一口に30代の知財業界への転職者といっても、実に様々な人がいます。
したがって、状況に分けて説明してみたいと思います。
1.30代前半知財業界未経験
20代までなら異業種未経験分野への転職も可能ですが、30代になってくると、難しくなってきます。
しかし、不可能ではありません。
もし、将来的に知財分野でスキルをあげていきたいと考えているのなら、思い悩んで年をとってしまう前に知財の世界に骨を埋めるつもりで飛び込んでみましょう。
始めのうちは20代の人たちと同じような年収なので辛いかもしれませんが、数年働けば、年収は飛躍的に伸びていきます。
また、研究開発経験者なら20代の人以上に活躍できます。
なお、弁理士という資格に興味があるのなら、企業知財部ではなく、特許事務所へ行くのが良いでしょう。
弁理士資格を最も活かせるのは特許事務所だからです。
未経験の場合は理系なら35歳までは特許事務所へ入ることも出来るでしょう。
一方、文系の場合は理系の知識があることをアピールしないと転職は困難でしょう。
ただし、意匠・商標弁理士の場合は別です。語学力をアピールしたり素直な性格が認められればすんなり採用されるでしょう。(意匠・商標弁理士は年収が低めです)
2.30代後半知財業界未経験
この場合、転職はかなり絶望的になります。なぜなら、知財業界というものはかなり専門的な知識が必要であり(知的財産高等裁判所という知的財産専門の裁判所の存在が示している通り、知的財産というものはかなり特殊です)、基礎的な力をつけるだけでも数年かかってしまうからです。
30代後半の人で知財業務を行いたい場合は、会社で知的財産部への異動願いを出して、それが受け入れられれば知財部へ行くことも出来るでしょう。
たとえば、今まで研究職をしてきたが、目立った業績もあげられなくて辛い、と考えていらっしゃるなら、知財部へ異動するのもよいかもしれません。
そして、知財部で働きながら弁理士試験の勉強をして弁理士になるというのも一つの手段でしょう。
なお、いくら弁理士資格を持っていても、30代後半の人が未経験の状態で転職して企業の知的財産部へ入るのは困難です。
実務経験があるのなら30代後半でも余裕で特許事務所へいくことはできますが、実務経験がなく、弁理士資格を持っているだけの人は特許事務所でもなかなか雇ってもらえません。
履歴書を何十通送っても返事がなく辛い思いをすることになるので、転職前に戦略を練る必要があります。
必要な場合には我々もご協力いたしますのでお問い合わせ下さい。
3.30代前半知財業界経験者
知財部での知財実務経験者が知財部へ転職するのは容易です。
ある程度待遇や年収に贅沢を言って有利な条件で転職をしましょう。
しかし、特許事務所経験者が企業の知的財産部へ転職するのは少し困難です。
企業で求められている能力は特許事務所のそれとは異なるからです。
したがって、この場合も転職前に戦略を練る必要があります。
4.30代後半知財業界経験者
知財実務経験者ならば企業知財部へ転職するのはそう難しいことではありません。
しかし、この年代になると、企業では個人のスキルよりもどれだけ会社に貢献できるか、どれだけ人材マネジメントができるかというヒューマンスキルの充実が求められてきます。
したがって、慢心せず、転職するときには履歴書の段階からしっかりと転職活動を進めましょう。
特許事務所での経験しか積んでいない人が企業知財部へ転職するのはかなり困難で、年齢的に最後のチャンスといえるでしょう。
自分一人で転職活動していても転職先が見つからない場合には私にご連絡くださっても構いません。
長期戦になるほど不利になるので、もしご相談される場合には早めにご連絡ください。
私が詳しいのは特許事務所への転職なので企業知財についてはあまり役に立てないかもしれませんが、出来る限り手助けしたいと思います。
一方、特許事務所で技術者又は弁理士として経験を積んできた人が別の特許事務所へ転職するということは30代後半でもよく行われていることです。
優れた技術者や弁理士はどこでも欲しがられますからね。
ですから転職は容易です。
もっと詳しい情報がほしい場合にはお問い合わせください。