特許事務所では、所長弁理士、パートナー弁理士、アソシエイト弁理士、特許技術者、特許事務、特許翻訳、特許調査員(サーチャー)などが働いています。

知財業界に興味があるから特許事務所で働いてみたいけど、自分にどんな職種が合っているのかわからないという方のために簡単な職業内容紹介と向いている人についての説明を載せてみました。
なお、記事の最後で弁理士による適正チェック(無料)も紹介しています。

 

1.弁理士

特許出願業務代行または商標・意匠出願業務代行をメインに行う国家資格保持者。
所長弁理士とは、その特許事務所の経営者。
ただし、弁理士法人化(特許業務法人化)している場合にはトップは代表と呼ばれる。

パートナー弁理士はアソシエイト弁理士より上くらいの認識でOK。
なお、家族経営の特許事務所の場合、家族でない場合はどんなに優秀でも良いポストにつけない。

理系大学・大学院出身者等,技術が得意な人に向いている。また、英語ができればなお良し。
文系でも大活躍している特許弁理士は多数。

報酬の支払いが売上連動性の場合、最近の平均は35パーセントくらい。

 

2.特許技術者

弁理士の補助を行う人。特許明細書の作成補助や中間対応補助がメイン。
国家試験に合格すれば弁理士になれる。

 

3.商標技術者

特許技術者の商標バージョン。多くの場合は商標だけでなく意匠の仕事も一緒にする。
国家試験に合格すれば弁理士になれる。
なお、商標弁理士より特許弁理士の方が収入は高い。

 

4.特許事務

特許・商標出願に付随する事務を行う。一般事務より責任が重く難しい分給与も高い。
責任感の強い人に向いている。
超優秀な人の場合、弁理士並の収入を得ていることもある。

 

5.特許翻訳

弁理士の書いた明細書を翻訳したり外国から日本に入ってきた書類の翻訳をする。
文学翻訳とは異なり技術の専門用語が多い。

純粋に英語が好きな人、英会話が好きな人には向いていない。技術英語が好きな人に向いている。

 

6.特許調査(サーチャー)

特許出願前調査や無効審判用の資料を探す。特に資格は必要としないが難しい仕事。弁理士自らが行うことも多い。

根気強い人に向いている。

 

転職成功のコツ

一番良いのは、信頼できる人(家族、古くからの友人等)からの紹介でしょう。

知財の専門家ではない転職エージェント経由だと多額の報酬目当てでヤバい事務所に押し込められる可能性が高いのでご注意を。
ネットの掲示板などを見ると事務所情報が赤裸々に載っているので、嘘のない情報を得たいと思ったら転職エージェントを利用するよりもネット掲示板を見たほうが良いです。

また、個人ブログなども役に立ちます。転職エージェントに騙された話などが載っています。

なお、転職エージェントがあまり酷い嘘を言うようなら弁護士に相談しましょう(そもそもそれが嘘だと思っていなかったから騙されたわけですから事後的になりますが)。転職エージェントの嘘は倫理的に問題視されており弁護士もたくさんの相談を受けています。こうしたトラブルに詳しい弁護士に相談することによって、ブラック特許事務所に押し込められた人の補填がされる可能性があります。

 

本当は、転職エージェントが良い仕事をしてくれてちゃんとした事務所に紹介してくれるのが一番なのですが、自社利益を第一に考えると今のような状態になってしまうのでしょうね。資本主義社会において利益を得ることは悪いことではないのだからやり方さえ正しいならば転職エージェントはここまで嫌われないはずです。

 

というわけで、仲の良い人、信頼できる人が働いている特許事務所に転職するのが一番です。

 

でも、最新情報がほしい。とか、特許業界未経験だし特許業界に仲の良い人なんていないよーという方は私にご連絡ください。情報提供いたします。

自分にはどの職種が向いているのか

上述した弁理士・特許技術者、商標技術者、特許事務、特許翻訳、サーチャーについてですが、どの職業があなたに向いているでしょうか。

意外と自分で自分のことはわからないものです。

したがって、お問い合わせいただければ弁理士である私があなたの適性を判断いたします。

上の説明を読んだだけだと、「自分は英語が得意で文系だから商標技術者か特許翻訳だ・・・」というように考えてしまうと思いますが、適正というものはスキルや経歴だけでわかるものではありません。

ご連絡いただければ会話の中からあなたの天職を探り出します。

過去の職業経験は一般事務や接客業しかしたことのなかった文系の方が特許弁理士になって活躍している例もあります(この方の才能を見抜いたことは私の自慢話のネタの一つであり、飲みに行くと語ります。ご注意を!)

なお、文系でも大丈夫とは書いていますが、やっぱり理系の知識はあった方が良いです。

向いている人ならば仕事を初めて数年で年収も大幅アップしますのでぜひ知財業界にいらしてください。

「向いていない」場合も「知財業界に向いていない」というだけであって、「人間として問題がある」とか「仕事ができない」わけでは決してありません。あくまでも知財(特許)業界に向いていないというだけですので、他業界にいけば大活躍できる可能性があります(特に金融系や不動産等)。逆に言うと、知財業界で活躍されている方々も他業界に行くと活躍できない可能性があります。
何をやらせても天才なんていません。

「苦手なことをいくら頑張っても思うように出来ないしつまらない」では辛いだけですよね。「大変だけど成長を感じられるしやりがいを持てる」職業が天職なのだと思います。

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