特許翻訳に限らず、翻訳をするときには、直訳や意訳をすることがあります。直訳は機械でもできる簡単な翻訳なので、特許翻訳者としては上手く意訳できるスキルを身につけたいところです。
たとえば、drop one’s eyesというイディオムがあります。
もちろん視線を落とす、目を伏せるという意味です。
ところが、機械に翻訳させると「目を落とす」とそのまま訳してしまいます。
これくらいならまだ通じますが、
小説の中で「holy cow! 」というセリフが出てきた場合に「聖なる牛だ!」と訳してしまったら全く意味がわからなくなってしまいます。
この場合は「なんてことだ!」と意訳しなくてはいけません。
そんな簡単なこと、知ってるよという声が聞こえてきそうですが、特許翻訳を始めたばかりの人は意外と「直訳」や「日本語英語」をしてしまいやすいので気をつけてください。
以下に間違いやすい翻訳例をあげてみます。
ゴム → gum (正しくは、rubber)
超音波→ supersonic (正しくは、ultrasonic)
硬くなる → harden (正しくは、cure)
車のハンドル → handle (正しくは、steering wheel)
どうでしょうか。ゴムをついgumと約してしまったり「硬化」は「hardening」だと思い込んでいたり(私です^^;)・・・していませんか?
翻訳ではありませんが、スペルミスも起こしやすいですね。
algorithm を algorism とスペルしてしまったり・・・。
気をつけたいところです。
なお、明細書の中に誤記を見つけてしまった場合、基本的にはその通りに翻訳する必要があります。
特許翻訳者としては悩むところですが。
こういうときは、印をつけておいて、依頼人に誤記があった旨伝えるべきです。
出願のタイミングにもよるのですが、誤記を訂正して翻訳した場合、特許庁にその翻訳を認めて貰えないこともあります。
原文の範囲を逸脱した範囲にまで特許を与えるのは特許庁の望むことではないからです。
ただ、こういうことは仕事をしながらノウハウとして身につけていったほうが良いと思います。
翻訳学校ではこうしたことは学べないので、生きた特許翻訳を学ぶためにも、未経験でも臆せず、特許事務所に飛び込んでみると、短期間で素晴らしい特許翻訳者になれるでしょう。
もしあなたが特許翻訳者になりたいと思いながらも一歩を踏み出せないでいる場合は、思い立った今がチャンスです。ぜひ特許業界に踏み込んでください。
かなり実践的な英語を学ぶことが出来ますよ!
なお、特許翻訳のスキルを活かし高年収を得るには特許事務所への転職を考えている方もいらっしゃるでしょう。
必要な場合には情報をお渡ししますのでお問い合わせください。