特許事務所で働く場合、妊娠や育児を理由に時短ワークに転向される方々がいらっしゃいます。
男性の育児参加が進められていますが、社会ではまだまだ育休や時短ワークは女性のものという認識があります。
出社が遅くて良いのはメリットですが、退社も早いと他の方々に申し訳ない気がして気をつかってしまう方もいらっしゃるでしょう。
特許事務の場合、派遣社員を雇う特許事務所も多いのですが、バイトとして働いている方々も多くいらっしゃいます。
特に、小さめの事務所の場合バイトには多くのメリットがあります。
①所員が少ないので、その人とたちさえ上手くやれれば人間関係の摩擦が少ない。
②責任が少ない。
③通常のバイトよりも時給が高い。
育児中の方が時給1800円で5時間、週4日勤務した場合、月給14万4千円となります。年収約170万円です。
育児中という大変な期間にこれだけの仕事量でこれだけの収入があるのは中々良いのではないかと思います。
ただし、立場も収入も不安定ですしボーナスもないので、子供を保育園に預けられる場合には正社員になったほうが収入が安定します。
正社員の場合、実務経験にもよりますが、年収400〜450万程度でしょう。残業があると、500万円は余裕で超えてきます。事務員が3人程度の小さな事務所の場合、人手が少ないので残業を断りにくくかなり辛いことになります。(求人募集で年収500〜550万と書いてあっても、みなし残業が含まれている場合があるのでご注意下さい。労働時間を適切に表示しない求人票は違法ですが、そのような求人は未だに存在します)。
バイトの場合、正社員と同じ時間働いても、年収は300万円程度です。
子育てにはお金がかかるのでこの収入だと心もとないでしょう。
そのため、正社員で働いたほうが収入面では楽になります。
しかし、正社員にはしがらみが多いのが問題です。特に一緒に働いている人や所長弁理士と気が合わない場合、精神的なストレスを抱えることとなります。
正社員の方が安定していますし待遇も良いので金銭的にはプラスとなりますが、体調を崩してまでやることはないのではないかとも思います。
多くのストレスは人間関係のトラブルから来ます。人数が少なければ少ないほど、人間関係の摩擦が少ないので安心して働けます。
小さな特許事務所は突然潰れる危険性はありますが、のんびり働けるという大きなメリットがあるので無駄に疲れたくない人にはおすすめです。
ただし、事業が拡大し新しい人が入ってきたタイミングで大きなストレスを感じる危険性はあります。
未来永劫人がこれ以上増えないということは無いので、どこかのタイミングで強いストレスを感じてしまうことはあるのかもしれません。
特許事務の仕事は、期限管理もあり責任が重くストレスを感じやすいので平穏さは普通の仕事以上に重要です。
しかし、平穏を求めているばかりでは収入が増えません。
ワークライフバランスを考え、ある程度のストレスは受け入れて正社員として働くことも好ましいのではないかと思います。
こうしたことを一人で悩んでいても堂々巡りになってしまうと思いますので、相談相手が欲しい場合にはお問い合わせ下さい。