たまに、書籍やウェブサイトで「無断転載禁止」という表示を見かけませんか?
しかし、会社や個人の運営しているウェブサイトではそのような記載をする必要はありません。

また、「無断引用禁止」という表現は不適切です。

ここで、しっかり引用と転載の違いについて学びましょう。

チーたん
ねぇ、ブログを読んでいたら面白い記事があったから、ぼくのブログに引用しようと思ったのだけど、「無断引用禁止」って書いてあるんだ。
面倒だから引用しない方がいいかな?

あいぴー
そのブログを書いている人に連絡して許可を得ておけばエエやん

チーたん
だってそんなことするの面倒だよ

ふっくん
では、勝手に引用すればいいでしょう

チーたん
え?そんなことしていいの?

ふっくん
チーたんは、そのブログの運営者と同じように引用と転載の区別がついていないようですね。

引用とは「一定要件下、自分の著作物の中に他人の著作物の一部を取り入れること」です。
引用の要件を守れば、著作権者の許諾は必要としません。

 

一方、転載とは、「他人の著作物をもともと公開されていた場所とは別の場所に公開すること」です。

 

両者は「他人の著作物を自分の著作物の中に複製して取り込む」という点では共通しています。

しかし、引用は要件を満たせば正当に行えるのに対し、転載は無断で行なえません。
引用の要件を逸脱した範囲で著作物を複製するような行為は無断転載となってしまいます。

あいぴー
引用は無断でできるんやから、「無断引用禁止」という表現はおかしいわな

チーたん
えっと、引用の要件って、

①すでに公表された著作物であること。
②引用する「必然性」があること。
③引用部分が明瞭に区分されていること。
④引用部分とそれ以外の部分に「主従関係」があること。
⑤原著者の名誉や声望を害したり、原著者の意図に反した使用をしないこと。
⑥同一性を保持して掲載すること。
⑦出典を明示すること。

だったよね?


ふっくん
そうです。それから、引用する分量は抑える必要があります。いくら必然性があっても、それに必要な量しか引用してはならないのです。

先程、私は「引用の要件を逸脱した範囲で著作物を複製するような行為は無断転載となってしまう」と述べましたが、「必要な量」を超えて引用してしまったり、引用したい著作物を独立してそれだけの作品として使用するようなことをした場合、「引用」と認められません。そして、違法な無断転載となり、著作権法第119条以降の罰則に基づいて懲役や罰金に処されることになります。

チーたん
つまり、「著作物の一部」を複製するだけなら引用の範囲であるのに、「著作物の全部」だったり、「他人の著作物が主で自分の著作物が従」というような場合には引用の範囲を超えてしまい、転載となるということだね

ふっくん
そうです。
他人の著作物を「転載」する場合には、引用ではないのですから著作権者から許諾をもらうことを忘れないでください。

あいぴー
面倒やけどしゃあないな

ふっくん
なお、著作権が譲渡されている場合は、著作者ではなく、著作権者の許諾が必要ですから注意してください。

チーたん
著作権が譲渡されていることを知らずに著作者からだけ許諾を得て安心していたら著作権者から怒られたなんてことにならないかな?

あいぴー
それは怖いな(||゚Д゚)