知財業界というと転職のイメージが非常に強いですが、新卒で特許事務所に入所される方もいらっしゃいます。

その場合、雇った特許事務所の側が親を事務所に呼ぶことがあります。
「社会人になっても親だなんて」と思われるかもしれませんが、これは「オヤカク(親確)」と呼ばれる新卒者を逃さないようにする行為です。

 

大きな企業に就職した場合や公務員の場合にはこんなことは起きませんが、中小企業へ新卒で入社する場合にはたまにあることです。なぜならば、大企業や公的機関ならば安定しているので親御さんは心配しませんが、「特許事務所」のような聞いたことも無いようなところへ就職するとなると心配になってしまうのが親心です。

そのため、企業や事務所は新卒者を逃さないために様々な方法を使って内定辞退させないようにします。

その一つの手段が上述した「親を事務所に招待する」行為であり、他にも、内定受諾後に親向けに自社製品や手紙を送付したり食事会に親を招いたり父兄の同意書をとるといったことが挙げられます。

 

この「オヤカク」、就職希望者・採用特許事務所、双方にとってあまり望ましいことではないと言えます。

 

特に入社した本人にとっては、親の手前、何か嫌なことがあったときに「あんな素晴らしい社長さんなのに何が不満なの!」と怒られ相談相手もいなくなるという逃げ場のない状況に追い詰められるからです。

ですので、新卒の方が特許事務所に入所する場合には、このような方法をとらない、本人の意志を尊重してくれる事務所へ就職すべきでしょう。

 

親世代は大企業や公務員が安定、というのが絶大な正義として頭にありますが、今の若者はそうではないことはよく知っています。

世代間での違いは子供がデータを示し親を説得すべきことです。

 

自分の親を説得できないのにお客様や取引先を説得する、社内で調整する」ということは出来ません。

結果として伸び悩む人になる可能性があります。

 

特許事務所側にとってもそんな人を採ってしまってはマイナスですので、「オヤカク」という行為自体、なくなるべきものだと思います。