昔は病名がついておらず、単純に「変わった人」とされていた人たちが、医学の進歩により診断名を与えられ、時間はかかりますが投薬等により治療出来るようになってきました。

たとえば、発達障害の人たちなんて全く珍しくないでしょう。

ただ、子供のときにはそのように診断されておらず、大人になってから発達障害ですね、なんて言われて困っている方は多いようです。
また、周りも専門家ではないのでどのように対処すれば良いのかわかっていません。
そのため、トラブルとなることがあります。

 

最も他人に迷惑をかけ組織の雰囲気を悪くする人は、「自己愛性人格障害(自己愛性パーソナリティ障害)」の人です。
ASDやADSDの人たちはご本人たちが生きづらいだけでなく周りへ迷惑をかけてしまうこともあると言われていますが、自己愛性人格障害の人たちが周りにかける迷惑は度を超えています。

 

ここで、自己愛性人格障害の人の特徴をあげてみます。

Andrew Skodol , MD, University of Arizona College of Medicine
自己愛性パーソナリティ障害は、優越感(誇大性)、賞賛への欲求、および共感性のなさの広汎なパターンを特徴とします。

自己愛性パーソナリティ障害の患者は、自分の価値を過大評価(誇大性と呼ばれる)しています。また患者は自尊心に問題を抱えています。優越感や自尊心を高めるために、患者は以下のことをします。

特別な人物と関わる
優れた機関との関わりをもつ
他者を低く評価する
賞賛されることを望む。

自己愛性パーソナリティ障害は一般の人の最大6%にみられます。男性により多くみられます。

症状
誇大性
自己愛性パーソナリティ障害の患者は自分の能力を過大評価し、自分の業績を誇張します(誇大性と呼ばれます)。自分が他者より優れている、独特である、または特別であると考えています。患者が自分の価値や業績について過大評価する際、しばしば他者の価値や業績の過小評価も行います。

特別であるという空想
患者は大きな業績という空想にとらわれています。自分が、普通の人とではなく、自分と同様に特別で才能のある人とのみ関わるべきであると考えています。患者はこのような並はずれた人々との付き合いを、自尊心を支え、高めるために利用します。

賞賛を受ける必要性
自己愛性パーソナリティ障害の患者は過度の賞賛を受ける必要があるため、患者の自尊心は他者からよく思われることに依存しています。このため、患者の自尊心は通常は非常に壊れやすいものです。患者はしばしば他者が自分のことをどのように考えているかを注視しており、自分がどれだけうまくやっているかを吟味しています。

自己愛性パーソナリティ障害の患者は、他者による批判、また恥辱感や敗北感を味わう失敗に敏感であり、これらを気にしています。怒りや軽蔑をもって反応したり、荒々しく反撃したりすることがあります。または、自尊心を守るために、引きこもったり、表向きはその状況を受け入れたりすることもあります。患者は失敗する可能性のある状況を避けることがあります。

 

これを読んで、「ああ、職場のあの人だ!」とお思いになったかもしれません。それくらいありふれた病気です。
しかし、人格障害であると本人が認識していることは少ないでしょうし、採用面接の場でそれがわかることも少ないでしょう。
なぜなら、自己愛性パーソナリティ障害の人は自分を実力以上に良く見せることが得意だからです。
そのため、普通の人に擬態して様々な組織の中に紛れ込んでいます。(なお、面接官が自己愛性パーソナリティ障害の人だった場合、応募者がそれを見抜くことは難しいでしょう。ただの魅力的な人としか写らないはずです)

 

もちろん、自分の重要性や才能について、根拠のない感覚を抱き、自分の業績、影響力、権力、知能という空想にとらわれているだけなら問題ありません。

しかし、それを外に出してしまうので対人トラブルが発生します。

自己愛性人格障害の人は、自分が特別かつ独特であり、最も優れた人々とのみ付き合うべきであると信じているため「優れていない」と判断した人や立場が下の人(新人など)に対しては厳しく当たります。
傲慢であり、他者が自分に嫉妬していると信じこんでいます。

他者から批判的なことを言われても、「自分に嫉妬しているからだ」と都合よく解釈します。
無条件に賞賛されたいという欲求をもっているため、自分を褒める人を必要としますが、自分に対して本当のことを言ってくる人に対してはありえないほど激しい怒りをぶつけます。物を壊したり大きな声で怒鳴るというのは自己愛性人格障害の人が怒ったときに顕著に見られる傾向です。

会話の中に医者や弁護士の知人の話がよく出てくることも特徴です。自己重要感を高めるために、彼らにとってはそのような地位の人と知り合いであることが何より大事なのです。

 

ただし、上の立場の人に対しては従順です。ゴマをすり甘えます。

一方、同じ立場の人に対しては横柄です。同僚で同じ立場のはずなのに謎の上から目線で「○○君、これ、コピーしておいてくれないかな」と命じたり、重要者ぶります。

このように、同僚から疎んじられているのにそれに気づいていないので、組織内の空気を非常に悪くします。

このような人が重要なポストについてしまうと、高確率でパワハラ上司になるため、組織は崩壊します。

 

以上のように、自己愛性パーソナリティ障害の人と付き合っていてもメリットはありません。一方、付き合っているとデメリットはたくさんあります。
たとえば、好かれているうちは良いのですが何かをきっかけに敵認定されてしまうと、悪口を言いふらされたりします。
それが同じ職場内だと悲惨です。同僚の佐藤さんのことはなんとも思っていないのに、「○○さんが佐藤さんの悪口を言っていた」と妄想でうわさ話を流されます。それを聞いた佐藤さんはたとえその人の作り話でもあなたに対し悪いイメージを持ってしまいます。

なお、この手の人は、「鈴木さんがあなたのことを使えないって言っていましたよ。私はそうは思いませんが。鈴木さんって酷いですね」というように、他者同士の仲が悪くなるようなことを好んで言います。
この例は上の佐藤さんの例とちょうど真逆ですね。あなたが悪者にされているのではなく、今度は逆です。

鈴木さんはあなたのことを使えないとは言っていません。そうではなく、この自己愛性パーソナリティ障害の人が自分の考えを鈴木さんに押し付けているだけです。実際は、鈴木さんはあなたに対しなんとも思っていないのに、あなたの鈴木さんへの印象が悪くなるように操作します。そして、自分の考えをあなたに伝えます。
ここで知っておきたいのは、「○○さんがあなたのこと××って言っていたよ」と伝えてくる人がいた場合は、高確率で××と考えているのは○○さんではなく伝えてきたその人です。

ですので、注意すべきはあなたの悪口を言っていたとされる〇〇さんではなく、他人が悪口を言っていたよとわざわざ伝えてくる人です。

たとえ本当だったとしても、少なくとも20歳を超えた大人が本人に伝えるべきことではありません。

このようなコミュニケーションスキルが著しく低く自分のことしか考えられない人と一緒にいると害しかありません。

残念なことに、思いやりのある優しい人ほどこういう人のターゲットにされてしまいます。

確かに自己愛性パーソナリティ障害の人は、幼少期に親から虐待を受けたためにこのような障害が発生してしまったことが原因であることが多いことから同情すべき点はあります。
しかし、そう思って優しく接してしまい「ターゲット」にされてしまうとあなたの人生は終わります。

自己愛性パーソナリティ障害の人は一種のサイコパスですので、他者がどれだけ傷つこうが全く関係ありません。たとえあなたが自身の命を絶ったとしても心を動かすことはないでしょう。

したがって、自己愛性パーソナリティ障害の人と付き合う場合には「自己愛性パーソナリティ障害だと判明した時点で逃げる」べきです。

感情の起伏が激しく他者を滅ぼし尽くすまで燃え続けるような激情にかられやすい彼らの存在は時限爆弾のようなものです。
いつか爆発して全てを吹き飛ばします。

吹き飛ばされる前に逃げましょう。

 

なお、自己愛性パーソナリティ障害の人に向いている仕事としては、「人とかかわることなく行える仕事」「マイペースに行うことができる仕事」があります。

この仕事に丁度当てはまるのが、特許事務所の仕事です。
弁理士の仕事は専門性が高く一人でもどんどん進めていけるため、パーソナリティ障害の人でもできます。

(ただし、本当に良い仕事をしようと思ったらコミュニケーション能力の高さは必要ですのでいつかボロが出ます。)

 

既に特許事務所で働かれている方は、上司や同僚がこういう人だという悩みを抱えていらっしゃるかもしれません。

(私はそのような相談を受けたことがあります)

その場合には、良い対処方法は存在しないので、その人が退職するのを期待するか、自分から転職してしまったほうが良いでしょう。
実務経験のある人にはいくらでも転職先がありますよ。

 

なお、「愚痴を聞いてほしい。今の職場には正にそんな人がいる」という場合には遠慮なくご相談ください。苦しんでいるのはあなただけではありません。