいますからね

チーたん
妖怪ウオッチはパロディが酷いけど(笑)
ふっくん
ここではその話は置いといて、キャラクターの保護範囲に話を戻しましょう。

漫画やアニメや小説では、キャラクターが単体で存在するのではなく、設定や背景などが複雑に絡み合って世界観を創造しています。

ですから、設定の一部だけを抜き出して真似をしても著作権侵害に当たる可能性は低いといえます。

あいぴー
依拠して作ったら著作権侵害やろ?
ふっくん
そうですが、すべてを真似したわけではありませんからね。参考にしただけで著作権侵害にされてしまってはたまりません
チーたん
真似された方は何もいえないの?
ふっくん
不法行為として訴えることはできます。

しかし、それで全てが解決するかというとそれもまた微妙です。

むしろ、法律の力を借りて自分の権利を主張するよりも、自由に使わせて自分の名前を売るきっかけ作りにするくらいの気持ちでいたほうがいいでしょう。

それに、視聴者だって馬鹿ではありません。

二番煎じ作品は処せん二番煎じと受け取りますし、本当に素晴らしい作品になっていたら、評価するでしょう。

今はアニメの視聴者のレベルも上がっているので、彼らに自作での宣伝広告をお願いしてもいいですしね

あいぴー
エヴァだってガンダムやそのほかのアニメを参考にしておるけど、全然違う作品に仕上がっているしな。

放映中はそれほど人気なかったのに放映終了後にクチコミで人気が広まって、20年後も人気が衰えへんからなあ。

本当にエエ作品は、視聴者にもわかるってことやな

ふっくん
スターウォーズは黒沢監督の「七人の侍」の西洋SF版と言えるくらいそっくりな作品ですが、上手く仕上がっていますよね。

まあ、ここまで似ていると二次的著作物と言ったほうがいい気がしますが。

チーたん
そのまんま真似はしていないけど、似ている作品を作るのはいいんだね?
ふっくん
そういうことになります。

特許法とは違って、アイデアをもらうことは問題ないので、そのまま真似をしていなければ同じような作品でも著作権法で保護されますよ

チーたん
物語で人に好まれる型って決まっているよね。

だから、古今東西の人気作品を寄せ集めた作品を創れば、「どこかで見たことあるような気がするけど面白い」作品になると思うよ

ふっくん
そのとおり!
独創的な作品は予想外のところから生まれてくるのではなく、基本を守っているなかから生まれてきます。

独創的な作品を創りたい人は、まず基本のデッサンや構成を勉強するといいでしょう。

そして、独創的な作品を創ろうとして、一人書斎にこもって唸っているよりも、絵が得意な人や音楽が得意な人と集まってチームを組んで
アイデアを出し合いながら作品を作ってください。
一人の天才が作ったアニメよりも複数の普通の人の作ったアニメのほうが面白くなりますよ。

ふっくん
今はインターネットを使えば簡単に人と知り合えるのですから、どんどん人と繋がってください。

発明もアニメも漫画も複数の人で協力したほうがクオリティが高くなります。

チーたん
天才漫画家なんて例外的な存在だけど、絵しか描けない人と原作しか作れない人が協力しあえば、人工的な天才作品を作れちゃうわけだね。
ふっくん
そうです。オープンイノベーションの時代に閉じこもっていてはいけません。
他人の良さを認めるのです。そして、自分に足りないところを素直に認め、人に頼るのです。

あいぴー
「俺はいつかやるぜ!」って言っとる起業家志望者とかオタクが気持ち悪いのは、口先だけで何も行動を起こさず他人の力を認めていないからなんやろうな。

チーたん
厳しい言い方だね(^^;)
でも、確かにそうかも。
「自分だけは特別」って思い込んでいて他人の唯一無二性を否定して、自分が王様の幻想の中で生きているのは不健康だよね。

人は社会的な生き物なんだから人と繋がらなきゃ。

ふっくん
日本人はビジネスになると横の繋がりが下手で、組織の下で保護してもらおうという人が多い気がします。
でも、積極的に自分から働きかけ、横のつながりを作り、たくさんの人と協力し合って作品を生み出して欲しいですね。

素晴らしい作品は著作権法の法目的である文化の発展に貢献します。

クリエイターには一心不乱に素晴らしい作品づくりに没頭してほしいです。

そして彼らが安心して作品作りに専念できるように、私はクリエイターが収益をあげられる手伝いをしてあげたいです

あいぴー
創作しているだけで食っていけるなんて最高やな。うちはそんなクリエイターになりたいわ
チーたん
あいぴーは創作より、お金儲けの才能の方があるんじゃないかな~。
創作は他人に任せてあいぴーはパトロンになったら?
あいぴー
たとえ一人でもうちの作品を面白いって言ってくれる人がいたら、その人のために作りたいねん・・・。
まだおらんけど・・・。
チーたん
もしかして、さっきのキツいセリフ、自壊を込めて自分に言ったのかな・・・