MRという仕事は、収入も高いがストレスも多い仕事です。
また、転勤も多いため、家族を持っている人には続けるのが難しい職業です。

配偶者も仕事を持っている場合、離れ離れで生活することになったり、子供がいる場合には何度も転校させることになってしまいます。

このように、独身者や無職や場所に縛られない仕事をしている配偶者でない限り、MRという仕事を長く続けるのは困難です。

 

とはいっても、高い収入はやはり魅力的です。

したがって、大手製薬企業勤務のMRは転勤に怯えながらもMRを続けることは良いと思います。

 

問題はジェネリック医薬品の会社や中小製薬会社に勤務しているMRの場合です。

 

給与も待遇も大手製薬会社に比べると低く、また、営業も困難です。

 

営業が困難とはどういうことかというと、ジェネリック医薬品メーカーの場合は、そもそもジェネリック医薬品を嫌う医師も多いことから、営業をしにくいのです。

 

その際に効果的なのが、「うちは○○という有名医薬品を販売しています」という売り文句です。

 

新薬メーカーは、特許が切れた後に、後発薬メーカーへ製造販売権を売却します。

なぜ後発医薬品メーカーは特許切れ医薬品の製造販売権をわざわざ買うのかというと、新薬のブランドを誇示することにより、医師からの信頼を得られるからです。

 

このように、後発医薬品メーカーの営業は新薬メーカーからブランドを買い取る必要があるため、大手製会社に比べると困難です。

 

そして、この困難さに更に拍車をかける動きが出てきました。

 

新薬メーカーが特許切れ医薬品の製造販売権を売ってくれなくなった(&後発医薬品メーカーとしても高いお金を出して特許切れ新薬の製造販売権を買う余裕がなくなってきた)のです。

 

政府の薬価制度の改革で、特許切れ薬の価格がさらに引き下げられることになったので、後発薬メーカーへ売却せず、子会社から特許切れ薬の販売を行う会社もでてきました。

 

たとえば、塩野義製薬がそうです。

 

 

そうなると、ジェネリック医薬品メーカーとしては効果的な営業文句を他に考えなくてはいけなくなりますし、非常に営業がやりにくくなります。

 

また、ライバルは製薬大手の子会社なので、自社製品を使ってもらうことはさらに困難になります。

 

 

そこで考えたいのが、薬剤師資格を活かした異業種への転職です。

 

中小製薬企業やジェネリック医薬品メーカーのMRから大手製薬会社のMRを目指すのも良いのですが、困難です。

 

それよりは、薬剤師という資格を活かして高収入を目指したほうが効果的です。

 

たとえば、薬剤師資格さえあれば全国どこのドラッグストアへも就職できます。

配偶者の転勤に合わせて自分も引っ越しできるのです。

また、別の生き方もあります。

大手製薬会社の知財部員になるのです。
MRとして転職するのではありません。

 

 

今まで知財の仕事なんてしてこなかったという方には知財部という部署は恐怖を感じてしまうかもしれませんが、知財部の仕事は非常に知的で面白いものです。

 

20代なら未経験でも入れますし、30代でも薬剤師資格があれば未経験でも入れます。

 

最初のうちはMR時代に比べ給与は低いのでがっかりするかもしれません。

 

しかし、何年か働いているうちに仕事を覚え、知財に関する資格をとれば給与も上がっていきます。

 

また、知財資格の中で最上位の弁理士資格をとって特許事務所に転職すれば、年収1000万円も可能です。

 

転勤なし&高年収が弁理士の最大の魅力です。

 

もちろんここにくるまでには数年かかりますし、勉強も続けなくてはいけません。

 

しかし、中小製薬会社でずっと同じ薬を売り続けて何の成長もなかったり、ジェネリック医薬品メーカーで薬をどうやって売っていいのかわからずに悶々としているよりは、ずっと知的で楽しい仕事です。

 

薬剤師の方は、ぜひ知的財産部への転職を考えてみてください。

転職エージェントに相談すれば、大手製薬会社の知財部に転職できる確率が飛躍的にアップします。

最近は特許切れ医薬品が続々と出ているため、2020年まで転職ラッシュが続くと思います。

その流れに流されず、ライバルに負けないように早めに転職準備をして転職成功を掴み取ってください。

 

薬剤師資格を持っていなくても知財部へ入りたい!という方は、若くて(30代まで)優秀な人ならば大手製薬会社に転職できる可能性があるので挑戦してみてください。

なお、企業知財部も魅力的ですが、特許事務所も非常に魅力的な業界なので、特許事務所に転職されたい方は、 お問い合わせください。

我々は知財のスペシャリストである弁理士です。嘘のない情報をお知らせすることをモットーとしておりますのでたまにショッキングな話を聞かせてしまうこともありますが、現実的な視点で転職をすることが出来ます。