弁理士を名乗るためには、弁理士試験に合格しただけでは足りません。
研修を受け、登録免許税6万円と50,800円 (登録料35,800円、登録月の会費 15,000円)を支払い、また、会費を継続して払い続けることにより弁理士を名乗り続けることができます(2020年現在)。

 

昔と比べると驚くほど安くなっています!

 

また、弁護士会費と較べてみても安いです。

 

しかし、これを、「弁理士と名乗ることができる看板の料金」と考えたら、それだけの価値は無いかもしれません。

 

弁理士であることの最大の利点は、特許や商標の出願代理をすることが出来るという業務独占が可能という点です。

 

ということは、独立開業した弁理士や特許事務所勤務の弁理士で無い限り、弁理士である必要はありません。
(弁護士に比べ知名度が圧倒的に低いので婚活市場でも人気がありませんし・・・!?)

 

企業知財部員の場合は、弁理士である必要はあまりありません。

 

大企業知財部では弁理士資格保持者がたくさん働いていますが、その全てが弁理士登録しているわけではありません。

 

企業側が弁理士会費を支払ってくれる所もありますが、支払ってくれない場合は、わざわざ弁理士登録をする必要性を感じない人も多いでしょう。

 

そんなわけで、弁理士試験に合格はしたけど未登録という人が企業には多く存在します。

 

更には、弁理士登録はしたものの、弁理士登録を抹消する人も存在します。

 

登録抹消には「死亡抹消」と「申請抹消」の2種類があります。死亡抹消は弁理士本人が亡くなったことを原因とします。

一方、申請抹消はその他の理由により本人が積極的に登録を抹消するものです。

 

たとえば、お年を召された方ではよくこの理由で申請抹消する人がいらっしゃいます。

 

しかし、若くても申請抹消する方たちがいらっしゃいます。

 

たとえば、上述した「知財部員」。

彼ら彼女らは、知財部員である限り弁理士であることの必要性を感じないので、研修にでなければいけない煩わしさを考え、自ら申請抹消してしまいます。

真面目な人には信じられないかもしれませんが、そんな方たちは一定数いらっしゃいます。

 

また、会社によっては弁理士会費を負担してくれない会社もあるので、肩書にこだわらない人は同じように弁理士登録を抹消します。

 

仮に、後に転職することになっても、「弁理士資格保持者」であり「知財部実務経験者」なので転職において不利な扱いを受けることもありません(実際に大企業知財部⇒大企業知財部へ転職成功しています)。

 

一つだけデメリットがあるとすれば、再登録するときに番号がずっと後ろになってしまうということくらいです。

 

しかし、一般の方が見ても番号についてはよくわからないので、「気分的な問題」といえるかもしれません。

そんなわけで、毎年弁理士登録申請抹消者が現れるのです。

 

弁理士資格は昔ほど難しい資格ではなくなっているのに加え、「肩書よりも研修や会費から解放される」ことを重視する人が増えているのも原因なのでしょう。

 

なお、将来的に特許事務所へ転職する予定があるのなら、弁理士登録は抹消せずにいたほうが良いでしょう。

 

特に、「弁理士資格 + 実務経験者」は転職市場において高値が付きます。

 
特許事務所へ転職したいとお考えの場合には、転職を有利にするために弁理士会費は払い続けたほうが良いでしょう。

転職する際には、我々弁理士が情報をお渡しします。
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