通常、転職の目的は年収アップですから、より高い年収を提示してくれる特許事務所へ転職するというのは理にかなっているように思えます。
ところが、転職先に求めることは「年収の高低」だけではないはずです。
人間関係、待遇、裁量、自由、残業時間・・・
様々な要素が複雑に絡み合っているはずです。
上記の問題を一気に全部解決する方法があります。
独立です。
会社員ではできない弁理士ならではの方法です。
上から命じられた仕事を機械的にこなすだけではなく、自分の好きなペースで好きな量の仕事をする。
一国一城の王になって全てを自分の思うがままにできる。
この自由さがたまらない魅力だと思います。
しかし、ほどほどに仕事をしてほどほどに稼ぐという気持ちでやっていれば楽しいのですが、仕事量と収入のバランスをとるのがなかなか難しいのが独立です。
特に特許事務等、人を雇ってしまった場合には従業員の生活についても責任を持つ必要があります。
そのため、気楽さでいえば、従業員という立場である方が上だと思います。
さて、自由や裁量を好む弁理士は、自由な空気の特許事務所で働くべきです。
ところが往々にして自由な特許事務所は年収が低いことがあります。
支配されているが収入が安定しているアソシエイト弁理士として生きるか、自由だが収入の不安定な弁理士として生きるか・・・。
大体はこの2つの間で心が揺れ動くと思います。
しかし、良いところだけを採るという欲張りな方法をとることも出来ます。
すなわち、「基本給は低く抑えたまま、売り上げだけではなく他の事柄も評価してもらう」という働き方をするのです。
高い年収をもらって明細書作成マシーンになるよりは、売り上げ以外も評価してもらって将来の独立に備えたいという人はあまり高年俸で転職しない方が良いでしょう。
転職時に見極めることは、決して表面上の年収の高さではありません。
適切な評価制度や所長の誠実さ、個人を尊重する雰囲気といったものが重要です。
こうしたことが満たされた特許事務所でなら、基本給は低くてもプラスの報酬のおかげで年収の合計は上がります。
ストレスや残業時間は減ったのに年収アップが実現できるのです。
もしこうした転職をしたいとお考えの場合には、キャリアの棚卸や職務経歴書の作成等でお手伝いいたしますのでお問い合わせください。