たまに、書籍やウェブサイトで「無断転載禁止」という表示を見かけませんか?
しかし、会社や個人の運営しているウェブサイトではそのような記載をする必要はありません。
また、「無断引用禁止」という表現は不適切です。
ここで、しっかり引用と転載の違いについて学びましょう。
面倒だから引用しない方がいいかな?
引用とは「一定要件下、自分の著作物の中に他人の著作物の一部を取り入れること」です。
引用の要件を守れば、著作権者の許諾は必要としません。
一方、転載とは、「他人の著作物をもともと公開されていた場所とは別の場所に公開すること」です。
両者は「他人の著作物を自分の著作物の中に複製して取り込む」という点では共通しています。
しかし、引用は要件を満たせば正当に行えるのに対し、転載は無断で行なえません。
引用の要件を逸脱した範囲で著作物を複製するような行為は無断転載となってしまいます。
①すでに公表された著作物であること。
②引用する「必然性」があること。
③引用部分が明瞭に区分されていること。
④引用部分とそれ以外の部分に「主従関係」があること。
⑤原著者の名誉や声望を害したり、原著者の意図に反した使用をしないこと。
⑥同一性を保持して掲載すること。
⑦出典を明示すること。
だったよね?
先程、私は「引用の要件を逸脱した範囲で著作物を複製するような行為は無断転載となってしまう」と述べましたが、「必要な量」を超えて引用してしまったり、引用したい著作物を独立してそれだけの作品として使用するようなことをした場合、「引用」と認められません。そして、違法な無断転載となり、著作権法第119条以降の罰則に基づいて懲役や罰金に処されることになります。
他人の著作物を「転載」する場合には、引用ではないのですから著作権者から許諾をもらうことを忘れないでください。