いわゆるホワイトと呼ばれる優良企業に勤めていらっしゃる方の中にも会社を辞めたいと考えている方々は驚くほど多くいらっしゃいます。
随分昔の話になりますが、私の夫もホワイト企業に勤めており、表面的には楽しそうに働いていました。
しかし、長らく悩んだ末、そのホワイト企業を辞めてしまいました。
そして一年の間、自宅警備員をやっていました(要するに無職)。
夫の無職期間が終わりに近づく頃に私は企業研究を始め、夫はホワイト企業に転職したのですが、結局しばらくの間は以前勤めていた会社と同じような苦しみを味わうことになります。夫の気持ちを理解できず、自分の考える”ホワイト”を押し付けてしまったかと思い自己嫌悪に陥りましたが、今では苦しみを克服しました。ただし、今の状態になるまでに長い時間と多額の金銭を要しています。出来るならば皆さんには同じ苦しみを味わってほしくありません。
さて、私の夫のような人は珍しいように思えますが、実は同じような悩みを抱えた方は意外といらっしゃいます。よくホワイト企業に勤務されている方からご相談をいただくので本当です。
夫と同じように無職期間を経験するのも悪くはないと思いますが、出来るならば履歴書を傷つけたくないという気持ちもあるでしょう。そのため、できるだけ今の会社に留まって考え方を変える方向でお話させてもらっています。
退職と同様に転職をすることも悪くは無いのですが、無闇に転職しても同じことの繰り返しになってしまいます。一度、苦しみの原因を突き止めてみてください。自分では堂々巡りになってしまうので他者の意見をもらえた方が効果的です。上司と話してみるのも良いでしょう。
苦しさが生まれる原因は千差万別ですが、生きることは苦であるという仏教的考えは正しいと思います。
でも、じゃあ苦ならば生きていないほうがいいのかというとそういうわけではありません。
苦しさの中にも幸せを感じたり希望を持つことはできますから。
外から見て幸せそうに生きている人の方が苦しさを抱えていることは多いのではないかなと思います。
たとえば、私は赤ちゃんを連れて歩いているだけで嫌がらせを受けたことが何度もありますが、不満を抱えている人たちは私のように”幸せそうに見える人”はストレス発散の対象にして良いと考えるようです。
でも、そこでやり返したら彼らと同じレベルになってしまいます。悪意を循環させることになってしまいます。
”痛みを自分のところで止める”ことは強い人間にしかできません。
とはいえ、ずっと留めていたら悪意が心の中で爆発して私がやられてしまいますからこういう場所で毒抜きをします(笑)
みんな、ただ幸せに生きたいだけなのにお互い嫌い合っているのってバカバカしいですね。
さて、この記事を書いている今現在、ゴールデンウイーク直後でうつ気味の方が多くいらっしゃるのではないでしょうか。
ニュースを見ていたら線路に人が立ち入って朝から電車が止まっていたようです・・・。
GW後にはサザエさん症候群どころではない苦しさを感じ、「ホワイト企業を辞めたい」という悩みが再燃焼した方もいらっしゃるかと思います。
お悩みをお持ちの方はどうぞご相談ください。気持ちを楽にするお手伝いができるかもしれません。
前置きが長くなりましたが、本題に戻りたいと思います。
ホワイト企業に勤務しているのに、恵まれているはずなのに辞めたくなるのは何故でしょう。
どちらかというと中小企業よりも大企業の方が給与が高く福利厚生も充実しており、残業やパワハラもなくワークライフバランスもとれているのでそれだけで十分に恵まれているように感じます。
しかし、大企業だからといって残業がゼロとは限りません。中小企業と同様にノルマのある営業部もあります。成果が出せないと研究・開発部では精神的に追い詰められた気持ちになります。
部署によっては常に納期に追われることもあります。限られた時間で全ての仕事を納期に間に合わせる必要があると人間は強いストレスを感じます。
特許事務所の仕事や企業知財部なんてその最たるものなのではないでしょうか。
しかし、大企業ではサービス残業をすると怒られるので「生産性」を高めるために時間内に極限まで集中して仕事をすることになります。
また、品質管理のような部署でも多くの人との調整が必要となり対人関係が苦手な人は気苦労が多くなります。結果として慢性的に精神的疲労を抱えることになります。元々コミュニケーションが苦手であまりコミュニケーションが必要ないだろうと思った部署で想像以上に対人ストレスを感じている人は要注意です。
さらに、上司や同僚にブラック企業的な思考の人がいると精神的ストレスは高まります。
ホワイト企業でも自分の部署だけブラック企業化してしまうのです。
(これをゼブラ化というそうです。ホワイトの中に黒の線が混じるのでゼブラです)
真面目な人ほどゼブラ企業の黒の部分でメンタルを疲弊してしまいます。
しかし、ゼブラ企業やホワイト企業の白にいてもやっぱり苦しさを感じる人はいるのです。
たとえば、ぬるすぎてスキルが身につかないという点があげられます。
成長したい人には耐え難いでしょう。
自分の思い描いた理想とのギャップからうつ気味になるパターンもあります。
たとえば、海外で働きたかったのにその希望が通らず日本で悶々としているパターンです。
さらに、周りの人が優秀すぎて自分と比べて落ち込んでしまうということもあるでしょう。
自分より”下”と思われる人を見下すよりは健全ですが、どうしてもかなわない人に対し劣等感を抱いてしまうと苦しいですよね。
そして、真面目な人ほど自分の能力が低いから結果を出せないのだと落ち込んでしまいます。
また、人によっては出来る人の有能な部分に憧れるものの、そのようになりたいと心から思えないこともあるでしょう。
強がりではなくそう思ってしまってもおかしくはありません。
たとえば、あなたの幸せの定義が”心穏やかに暮らすこと”だった場合に有能な人たちの生き方が”たくさん稼いでブランド品を持って良い家に住むこと”だった場合、すごいとは思っても憧れたりしないでしょう。
身近にいる意識の高い人たちがやりがいを感じていることに自分はやりがいを感じることができないことも辛さの原因となります。
そもそも内向的な性格であるため多くの人と関わることにストレスを感じてしまうこともあります。
周りからは恵まれていると思われていても本人が苦しい場合はその苦しさを吐露しても良いのではないかと思います。
身近な人には話しにくいと思われる場合にはどうぞ私にご相談ください。
あなたと同じような悩みをお持ちの方々からご相談を受けてきましたのでお役に立てるかもしれません。