転職を考えるとき、上位にあがってくる理由に「人間関係の悪さ」があります。
多少給与が少なくても、楽しい職場なら転職はそれほど意識しないでしょう。

しかし、毎日顔を合わせる人に意地悪を言われたり上司にキツイことを言われると精神的に参ってしまいます。

すると、隣の芝生は青く見えるため、転職の二文字がちらついてしまうのです。

 

当然ですが、転職するよりも現在の職場で頑張った方が良いといえます。転職した先の人間関係が良い保証なんてどこにもありませんし、知財に関するキャリアを積んで転職市場での自分の価値を上げるべきです。

 

では、現在人間関係で悩んでいる場合、どのようなことに気を付ければいいのでしょうか。
 

1.挨拶をする

たとえ嫌な人にでも挨拶をすべきです。
笑顔で挨拶する人に対し挨拶をしない社会人は存在しません。

相手が無視をしてきても変わらず笑顔で挨拶を続けましょう。
挨拶は「あなたの存在を認めていますよ」という気持ちの現れです。
大人なら気持ちを殺してでも挨拶をしましょう。

こんな簡単なことで驚くほど人間関係が改善します。
(ただしKYにならないように注意。集中しているときに話しかけられたくない人も大勢います。そんな人にあいさつの強要をすることは間違っています。)

2.他人と比較しない

 

人はついつい比較をしてしまう生き物です。同僚より自分の方が給料が少なかったり待遇が悪いと感じると不満を持ちやすくなります。

しかし、それが正当な理由に基づくものなら我慢しなくてはいけないこともあります。

たとえば、同じ弁理士でも特許の明細書を書く弁理士と商標の出願業務を行う弁理士とでは特許事務所に貢献する額が違います。
また、たとえ自分より年齢は若くても経験が長いのならその人が優遇されていても仕方ありません。

ただし、〇〇さんの方が若いとか美人だからという理由であなたよりも〇〇さんを優遇するような所長がいたら単なるセクハラ親父ですので心の中で馬鹿にしてその点に関しては放っておけば良いのです。そういう変な人もいます。
(女性でセクハラ・マタハラ発言をする人もいます)
しかし、どうしても理不尽で我慢ができないくらい酷い差別を行われているならもっと待遇の良い職場への転職を考えても良いでしょう。
ただし、その場合は「自分にどれほどの価値があるのか」ということを自問してみてください。
もし、単に人間関係が嫌で逃げ出したいだけなら転職先で好意的に受け入れられる可能性は低いでしょう。

しかし、たとえばあなたが知的財産管理技能検定試験を受けたり弁理士試験を受けてスキルアップを目指しているのなら、前向きな人だとして評価されます。

「ここを抜け出したい」という気持ちはネガティブではありますが、勉強の際には力を発揮します。

 

3.相手の良いところを探す

良いところのない人は存在しません。どんなに嫌な人にでも一つや2つ良いところはあるものです。
その良いところをきちんと見つけて伝えてあげましょう。

もしどうしても良いところが見つからなかったら悪いところを見つけてください。

その悪いところが良いところなのです。

 

理解できませんか?

 

実は悪いところも良いところも表裏一体です。

主観が混じっているために悪いことにしか見えないだけで、実は相手の嫌な部分は相手の良いところなのです。
それが、自分にとっては「悪」になってしまうためによく見えないだけです。

 

たとえばいちいち小言を言う口うるさい人は、見方を変えれば親切な人です。
ですから、慇懃無礼にならないように注意をしながら「ご指摘いただきありがとうございました」とお礼を言いましょう。
心の底からそう言うことができれば、あなたの人間性もアップします。

人生何事も修行です。
今まで一番の敵だと思っていた人が実は自分の強力な味方だったなんてことはいくらでも起こりうるのです。

 

嫌いな人のおかげであなたは成長できるのです。
打たれ強くなりますよ。
私も嫌な人(だと思っていた人)のおかげで人間的に成長できたと感じています。

 

4.誰かに相談する

会社の同僚でも良いですし、家族や友人でも良いでしょう。誰かに悩みを打ち明けるだけでも楽になります。
悩みを相談することに抵抗のある人もいるかもしれませんが、悩みを相談される方は意外と喜んでいるものですよ。
私は弁理士試験の受験生から悩みを相談されることがありますが、迷惑どころか頼りにされて嬉しいと感じています。

なお、「上司(弁理士)がバカ過ぎて嫌になる」という相談を受けたこともありますが、話を聞いてみて感じたのは、その上司はバカではなく、法律の勉強をしていない怠け者なだけだと思います。

弁理士試験と弁理士実務は乖離していることから、弁理士試験合格後に法律を忘れてしまうのはある程度は仕方がないと思います。
優秀な実務家とよく法律について知っている人はイコールではありません。

実務では法律についてよく知っている人よりも良い明細書を書ける人の方が優遇されます(企業では明細書作成能力だけではありません)

ただし、法改正についてある程度は勉強しておくべきですね。また、新しい判例についても目を通しておくべきです。部下に馬鹿にされるだけではなく、とんでもない失態を犯してしまう可能性がありますから・・・。
(未だにシフト補正や新しい分割出願制度について知らないと特許出願の際に困ってしまいます。また、最高裁判例については絶対に読んでおいた方が良いです。ほんのちょっとした拍子に不勉強がバレます)

 

以上4つの方法を試しても上手くいかなくてどうしても転職したいと考えた場合には、それもありかもしれません。

でも、人間関係での悩みはどこにいってもつきまとうものです。そのことをしっかりと認識してから転職活動を行ってください。
最悪なのは、転職先でもまた人間関係に悩まされ、すぐに転職してしまいたくなってしまうことです。
これだけは絶対に避けなければいけません。

ですから、出来る限り上記4つの方法を使い、今の場所で働き続けるようにしてください。

 

ただし、あなたの悩みが人間関係だけでなく、年俸や地理的な場所など別の問題も含んでいる場合は、積極的に転職を考えるのも良いでしょう。

高い年俸を求めて転職するのは悪いことではありません。
むしろ、自分に自信があることの証明ですから実力主義の知財界では望ましいものでしょう。

 

この場合は、客観的に自分の市場価値を評価するためにも目の肥えた人に評価してもらいましょう。
たくさんの人たちを見てきた転職エージェントにお願いするのが良いでしょう。

ただ、転職エージェントだと彼らに都合の良い特許事務所に転職を強要させられることがあるので、お問い合わせいただければ、私たちがご協力します。
たくさんの弁理士や特許技術者たちを見てきたので、過大評価も過小評価もせず、客観的にあなたを評価することができます。