書類選考に通ったら、いよいよ面接です。

しかし、面接で落ちてしまったらまた書類からやり直し・・・

辛い転職活動に早めに終止符を打つためにも、ここで最後!というくらい気合を入れて面接を受けましょう。

 

面接の際に重要なのは、「第一印象」です。
面接の合否は面接を受ける前から決まっているといっても過言ではありません。

 

清潔感を感じさせる服装、感じの良い笑顔、ハキハキとした受け答えは必須です。

 

知財部を受けるのなら、面接を受ける直前に誰もいない場所で、「アイピー」と唱えてみましょう(言うまでもないことですが、アイピーはIntellectual Property(知財)のことです)。最後の「ピー」のところで5秒間顔を笑顔にしておきます。

「ハッピー」と言うのも良いでしょう。

写真を撮るときにはよく、「チーズ」と言いますが、チーズと言うと口がすぼんでしまうので(実際にやってみるとわかると思います)最後が「い」行で終わる言葉にしてください。

 

この数秒の下準備で内定を貰えるなら安いものです。

 

なお、企業知財部に比べ、特許事務所では、面接まで行って落ちるということはあまりありません。特許事務所では笑顔を見せない人でも受かることはよくあります。特許事務所の場合は履歴書や職務経歴書に力を入れれば大丈夫でしょう。

 

では、面接でよく聞かれる質問と答え方を挙げていきたいと思います。
面接ではある程度聞かれることが決まっています。予想外の質問をしてくる場合もありますが、慌てずに答えれば大丈夫です。

 

以下はどこでも聞かれる質問です。

 

・あなたについて教えてください。

自己PRの良い機会です。人からどう思われているかなどもエピソードを添えて伝えると良いでしょう。

 

・あなたの長所はなんですか

自己分析をして自分の強みを見つけておきましょう。

 

・あなたの短所はなんですか

短所は言い方によっては長所に結びつけることができます。たとえば、「せっかちです」と短所をあげたとします。でも、それに続いて「やろうと決めたらすぐにしなくては済まない性格なのです。と伝えれば行動力のある人と見てもらえるでしょう。

このように、短所が短所に聞こえないように上手い言い方をしましょう。

また、短所をなくすために努力していることも伝えましょう。

 

「私はせっかちなのですが、人からはよく、仕事が早いといわれます」というように、客観的に他者から見た自分の評価を伝えるのも良いでしょう。

 

・なぜ当社で知財の仕事をしたいのですか?

企業には様々な職種があるにも関わらずあなたがマイナーな知財の仕事を望むのはなぜでしょう。そして、同業他社がある中で、なぜその会社の知財部なのでしょうか。
採用担当者はあなたの志望動機を気にしています。

 

もし、答えが「流行りだから」だとか「知財部ならどこでもいい」だったら確実に落ちますが、納得できる答えなら次の質問にも力が入るというものです。

 

なお、過去に特許事務所で弁理士として働いてきた人はこの質問に対する答えには気をつけてください。
「過去のスキルが役に立つと思ったからです」と答えてしまうと、知財部の仕事との違いを理解していないととられてしまうでしょう。

 

特許事務所経験者の弁理士は扱いにくい存在であることから企業知財部では敬遠されてしまうこともよくあります。

特許事務所勤務の弁理士が知財部の面接を受けるときは通常以上に答え方には気をつけましょう。自分だけでは良い返答を思いつかない場合にはご相談に乗ります。

 

・どのようなキャリアプランを描いていますか

キャリアプランを持っていない人は嫌なことがあるとまた転職してしまいます。ですから、キャリアプランを持たない人は採用してもらえません。また、キャリアプランを持っていたとしても、その企業で実現できないキャリアプランを持っていた場合もまた、「当社には合わない」として採用してもらえません。
自分の壮大な夢を語ってしまうのもNGです。

応募企業の求めている人材像にマッチしたキャリアプランをあげましょう。

 

例:研究職を続けてきた中で培ってきた発明者としての目線及び短期留学時に身につけた英語力を知財部での仕事に活かしたいと思っております。

 

失敗例:ゆくゆくは特許事務所を開業し、若手カリスマ経営者として雑誌の特集記事を組まれるような存在になりたいと思います!そのためにも、まずは将来のお客様となる知財部の気持ちを理解するために知財部での経験を積みたいと思いました。
(←知財部ならどこでもいいじゃないか、と思われてしまいます。それから、自信過剰ですw)

 

・あなたを採用した場合、弊社にどのようなメリットがありますか。

中途採用では、即戦力となる人材を求めています。

企業側はこの質問をすることにより、貴方が自分の強みと会社の求める人材がマッチしているか理解した上で応募しているかどうかを見極めることができます。ここでトンチンカンな答えをしてしまうと、非常にマイナスの印象を与えてしまうので、必ず面接の前に自分目線ではなく、企業目線で考えて答えを出しておきましょう。

なお、就活時には有効だった「情熱」をアピールしても転職時には響かないことが多いので注意が必要です。

失敗例:御社の製品に昔から憧れを抱いておりました。力不足ではありますが、人一倍愛情をもっております。このような製品の特許化に尽力したいと思っております!(←情熱は感じられますが、いくら情熱があっても、実務面での貢献は期待できないので採用されません)

 

・○○という判例についてどう思いますか。

判例の理解について問われる可能性もあります。特にその年や前年に最高裁の判例が出ていた場合には要注意です。
知財部員だけでなく、知財部員を目指す研究者も注意しておいてください。
最近では(この記事を書いているのは2018年1月です)、プロダクトバイプロセスクレーム均等論について聞かれる可能性があります。
全くわからないという方は、私のサイトやブログで簡潔にまとめていますので、重要部分だけを覚えておいてください。
一言やふたこと答えられる程度で十分です。
全く知らないという状態からほんのちょっと知っているという程度の知識を示せれば合格です。

 

・最近気になったニュースはありますか

これに対し、芸能人の不倫問題など、どうでも良いニュースの話題をあげてはいけません。
わざわざ面接のときに聞くのですから、業務に関係するニュースについて触れましょう。

特に知財ニュースについて触れられると良いですね。

2017年度ではPPAPの商標出願が話題になりましたが、こんな大衆的なニュースを取り上げても許されるでしょう。

ただ、できれば、もう少し”おかたい”ニュースにも触れておくと良いでしょう。
特許権侵害だとかオープンイノベーションだとか商標権侵害だとかなんでも構いません。

 

なお、私のブログでは知財ニュースについて独自の見解を述べているので、面接直前には私の見解を”パクって”述べても良いですよ(笑)

普通のニュースサイトだと概要しか載っておらず、難しい記事は難しいままにしてありますが、私は誰にでもわかるように簡単に書き換えていますから、短時間で効率よくニュースを学べるでしょう。

 

 

[過去に研究職についていた場合]
・今まで研究したことについて説明してください。

面接をしている人がその技術について知らない場合もあるので、そんな人にも伝わるように専門用語を使わず、簡単な言葉で説明してください。
技術面接ならば、担当者もある程度は理解してくれるでしょうが、分野が違う場合には伝わらないので、誰にでもわかる言葉で説明する必要があります。

 

・研究で行き詰ったときにはどうしましたか。

困難な状況を突破する力などについて聞きたいのでしょう。素直に答えてしまえば良いと思います。

 

[既に弁理士資格を持っている場合]

・なぜ弁理士になろうと思ったのですか。
・将来的にどんな弁理士になりたいですか。

 

これについては人によって異なるでしょうからこれも素直に答えてしまえばよいと思います。

 

 

面接も場数をこなせば慣れて緊張しなくなってくるでしょう。
必要以上に緊張せず、面接を楽しんでください!

なお、実際に面接に成功した人や現役企業知財部員の採用担当者から直接面接指導を受けたい方はお問い合わせください。
彼らから体験談を聞いたり、模擬面接をしてもらってください(^^)
企業知財部についての雑談も出来ますし、楽しいですよ!