最近はメディア等の報道の影響もあって、上司が厳しくするとすぐにパワハラだ○○ハラスメントだと騒ぎになります。
中には本当にハラスメントレベルの叱責もありますが、部下が過剰に被害者意識を持っている場合もあります。
しかし、本当に許されないレベルのパワハラが存在することもまた事実です。
では、どうすれば厳しい指導とハラスメントとを見分けることができるでしょうか。
これは、立場によって見え方が変わってしまうので客観的に考えなくてはいけません。
つまり、自分が上司だったら部下の、部下だったら上司の立場に立って考える必要があります。
この「相手の立場に立つ」というのは簡単そうに思えて非常に難しいことです。人は異なる意見を咀嚼するには多くのカロリーを消費するからです(ちょっと違う)。
まずは上司の場合で考えてみましょう。
頭の良い人でも、他人の気持ちを推し量ることを苦手とする人たちがいます。(というか、勉強ができるという意味での頭の良しあしと人格は別物です)
特に年代や性別が異なると、基盤となるものが異なるため、相手の気持ちを慮ることの難易度がグンと上がります。
「自分がされて嫌か」という考え方をしているだけでは通用しないからです。
だって、「自分は怒鳴られても平気」「他者から触られても嫌じゃない」という考え方の上司が「自分はされても嫌じゃないから」と部下に怒鳴ったり部下の体を触ったらハラスメントになりますよね。
したがって、他者との交流には常に神経をすり減らすことになり精神的に疲弊しやすくなります。
傍若無人に振る舞っているとトラブルを引き起こすことになるので、上司はこの精神的摩耗をある程度は受け入れるしかありません。
ただし、芯となるものは持っている必要があります。言うことや態度がブレると不信感を招きます。
「完璧主義な上司の厳しい指導」と「上司の気分で変わるキツイ指導」は全く異なります。
まだ経験が浅い場合、何度も失敗をすることになるでしょう。上司という立場も辛いものです。特に中間管理職なんて気持ちを吐き出す場がありませんよね。ストレスをため込むとどこかで爆発してしまうので、適度に発散してください。人と話すだけでも気持ちが楽になるので話し相手がほしい場合にはお気軽にご相談ください。
(そもそも、他者に自分の言動について相談できるような人はハラスメントの問題を起こしにくく、相談しない人は自分が絶対正しいと信じて疑わないという問題がありますが・・・)
あなたが部下の場合は、極端な考え方に陥らないように注意してください。
「全て上司が悪く自分は全く悪くない」と被害者意識にとらわれることも
「全て自分の能力の無さが招いたこと。頑張らなければいけない」とすべてを自分の責任にしてしまうのもいけません。
前者がいけないのは、解決策が転職だけになってしまうからです。転職先でもまた同じような人間関係に苦しむ危険性はあるのですから、解決策をひねり出す必要があります。
もちろん解決策は簡単には出てこないので、同僚や友人に相談してみてください。それでも良い方法が浮かばないという方は私にご相談ください。
後者がいけないのは、鬱になってしまう危険性があるからです。
責任感が強いことは良いことです。しかし、度が過ぎると自分自身を深く傷つけることになります。
もしあなたがこのタイプの場合、もっと肩の力を抜いていいんだよと自分に優しくしてあげてください。
上司の理不尽な要求に対しては断る勇気も必要です。
このタイプの方は自分さえ我慢すればいい、自分が悪いと考えがちで他者に相談しようとしません。
しかし、早期に相談すれば体を壊す前に気づけます。
周りの人には相談しにくいという場合はどうぞご相談ください。秘密厳守ですからお気軽にどうぞ。
以上、立場によって考え方が異なり、どの立場でもその立場なりの苦しさがあることがわかりました。
ハラスメントに関する悩みは自分だけの考えにとらわれず、他者と話すことが有効です。
家族や友人等様々な人に悩みを小出しに相談していくと、大きな問題に発展することを防げます。