特許事務所で弁理士や特許技術者として働いている人の中には、企業の知的財産部へ転職したいと考える人がいます。

その理由としては、たとえば、

明細書を書くという仕事が単調でつまらない

一日中PCとにらめっこをしていて精神的に辛い、

クライアントから詰められてキツイ、

仕事が激務過ぎる(たとえば残業が月に60時間を超えるのが当たり前だったり、休日出勤がある等)

といったネガティブな理由もあるでしょうし、

 

企業で開発部門や営業部門等、様々な部署と連携を取りながら仕事をしたい、

キャリアアップに繋がる仕事をしたい

というポジティブな理由もあるでしょう。

 

基本的に特許事務所では自分の担当した案件とそれがどれだけ売上に貢献したかが分かるので、特許明細書を書く実力のある人には特許事務所は向いています。

そして、年収も特許事務所のほうが多いので、単純に給与のことを考えたら特許事務所の方が良いでしょう。

 

しかし、上述したように仕事内容は単調ですし、激務ですので、その他福利厚生なども考えると大企業知財部(中小企業やベンチャー企業だと特許事務所並の福利厚生しか無い場合もあるでしょう)の方が良いという人も多いのです。

 

私の個人的な意見としては、若いうちには企業の知財部でスキルを磨きながらキャリアを積んだほうが良いと思います。

仕事の幅が広がるからです。

 

しかし、特許事務所から企業知財部への転職は、なかなか成功しないと言われています。

その理由としては、企業で働いた経験が無い人材は扱いにくい、明細書しか書けない人は使いにくいということが原因でしょう。

 

ということは、逆に考えると、過去に企業での勤務経験があったり(特に研究開発職等)、明細書作成以外のスキルに自信がある人は、現在特許事務所に勤務していても、企業知財部へ転職しやすいといえます。

 

特に、若いほど転職には有利です。

年をとればとるほど転職成功率は下がっていくので出来るだけ若いうちに転職活動を始めるのが特許事務所から企業知財部への転職の秘訣でしょう。

特に40代になってしまうと、求人の数がぐっと減ってしまいます。

 

ただでさえ企業知財部への転職は、少ないポジションを多数のライバルたちで奪い合うことになり長引きやすいのですから、30代後半の人は転職活動が長期化することも考慮に入れて積極的に転職活動を行って行きましょう。

 

転職活動を行う際には情報が重要です。

嘘偽りのない情報を持っているのはあなたの身近な人でしょう。ぜひ周りの人に話を聞いてみてください。

周りに企業知財に転職した人がいないというのなら、私へご相談くださっても構いません。

なお、情報を得る方法としては他に「転職エージェントを利用する」という方法もあります。
利用するには注意が必要ですが(望まない企業に押し込められる危険性があるため)、情報を得るためだけに利用するなら良いでしょう。