元々憧れだったはずの知財業界で転職をしたものの、転職後になって、「失敗だった・・・」と後悔してしまう人がいます。
特に、メディアの影響で一見華やかに見えるものの、実は非常に地味な知財業界にショックを受ける人も少なくありません。
また、転職をする度に失敗だと感じ、転職を短期間で繰り返してしまう人がいます。
家族の転勤や結婚・出産など、一度退職せざるを得ない場合はあります。
しかし、そうした理由ではなく、年収や待遇、人間関係(イジメやパワハラによるうつ)など他の要因が原因で、わずか一ヶ月〜1年で転職してしまいたくなるのです。
書きたくなくても転職履歴は必ず履歴書に記載しなければいけません。
しかし、短期間での転職経験が二度以上あるような履歴書は、人事採用担当者の目から見たら不安になってしまうため、転職において不利になります。
人によっては転職履歴を見ただけで書類審査で落とす経営者や人事採用担当者もいます。
どれだけ高学歴で高いスキルを持っていたとしてもです。
退職理由がハッキリ書かれていなかったとしても、「人間関係で嫌になって辞めたのだろう」「待遇の悪さにすぐ不満を言う人間なのだろう」と勝手に悪い想像をするのです。
厄介な人材は雇いたくないというのが経営者の本音です。
ですから、このような偏見を避け、良い待遇での転職を成功させるためにも、3年以内の転職を繰り返すことは避けるべきです。
そこで、知財業界において転職の失敗をする人の特徴と、転職の失敗を避けるための解決策についてご説明したいと思います。
知財転職に失敗する人の特徴
1.自分の非を認めない
知財転職に失敗する人は、自分の非を簡単には認めようとしません。
すなわち、何か問題が起こったら、その問題の原因は自分ではなく、他者など外部要因にあると決めつけるのです。
たとえば、仕事内容や量が想像と違っていた場合には、「求人情報に書いてあったことと違う。騙された!」というように考えます。
求人詐欺をする相手に対して怒りを感じるのは、もっともです。
しかし、過酷な仕事なのにそうではないように見せかけたり、人間関係がギスギスしているのに求人欄で「静かで働きやすい職場です」と書くことはよくあることです。
転職前にしっかりとその職場についてリサーチしておかなければいけなかったのに自分の調査不足を棚に上げて求人票の嘘を責め立てても後の祭りです。
「リサーチ不足」は自分の責任であり、転職失敗の原因は自分にあるのです。
こう考えることにより、「次は転職前に企業や特許事務所のリサーチをしっかりと行おう」と過去の失敗を自分の糧にすることができます。
もし、ここで転職の失敗を外部要因にあると考えてしまうと、また同じ「リサーチ不足」というつまらない理由で転職に失敗してしまいます。
厳しいようですが、どんなに他人のせいに見える悪いことでも、「自分に責任がある」と考えることによって、状況をコントロールする力を持つことができます。
そして、それが問題解決に繋がるのです。
新卒の頃とは違って、転職者に求められるのは「大人」です。
子供は自分のことだけを考えていれば済みます。
しかし、親は子供の過ちまで自分の責任として背負い込まなければいけません。
このように、一見理不尽に見える「他者の責任を被る」ことで人は大きく成長します。
「求人詐欺」は、する方が悪いのは当然です。
しかし、詐欺をした人に100%の責任を押し付けるのではなく、その責任を自分が被ることにより、人は成長します。
もう同じような詐欺にあることはなくなりますし、前向きになります。
特許出願する前に発明を公開してしまったら特許を取れなくなる可能性が高くなってしまうのに、それを知らずに発明を公開してしまった場合、その責任は「特許法の無知により発明を公開してしまった発明者」にあります。
「知らなかった」から許されるわけではありません。
同じように、「求人票にはうそや誇張が混じっている確率が高いのに最初から求人にかかれていることを信じ込んで騙された」責任は自分にあります。
このように、「問題の原因は自分にある」と考えることにより、転職以外の問題解決策が見つかる可能性があります。
くれぐれも、前の職場に戻ればいい、などと軽い気持ちで転職しないようにしてください。
(ただし、入所前にすべての人間関係まで分かるはずがありませんから入ってから想像と違っていたことの責任をすべて自分のものだと考えるのも行き過ぎです。気持ち的にはそれくらい責任をもつつもりでいればよいのですが、未来を見通せる人間なんていませんから。
なお、転職エージェントを利用すると悪徳特許事務所を「良い事務所です」と紹介される可能性が高いのでご注意下さい。
彼らは自分の発言に責任を持ちません。
本当に良い特許事務所に転職したいなら発言に責任を持つ人にお願いすべきです。転職エージェントのビジネスモデルを知らずに騙された責任の1割くらいは転職者にあるでしょう)
2.行動が遅い
1で書いたことと矛盾するようですが、自分にはほとんど責任がないこともあります。
たとえば、セクハラやパワハラなどがそうです。
セクハラやパワハラを受けたときには、「自分が弱いから悪い」「自分が女だから悪い」というように自分を責めてはいけません。
そうではなく、「この状態を放置してはいけない。放置してしまっている点については自分に責任がある。何とかして解決しなくてはいけない」
と考えて状況を打破する方法を考えます。
この問題を解決するのは簡単なことではありません。
問題を解決するために何らかの手段を取ろうとすると職場に居づらくなるということもあるでしょう。
それなら、逃げてしまえばよいのです。
転職してもいいし、とりあえず辞めても良いでしょう。
潰される前に職場に行かないという決断をすることは表面的には逃げですが理不尽なことから身を守るという意味では大事なことです。
どんなに自分に状況をコントロールする力があると考えたところで、運が悪ければ過酷な状況に置かれる可能性は大いにあります。
そのような場合に無理をして「最低限3年は働こう・・・」と考えて精神的に病んでしまうよりも、「転職をしてしまったほうが良い」と今の職場に見切りを付けることも主体的な生き方です。
もしここで無理をしてしまうと、精神的に極限まで追い詰められてから退職・転職をすることになります。
すると、病気療養のため、通院したり、職務経歴書に空白期間が生じてしまいます。
そして、転職時において非常に不利となります。
セクハラやパワハラはする方が悪いのですが、受けたほうが治療をしていると、それだけで「弱い人間だ」というレッテルを貼られてしまいます。
そして、職務経歴書の空白期間はずっと残ります。
したがって、ここまで追い詰められる前に、被害が少ない段階で転職をするなり問題を解決する方法を考えなくてはいけません。
ノロノロしていると、通常に働ける精神状態ではなくなってしまい、結果として短期間のうちに転職を繰り返すことになってしまいます。
追い詰められる前に早め早めに行動を起こしましょう。
3.相談できる相手がいない
転職に失敗する人は、1で述べたように「起こったことを自分以外の外部要因のせいにする」人だったり、2で述べたように「行動が遅い」人であることが多いといえます。
しかし、1や2のタイプの場合だったとしても、相談者がいれば、行動を変えることができます。
といっても、こういったことは仲の良い人にこそ相談しにくいことかもしれません。
ならば、元々の知り合いではない人で、かつ、同じような相談を受けてきた人に相談すればよいのです。
たとえば、転職先企業や特許事務所の人間関係や待遇については、自分では調べられませんが他の従業員の人に聞けば分かります。
これにより、「求人に書いてあったことと違う」ということは避けられます。
ただ、従業員の人と話す機会なんてあまり無いかもしれません。
そこで、特許事務所の従業員の方を含め長年相談に乗ってきた私にご相談ください。
セクハラやパワハラの相談の他にも人間関係の愚痴なども色々聞いてきたのでリアルな情報をお渡し出来ます。
どんなに給与が良くても人間関係の悪い特許事務所で働き続けることは精神的な負担となるだけです。
男性の方は特に人に相談することを恥ずかしいと考える人が多いようですが、男性の自殺率の高さはこの「相談できない」ということにもあると思います。
相談することは決して恥ずかしいことではなく逆に前向きな行動です。
気兼ねすることなくお問い合わせ下さい。